高級塗料として名の知れている光触媒塗料は、セルフクリーニング効果や抗菌効果の高さなど、今までの塗料にはなかった機能性抜群の塗料です。
光触媒塗料で外壁塗装を行うことのメリットなど、把握してほしい様々なポイントを以下にご紹介いたします。
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外壁塗装に使われる光触媒塗料とは
光触媒塗料は、原料が酸化チタンの塗料であり、紫外線や光を受けることにより反応し、活性酸素が発生することで硬化が発揮します。
活性酸素は空気の中にある大気汚染物質を分解させる働きがあり、塗膜表面の汚れを分解させて、親水性効果により雨などの水分で流すことにより汚れを洗い流すことができます。
この効果を、セルフクリーニング効果と呼びます。
雨が降るたびに塗膜が洗い流されるので、いつまでも綺麗な外壁を保つことができます。外壁を洗う手間が無くなるので、管理しやすい外壁塗膜となります。
酸化チタンという名称は利き慣れないので、人体に影響はないのか不安に思う方もいると思います。酸化チタンというのは、ファンデーションや化粧品などに含まれている、馴染みのある物質です。
肌に付着しても害は一切ないので、塗料に含まれていても安心の物質ということになります。
光触媒塗料で外壁塗装するメリット
光触媒塗料には、他の塗料にはない様々なメリットがあります。どのようなメリットがあるのか、以下にご紹介いたします。
耐用年数が長い
光触媒効果により、塗膜を劣化させる原因である紫外線を利用して機能性を発揮するため、耐久性が高い塗膜となります。光触媒塗料の耐用年数は、約15～20年と言われています。
外壁塗装の普及品と言われているシリコン系塗料の耐久性の1.5～2倍ほどあるので、1度外壁塗装工事を行うことで次の塗装メンテナンスまでの周期を長くさせることができます。
ただし、光触媒塗料は光触媒効果にて耐久性を高めるので、建物がある場所の気候や立地条件などにより、耐久性は変動します。
セルフクリーニング効果で汚れがつきにくい
光触媒塗料に含まれる酸化チタンにより、太陽光などの紫外線に反応し、塗膜に付着した汚れを分解して、雨等の水分が当たることによって汚れを洗い流すことができます。
一般的な建物の場合、新築後、年数が経過すると外壁塗膜は汚れて劣化してしまいますが、光触媒塗料の場合は汚れにくい外壁塗膜となり劣化しにくくなります。
空気清浄効果がある
光触媒塗料は、空気中の汚れを取り除く空気清浄機能を持っています。
光触媒塗料を塗布した塗膜に太陽光などの紫外線が当たることにより活性酸素が発生し、空気の中に含まれている窒素酸化物を酸化させて大気中から除去します。
窒素酸化物というのは、車の排気ガスや工場から発生する排気に含まれているものであり、酸性雨や光化学スモッグなどの原因となります。
塗料を塗布するだけで空気が浄化されるのは、光触媒塗料だけです。
光触媒塗料で外壁塗装するデメリット
光触媒塗料は、様々なメリットがある優秀な塗料です。しかし残念ながらデメリットもあります。光触媒塗料を外壁塗装に採用する場合は、デメリットもしっかりと把握した上で検討されることをおすすめします。
光触媒塗料を外壁塗装で使うことでのデメリットを、以下にご紹介いたします。
価格が高い
光触媒塗料は、シリコン系塗料のような外壁塗装の普及品の塗料と比べると、初期費用は高くなってしまいます。それは、様々な機能性がある塗料なので、仕方のない事といえます。
しかし耐用年数が長い塗料なので、長期的に考えるとコストパフォーマンスは良い塗料となる場合があります。初期費用を多く支払うことは簡単なことではありませんが、外壁塗装は足場などの仮設費用が工事の度に発生するので、結果として安くて耐用年数が短い塗装を使うとコストパフォーマンスが低くなる場合があります。
光触媒塗料は初期費用が高いことは間違いないので、予算と求める機能性を考慮した上で、光触媒塗料を採用すべきなのかどうかを考えることをおすすめします。
紫外線の当たらない部分の汚れが落ちにくい
光触媒塗料のセルフクリーニング効果は、太陽光などの紫外線が当たらない場所では効果を発揮させることができません。そのため、日当たりが良くない外壁では、セルフクリーニング効果は期待できません。
太陽が良く当たる外壁面のみ綺麗な塗膜を維持でき、日陰の外壁面は汚れが目立ってしまい場合があります。
