「バッファ」のシーンごとの正しい意味・例文をわかりやすく解説

バッファ

「バッファ」はシーンごとに意味が異なる言葉のため、使い方注意のビジネス用語です。

上司に急に「バッファはあるの?」なんて聞かれた時にも焦らないために、正しい意味を理解しておきましょう。

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この記事の監修者
転職コンサル山田
コンサル山田

「エーマッチ」編集長。
ウェブマーケティング会社経営者。上場企業からスタートアップまで7回の転職経験を元に転職エージェントマッチングメディア「エーマッチ」を運営。
転職ノウハウだけではなくビジネス全般、キャリアアップ、独立起業、最新ビジネスニュースなどをお届け。

「バッファ」のシーン別の意味

「バッファ」という言葉は、ビジネスシーンでは「余裕」と言う意味で使います。IT用語としては「記憶領域」という意味を持っています。

それぞれ詳しく見てみましょう。

ビジネスシーンでの意味は「余裕」

ビジネスシーンで「バッファ」は「余裕・ゆとり・クッション」といった意味で使われます。

以下に例を挙げます。

  • 十分な在庫
  • 予算的な余裕
  • 余裕のあるスケジュール・作業工程
  • 納期までの時間的余裕
  • 予備のための人員
  • 人間関係においてクッションとなる人材

IT用語としての意味は「記憶領域」

「バッファ」はもともとIT用語として広まった言葉です。

語源は英語の「buffer」で、「緩衝物」「緩和装置」といった意味を持ちます。

コンピューターには「緩衝記憶領域」という『処理しきれないデータを一時的に保存しておく保存領域』があります。

「緩衝」という言葉を使うことから、この保存領域が「バッファ」「バッファメモリー」と呼ばれるようになりました。

「バッファ」には内蔵されているものや後付けするものなど、様々な種類があります。

外交・国際関係での意味は「緩衝国」

国際関係においての「バッファ」は、力を持つ大国同士の間に入り衝突を防ぐ役割を果たす国、独立を認められた国を指します。

たとえば、19世紀末のタイおよびエチオピアは英仏間の、またアフガニスタンは英露間の暗黙の合意の下に緩衝国とみなされ、独立を保つことができた。

第二次世界大戦後のヨーロッパでも、東西二大陣営の接点に位置するフィンランドやオーストリアが緩衝国と同じ扱いを受け、等距離・中立外交をとった。

金融業界での意味は「リスク回避のための資本」

金融業界では、「資本保全バッファー」という言葉が使われます。

資本保全バッファーとは、不測の事態における金融機関の資金繰り逼迫に備えて、最低限保持すべき自己資産に上乗せされる資本の水準です。

PC用語としての意味は「パケット蓄積」

PC用語としての「バッファ」はパケットを蓄積する機能を指しています。

インターネットでの動画ストリーミング再生の際に配信する側と再生する側との間に生じる時間のズレを「バッファ時間」と言います。

工業部品のバッファは「緩衝用部品」

工業・建設の分野では、衝撃を緩和させるための部品・装置を「バッファ」と呼びます。

例えば、

  • 鉄道の車両同士を繋げて衝撃を和らげる部品
  • 自転車のスイングアームとチェーンの干渉をさけるための部品
  • エレベーターが天井にぶつからないように設置する装置

などがあります。

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「バッファ」の語源『buffer』発音と読み方

ビジネス用語の「バッファ」は英語の「buffer」と意味が異なるため、混同しないよう注意が必要です。

意味や読み方について確認しておきましょう。

英語の「buffer」の意味

「buffer」は名詞としては「緩衝物・緩衝装置」という意味があります。

動詞としては「和らげる・緩和する」という意味があります。

「buffer」の読み方・発音

ビジネス用語の「バッファ」と混同してしまいがちですが、「buffer」は「ッ」を抜いた発音が正しいものです。

発音記号は「bʌ́fər」で「バファ」と読みます。

和製英語「バッファ」との意味の違いに注意

英語の「buffer」には「緩衝」という意味はありますが、ビジネス用語(和製英語)のように「余裕」という意味は持ちません。

そのため、英文で予定・作業工程や人員に対して「バッファ」を使わないよう気をつけましょう。

「バッファ」も「バッファー」も正解

ビジネスシーンで「バッファとバッファー、どちらが正解?」と悩む方も多いですが、どちらも正解と言えます。

しかし「バッファ」と言う人のほうが多いため、迷ったときは「バッファ」で統一しましょう。

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「バッファ」の例文

ここからは実際に「バッファ」を使った言葉・例文を見てみましょう。

「バッファ」を使った言葉

・バッファオーバーフロー/バッファオーバーラン
記憶領域に想定以上の長さの情報が入力されてしまうこと。悪意のあるユーザーがウェブサイトを攻撃する際に利用する方法のひとつです。

・プリンタバッファ
パソコンからプリンタにデータを移行する際、一時的にデータを保存する記憶領域です。

・バッファリング
ストリーミング再生等で、データを一時的に記憶領域に保存して再生時間のズレをなくすことをバッファリング(バッファー処理)と言います。

「バッファ」の例文

「バッファ」は「持つ」「持たせる」など様々な使い方をする言葉です。

例文から正しい使い方を確認しておきましょう。

・設ける

  • 作業工程表を作る際には、バッファを設けるようにしてください
  • 予定変更になりましたが、日程のバッファは設けてありますか?

