「リスクヘッジ」の意味・使い方は?ビジネスでのリスクヘッジの重要性も紹介
「リスクヘッジ」とは、リスク(危険)を予測して対策を取ること、リスクを減らす手段を見出すことを意味します。
ビジネスシーンでよく用いられますが、類語「リスクマネジメント」などと混同されることが多いため、正しい使い方を知っておく必要があります。
「エーマッチ」編集長。
ウェブマーケティング会社経営者。上場企業からスタートアップまで7回の転職経験を元に転職エージェントマッチングメディア「エーマッチ」を運営。
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「リスクヘッジ」の意味・シーンごとに異なる意味を解説
「リスクヘッジ」はもともと金融業界で使われる言葉ですが、日常生活で使われるようになり、少しずつ意味が変わっているようです。
「リスクヘッジ」の基本的な意味と、日常生活での意味をチェックしておきましょう。
「リスクヘッジ」の基本的な意味
リスクヘッジの語源は、英語の「risk hedging」です。
「risk」には「危険」という意味が、「heding」の原形動詞「hedge」には「生垣・防護柵」という意味があるため、「危険回避」といった意味で使われます。
「リスクヘッジ」の金融界での意味
「リスクヘッジ」はもともと金融業界で「投資において危険回避するための対策」を指して用いられていた言葉です。
例えば、投資先を1つの会社に絞るとその会社の株価が下落したときに大打撃を受けることになります。
しかし複数の会社に投資(分散投資)しておくと、株価下落のリスクが投資収益に与える影響を限定的にすることが可能になります。
「リスクヘッジ」のビジネスシーンでの意味
金融業界では「リスクヘッジ」が投資のための用語だったのに対し、ビジネスシーンでは「リスクヘッジ」がより広義で使われます。
主に以下のような意味があります。
- リスク(危険)を予測して対策を取ること
- リスクを減らす手段を見出すこと
- アクシデントが起きた際の対処法
新プロジェクトを立ち上げるとき、取引先と契約をする前などに「リスクヘッジ」を話し合うことは必須と言われています。
「リスクヘッジ」の日常会話での意味
最近は日常生活でも「リスクヘッジ」という言葉を使うようになりました。
日常生活で使う場合には、広い意味で「危険を予想して行動する」ことに使われます。
- 転職活動をする(現在よりも安定した職業を探す)
- スキルアップのために資格を取る(将来に備える)
- 保険に加入する(もしもの時に備える)
- 天気予報を見て傘を持っていく(濡れる危険を避ける)
将来を予想して、起こる危険に備えたり、安定のためにできる対策をすること全てを「リスクヘッジ」と言うことができます。
「リスクヘッジ」の類語「リスクマネジメント」「リスクテイク」との違い
「リスクヘッジ」の類義語に「リスクマネジメント」「リスクテイク」があります。
「リスクヘッジ」は危険を予測した対策を講じるという意味で使われるのに対し、「リスクマネジメント」は危機管理のための取り組み・プロセスという意味で用いられます。
また「リスクテイク」は危険があるのを承知で資産運用や新事業を行うことを指します。
それぞれの使い方を見てみましょう。
「リスクヘッジ」の例
- リスクを洗い出すために、入念に市場調査をする
- 特定のアクシデントが起きた時のために、代替案を出す
「リスクマネジメント」「リスクテイク」の例
【リスクマネジメント】
- 情報漏洩、システム障害などを防ぐ対策を講じる
- 自然災害が起きたときの損害を最小限に抑える対策
【リスクテイク】
- 利益を得るために、危険があっても資産運用を行う
それぞれ意味や使用するタイミングが違うことがわかりますね。
ここからは、さらに詳しく「リスクヘッジ」の使い方を見てみましょう。
「リスクヘッジ」の使い方・例文
ビジネスシーンでは、上司との会話や会議など様々なタイミングで「リスクヘッジ」という言葉が使われます。
例文を見ながら、正しい使い方を身につけましょう。
「リスクヘッジ」の例文
- 株価の変動が激しいので、リスクヘッジを行う必要がある
- リスクヘッジをすることを習慣化するべきだ
- リスクヘッジを図ることで、社長も安心するだろう
- リスクヘッジが甘いから、代替案を考え直そう
「リスクヘッジ」を使うときの注意点
「リスクヘッジ」を使うときには、類義語の「トラブル対応」と混同しないように気をつけましょう。
「リスクヘッジ」はまだ起きていない危険に備えることを示すのに対して、「トラブル対応」はすでに起きたトラブル・アクシデントに対処することを指します。
例えば、「A社はリスクヘッジ対応が遅い」と言うのは間違いで、「A社はトラブル対応が遅い」と言うのが正解です。
「リスクヘッジ」を言い換えるなら「危険回避」
「リスクヘッジ」を日本語で言い換えたい場合は、「危険回避」と言うことができます。
「危険回避」を使った例文を見てみましょう。
「危険回避」の使い方
- 危険回避のために投資先を増やしました
- 危険回避を目的として代替案を準備しました
- 危険回避の対策が不十分なため、取引先の承認を得られなかった
「リスクヘッジ」は英文で使ってもOK?
「リスクヘッジ」の語源は「risk」「hedge」という2つの単語なのですが、英文で「risk hedge」と使われることはあまりないようです。
名詞として使うときは「risk hedging」になります。
並び順を変えて「hedge the risk」とすると、「リスクを回避する」という動詞の意味で使うことができます。
「リスクヘッジ」をそのまま英文で使ってしまわないように注意しましょう。
ビジネスで「リスクヘッジ」をするメリット・注意点
今やビジネスにおける「リスクヘッジ」は不可欠です。
最後に「リスクヘッジ」の重要性と、「リスクヘッジ」する際の注意点を確認しておきましょう。
「リスクヘッジ」をするメリット
「リスクヘッジ」をすると、企業・チーム・自分を危険から守ることができます。
例えば、企業は「良い商品を作る」ことだけでなく「万が一リコールの必要が生じた場合の体制」を構築しておくことで、万が一リコール製品が発覚した場合の損失を最小限にすることができます。
企業が損失を最小限に抑えつつ、事業を進めていくことにも繋がるでしょう。
「リスクヘッジ」をするときの注意点
「リスクヘッジ」も、危険を予測するばかりで行動できなくなるようでは意味がありません。
周りからも、「守りに入ってばかりで実行する力がない人だ」と評価されてしまうかもしれません。
単なる自己保身ではなく、チーム全体・会社全体のためにリスク回避策を講じましょう。
またビジネスにリスクは付き物なので、リスクがあっても勝算がある場合には、恐れずに突き進む勇気を持ちましょう。
リスクヘッジ まとめ
「リスクヘッジ」はリスク(危険)を予測して対策を取ること、リスクを減らす手段を見出すことを意味する言葉です。
ビジネスではリスクを減らす手段を見出すこと・アクシデントが起きた際の対処法などを指します。
日常生活では、転職活動をすることや保険に加入することも「リスクヘッジ」と言えるでしょう。
類語の「リスクマネジメント」や「リスクテイク」、また「トラブル対応」などと混同して使わないよう、注意が必要です。
今やビジネスマンにとって不可欠となった「リスクヘッジ」の意味や重要性を正しく理解し、ワンランク上のビジネスマンを目指しましょう。
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