そのため、光触媒塗料の採用を考える場合は、建物に太陽光がどれ位当たるのかを考えて採用を決めると良いでしょう。
無機質系の汚れや強固な汚れには効果が発揮されない
光触媒塗料のセルフクリーニング効果は、どのような汚れでも洗い流して落とせると思うかもしれませんが、そんなことはありません。落とせない汚れもありますので、注意しましょう。
例えば、樹液や鳥のフンなどには反応しにくいので、汚れを落としきれない場合があります。
樹液や鳥のフンの被害に遭っている建物には、不向きの塗料とも言えます。
ひび割れに弱い
光触媒塗料の塗膜は、固くなりやすい塗膜となってしまいます。そのため、建物に動きが発生した場合塗膜にひび割れが発生してしまうことがあります。
大地震の多い地域や車どおりが多い場所など建物の動きが多い建物の場合、外壁に収縮目地を設けることで、シーリングの追従効果によりひび割れしにくい塗膜とすることができます。
施工が難しく専門性が必要
光触媒塗料は粘度が低い塗料であり、サラサラしていて水のような粘度です。そのため、外壁に塗布した際に塗料が垂れやすいので、腕の良い塗装屋さんでの施工が必要となります。
光触媒塗料での施工をお願いしたい業者を探す場合は、光触媒塗料の施工経験がある業者を採用しましょう。業者のホームページをチェックしてみると、どのような外壁塗装工事を行ってきたかわかります。
光触媒塗料を使った外壁塗装工事は珍しい工事なので、経験がある場合は必ずホームページに掲載するはずです。光触媒塗装の記載がない業者は、施工したことがない業者と捉えて良いでしょう。ホームページが無い業者に依頼したい場合は、光触媒塗料での外壁塗装経験があるのかを問い合わせましょう。
光触媒塗料は扱いにくい塗料であり、以前は講習を受けた業者が指定店となり、施工するという流れでした。しかし、この制度が現在廃止となっており、どの業者でも光触媒塗料を取り扱うことができるようになりました。
光触媒塗料は、高い技術と専門性を擁する塗料ですので、必ず業者の実績を参考にして依頼する業者を決定するようにしましょう。
光触媒塗料のような機能性が高い塗料というのは、きちんと塗布することで規定の効果を発揮させることができます。塗布の仕方が良くないと機能性効果は発揮しませんので、業者選びは慎重に行いましょう。
光触媒塗料と他の塗料との比較
光触媒塗料は、他の塗料にはない様々な魅力が満載の塗料です。
そこで、光触媒と他の塗料を比較して、どのような違いがあるのかを以下にご紹介いたします。
アクリル系塗料
アクリル系塗料は、外壁塗装に使う塗料の中で1番安価な塗料です。安く外壁塗装工事を行うことができますが、耐用年数が非常に短く、光触媒塗料の3分の1程度です。
外壁塗膜を長持ちさせたい方には光触媒塗料がおすすめですが、頻繁に外壁の色を変えたい方はアクリル系塗料の方が1回当たりの塗装費用が安価なのでおすすめとなります。
また、アクリル系塗料には機能性はあまりないので、セルフクリーニング機能のような機能性を外壁に設けたい場合は光触媒塗料の方が適しています。
ウレタン系塗料
ウレタン系塗料はアクリル系塗料よりも耐用年数は長いですが、10年以下の短さです。光触媒塗料の半分～4分の3程度の耐用年数であり、費用対効果はウレタン系塗料の方が低くなってしまいます。
また、ウレタン系塗料は紫外線による変色が発生しやすい塗料であり、外壁塗装に使うと黄色く変色してしまう「黄変」が発生する場合があります。また、汚れやすい塗膜なので、光触媒塗料のような常に綺麗な塗膜を保つことはできません。
長期に渡り綺麗な塗膜をキープすることができ、耐用年数の長さを考えると、ウレタン系塗料よりも光触媒塗料の方が外壁塗装工事に適しているといえます。
ただし、単価は光触媒塗料の方が高いので、塗膜の綺麗さや耐用年数を考慮した上で、どちらの塗料の方が自分の理想の外壁塗装に適しているのか、よく考えて選ぶことをおすすめします。
シリコン系塗料
シリコン系塗料は、耐用年数や価格など総合的な判断によりバランスが良い塗料であり、外壁塗装で採用される事が多い塗料です。光触媒塗料の費用と比べると3分の2程度の費用であり、耐用年数も3分の2程度です。
費用対効果が良いと有名なシリコン系塗料ですが、多少の親水性はありますが、光触媒塗料のような優れたセルフクリーニング機能はありません。