・持たせる

  • バッファを持たせるために、人員を増やすべきだと思います

・持つ

  • 念のため、資料のバッファを持つように

・取る

  • バッファを取るために、余裕のある納期設定をしよう

・見る

  • バッファを見て(管理して)仕事することで効率が上がるものだ

「バッファ」を上司・取引先に使う場合

「バッファ」はビジネスシーンで一般的に使われる言葉ですし、目上の人に使っても失礼にあたらないでしょう。

しかし相手がカタカナ語を嫌う可能性もあるため、言い換えた方が良い場合もあります。

言い換える時には、

  • 余裕を持たせる
  • 予備を用意する

などと言うことができます。

「バッファ」をメールで使う場合

取引先などにメールを送る場合にも、「バッファ」と言うよりも「余裕・予備・ゆとり」と言い換えた方が良いでしょう。

社内メールでは「バッファを持たせてありますか?」などと送っても問題ないです。

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「バッファ」の誤った使い方

「バッファ」は「持つ」「持たせる」など様々な使い方があるため、謝った使い方をする方も多い言葉です。

よくある誤用例を見てみましょう。

「バッファをなくす」は間違い

「バッファ」は在庫や時間に対し「余裕」という意味で使いますが、精神的な余裕に対しては使われません。

「在庫のバッファがないから、部長が焦っている」

は正しいですが、

「部長がバッファをなくしている」

これは間違いです。

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「バッファ」のメリット・デメリット

「バッファ」がビジネスシーンで一般的に使われるようになった背景には、タイトな予定を立てるよりも余裕を持つことが効率アップに繋がる…という認識が広がったことがあります。

バッファを設けることのメリット・デメリットを見てみましょう。

「バッファ」を取るメリット

作業の効率だけを考えると、最低限の人数で最短で仕事を終わらせることが最善に見えるでしょう。

しかし、ギリギリのコスト・人員・納期で仕事を進めると、不測の事態が起きたときに対応することができなくなってしまいます。

先方から条件や納期の変更連絡があったり、誰かが病欠したり…と仕事にトラブルはつきものです。

コストや納期にバッファがあると、関わる人たちの心にも余裕が生まれるため、焦りからくるミスを防ぐことができます。

最近はチーム間の人間関係を良くするために、「バッファ要員」としての配属が行われることもあります。

このバッファ要員も一見効率的でないように見えますが、実際には一人ひとりが仕事がしやすくなりモチベーションも上がるため、効率が上がるものです。

「バッファ」を取るデメリット

バッファのある行程を決める際には、バランスを取る必要があります。

余裕のありすぎる予定を立てると、先方を待たせてしまうことになるかもしれません。

また、納期までの間も各工程が問題なく進んでいるかを確認して「バッファ管理」を行う必要があります。

チームの責任者がバッファ管理を行い、遅れが生じているならその都度サポートをする必要があるでしょう。

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「バッファ」の類語

「バッファ」と同様の意味を持つ言葉を確認し、それぞれの言葉との違いも理解しておきましょう。

類語1:「クッション」

部品としての「バッファ」は「クッション材」と同様の意味を持ちます。

また、人間関係において「バッファ」「バッファ要員」となる人に対しても、

  • 「Aさんがクッションになってくれるから、話し合いがしやすいよ」

なんて使われることがあります。

この場合、場の緊張を解く存在を指しています。

類語2:「調停役」

「バッファ」は「調停役」という意味で使われる場合もあります。

仲裁をする・まとめる・世話をする・口利きをする人に対して使われる言葉です。

  • 「Aさんがチームの調停役として動いてくれるので、一人ひとりの士気が上がっています」

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「バッファ」を言い換えるなら「ゆとり」

「バッファ」を日本語で言い換えるなら、「ゆとり」と言い換えることができます。

例文を見てみましょう。

「ゆとり」に言い換えたときの例文

  • 作業工程表を作る際には、ゆとりを持つようにしてください
  • 予定変更になりましたが、日程のゆとりはありますか?
  • ゆとりを持つために、人員を増やすべきだと思います

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「バッファ」を英文で使うなら「have enough〜」

英文で「buffer」を使う場合には、ビジネス用語の「バッファ」と意味を混同しないよう気を付けましょう。

「緩衝材」という意味で用いるなら「buffer」でもOKですが、「余裕」という意味なら他の言葉に言い換える必要があります。

「have enough〜」という言葉ならば、「余裕」という意味を伝えることができます。

「have enough〜」を使った例文

  • We have enough time to finish this project. このプロジェクトを終えるための時間的バッファがあります
  • We have enough cash for this project. このプロジェクトのための金銭的バッファがあります。

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バッファについて まとめ

「バッファ」という言葉は、ビジネスシーンでは「余裕」と言う意味を、IT用語としては「記憶領域」という意味を持っています。

語源である「buffer」は「緩衝」という意味がありますが、「余裕」という意味は持ちません。

そのため、英文で使う際には「have enough〜」に言い換えましょう。

日本語で言い換える際には「ゆとり」に言い換えることができます。

「バッファ」と「バッファー」で迷う方も多いですが、どちらも間違いではありません。

「バッファ」を使う方の方が多いので、迷ったら「バッファ」を使いましょう。

バッファの例文は以下の通りです。

  • 作業工程表を作る際には、バッファを設けるようにしてください
  • バッファを持たせるために、人員を増やすべきだと思います
  • 念のため、資料のバッファを持つように
  • バッファを取るために、余裕のある納期設定をしよう

納期や在庫にバッファがあると、ミスが減りモチベーションも上がるため効率が上がります。

しかしバッファの管理を行わないと、必要以上に時間がかかってしまうこともあるため注意しましょう。

上手にバッファを取り、余裕のあるビジネスマンを目指しましょう。

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