綺麗な塗膜を長期間維持したい場合は、光触媒塗料の方が適しているといえます。しかし、光触媒塗料は単価が高いので、光触媒塗料の耐用年数の長さと機能性の高さは本当に必要なのかを考えた上で、選ぶようにしましょう。
無機塗料
無機塗料は、塗料に配合されて当たり前である有機物の配合が少なく、ほんの少しの有機物しか含まれていない塗料です。
有機物は塗膜を劣化させてしまう原因なので、ほとんどが無機質の成分で作られていることにより劣化しにくい塗膜となります。光触媒塗料も塗膜の寿命が長いですが、無機塗料の方が数年長いです。
デメリットは、光触媒塗料よりも価格が高く、塗膜が硬いのでひび割れしやすい部分です。光触媒塗料程度の寿命の長さと機能性を取り入れたい場合は、光触媒塗料の方が外壁塗装に適しています。長い塗膜の寿命にこだわるなら、無機塗料の方が適しています。
光触媒塗料の代表的なメーカーと製品
光触媒塗料は、日本の代表的な様々なメーカーから販売されています。どのようなメーカーからどのような塗料が販売されているのか、以下にご紹介いたします。
日本特殊塗料
様々な素材や物に使える塗料を取り扱っている企業であり、建築の塗料も取り扱っています。80年以上特殊塗料の研究を続けており、航空機専用の塗料の開発からスタートしました。
日本特殊塗料の光触媒塗料は、エヌティオGやエヌティオRなどがあります。
ピアレックス
光触媒塗料といえば「ピアレックス」と言われているほど、ピアレックスは光触媒塗料で有名な企業です。打ちっぱなしコンクリートの表面処理用の光触媒塗料なども販売しており、他の塗料のメーカーと比べると機能性豊富な塗料の研究に力を入れている業者です。ピュアレックスの光触媒塗料は、ピュアコートやピアレックスRC工法。
N－RCシステム、G-PFシステムなどがあります。
TOTO
TOTOというと設備機器を販売しているメーカーというイメージがあると思いますが、塗料の販売もしております
光触媒塗料を開発したのは、TOTOです。当時はTOTOのみで光触媒塗料を販売していましたが、源蔵位は様々なメーカーが製造・販売をしています。
TOTOは光触媒塗料の開発や普及に賭けた思いが熱く、地道な研究の中でエコ性能の塗料を造り上げました。TOTO独自の光触媒技術を取り入れた、他にはないエコで優秀な光触媒塗料です。
TOTOから販売されている光触媒塗料は、ハイドロテクトカラーコートやECO-EX、ECO-HGなどがあります。
光触媒塗料による外壁塗装がおすすめの人
光触媒塗料には、様々な機能があることがわかりました。そこで、光触媒塗料を使った外壁塗装はどのような方におすすめなのか、以下にご紹介いたします。
メンテナンスの回数を抑えたい
光触媒塗料は、耐用年数が長い塗料です。そのため、外壁塗装工事のメンテナンスの回数を減らすことができます。外壁塗装の塗料として普及品であるシリコン系塗料と比較すると、1.5～2倍のメンテナンス回数の減少が可能です。
メンテナンスの回数を減らせるということは、塗膜が劣化しにくいので長期間建物を守ることができ、建物を劣化を抑えることもできます。
耐用年数や機能を重視したい
光触媒塗料は、耐用年数も長く機能性に富んでいる塗料です。耐用年数は15～20年ほどあり、発売から20年以上経っている塗料なので証明されている耐用年数です。
普及品であるシリコン塗料と比べると、場合によっては2倍も耐用年数が長い場合があります。耐用年数が長いことで塗膜の管理を頻繁に行わなくて良いので、手間がかからない塗料ともいえます。
また、光触媒塗料は機能性に大変富んでおり、セルフクリーニング機能や周辺の空気浄化機能、耐久性の高さなど、様々な機能を持っています。
外壁塗膜に様々な機能性を取り入れて便利に塗膜を使い続けて行きたい方は、光触媒塗料がおすすめです。
白色系で外壁塗装をしたい
光触媒塗料は、白系の色ではないと存分な効果発揮はできません。そのため、白い色合いで外壁塗装をしたい方にオススメの塗料です。
逆に、暗い色を外壁塗装に採用したい場合は、不向きの塗料となります。
白系じゃないと効果が発揮しない理由は、白色の顔料に多く含まれている酸化チタンが活性酸素の動きをすることでセルフクリーニング機能が発揮するからです。
白色に近ければ近いほど高い効果を発揮するので、真っ白な外壁にしたい方に向いている塗料です。
光触媒塗料での外壁塗装がおすすめできない家の特徴
逆に、光触媒塗料が外壁塗装におすすめできないケースもあります。どのような場合光触媒塗料がおすすめできないのか、以下にご紹介いたします。
費用に限りがある場合
光触媒塗料は、外壁塗装の普及品の塗料であるシリコン系塗料と比べると、価格が高いのがデメリットです。そのため、一般的な外壁塗装の施工価格よりも費用は高くなります。
光触媒塗料は、費用よりも耐久性や防汚性などの機能性を重視したい方向けの塗料なので、機能性を重視したい方で多少費用が高くなっても仕方がないという方でしたら、オススメの塗料です。
太陽光が当たりにくい家
光触媒塗料は、太陽光が塗膜に当たることによりセルフクリーニング等の効果を発揮する塗料です。そのため、建物の影などの日陰になりやすい建物の場合、光触媒塗料は不向きとなります。
また南面などの太陽光が当たる面は光触媒効果を発揮しますが、北面などの光が当たりにくい面の場合は光触媒効果は発揮しません。
この場合太陽が当たらない面にもセルフクリーニング機能を与えたい場合は、太陽光が当たりにくい部分にフッ素塗料などの親水性がある塗料を塗布するとセルフクリーニング効果を発揮させることができます。
鉄製の外壁の場合
金属製サイディングやガルバリウム鋼板などの鉄製の外壁の場合、錆が発生することがあります。
錆は光触媒塗料の機能性であるセルフクリーニング効果は発揮させることができません。錆は無機質の汚れなので、酸化チタンによる分解はできない汚れとなります。
外壁塗装で光触媒塗料を使用するときの注意点
外壁塗装工事に光触媒塗料を採用する際、いくつかの注意点を把握しておく必要があります。どのような注意点に目を向けるべきなのか、以下にご紹介いたします。
落ちない汚れがあることを理解しておく
先程錆の汚れには反応しないとご紹介いたしましたが、その他の汚れの中にもセルフクリーニング効果が反応しない汚れがあります。
日本の中には、一定の季節になると黄砂が飛んでくる場所があります。黄砂は無機質系の汚れなので、黄砂が外壁塗膜に付着しても酸化チタンでは分解できない汚れなので、綺麗にすることができません。
また鳥のフンも酸化チタンが反応しにくい無機質な汚れなので、セルフクリーニング効果を発揮させることができません。
技術と実績のある業者を選ぶ
光触媒塗料の粘度は、サラサラしています。そのため、塗装施工をする際に塗料が垂れやすいので塗装しにくく扱いが面倒な塗料です。
また、塗装工事完了後の感想の速度が遅いので、塗装工事を行う日の天候状態や湿度、温度などの細かいことに対して注意が必要となる塗料です。
そのため、技術と実績のある業者に光触媒塗料をお願いしましょう。光触媒塗料はまだまだ珍しい塗料なので、塗装経験がある業者は自社のホームページに光触媒塗装で塗装を行ったことを記載します。光触媒塗料で塗装経験があることは、大きなアピールになるからです。
自社ホームページを持っていない業者の場合は、光触媒塗料を扱った経験があるのかを問い合わせましょう。取り扱ったことのない業者の場合は、所定の塗膜の厚みで塗装を行うことが難しいので、おすすめできません。
一括見積を取る
光触媒塗料は、外壁塗装の普及品の塗料であるシリコン系塗料と比べると、高価な塗料です。また、住宅の外壁塗装に使う塗料としては、まだまだ普及していない塗料となります。
そのため、正確な見積もりを作ることができない業者は少なくありません。正確な費用で光触媒塗料を使って外壁塗装を行おうと思う場合は、一括見積もりを取って見積書の比較をしましょう。
比較するのは費用だけではなく、記載されている内容も比較しましょう。
まとめ 高機能な光触媒塗料で外壁塗装をするなら知識と経験のある業者へ依頼を
光触媒塗料は、今までの外壁塗装の塗料にはなかった様々な機能性があふれている塗料です。昔は外壁の塗装は色を塗るだけというイメージがありましたが、今は光触媒塗料のような機能性が重視されている塗料も注目されるようになりました。
光触媒塗料は、外壁塗装の普及品であるシリコン系塗料と比べると費用は高上りです。そのため、本当に光触媒塗料が必要なのか、十分に検討した上で採用されることをおすすめします。
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