「リベート」の意味とは?ニュースやビジネスシーンでの使い方やメリット・リスクなどについて解説
様々な業界・シーンで使われるリベートという用語。
リベートって政治のニュースなどで「リベートを貰っているのか!」と問題になったりテレビでも「リベート問題で」と取り扱われていたりします。
本記事ではリベートについて、その意味とリベートのメリット等を説明、またリベートは違法行為にみなされる可能性があるという点についてもしっかりとご紹介します。
「エーマッチ」編集長。
ウェブマーケティング会社経営者。上場企業からスタートアップまで7回の転職経験を元に転職エージェントマッチングメディア「エーマッチ」を運営。
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リベートの意味とは
リベートとは「手数料」「謝礼金」「賄賂」という意味です。
weblio辞典でのリベートは「流通業界においては、小売業者の販売促進の対価として、メーカーから小売業者へ支払われる金銭のこと。」と記載されています。(※出典:weblio辞典)
もっと詳しく説明すると割り戻しのことで「売り手側が取引代金の一部を買い手側に払い戻すこと」またはその金銭を指しています。
例えば買い手側が商品を大量に購入してくれた場合「大量に購入してくれたし値引きしちゃう!」「わが社にとって利益になる可能性があるから売り上げ代金減額します!」というようなこともリベートです。
リベートの関連用語の一つとして、契約金額の一定歩合を相手に戻すことを条件に契約を成立させる用語「キックバック」もリベートと共によく使われる用語です。
リベートの種類
リベートには「①支払リベート」「②受け取りリベート」の2種類のリベートがあります。
この2つを説明すると
- 支払リベート:売上高をベースとした手数料
- 受け取りリベート:仕入れ割戻のこと。仕入リベート・個別商談リベート・達成リベートの3種類。
となっており、受け取りリベートは一つの枠から3つのリベートが細分化されて存在しています。
仕入れ割戻とは一定期間に大きな額、または大量の仕入れをした際に一部の代金が返還されることです。
経理用語でのリベート
リベートという用語は経理や広告業界でよく使われる用語で、経理用語でのリベートは「流通業者の取引高に応じてメーカーが仕入れ代金の一部を払い戻すこと等」です。
上で紹介したように業者の取引高が高ければ値引きしたり返金したりするということになります。
しかしこの方法はすべての企業が取引高に応じてという方法を取っているわけではなく、企業によって「年間売上高に応じて」「店舗内の陳列場所によって」「決済期間の長さ」等、方法は違います。
広告業界でのリベート
そして広告業界で言うリベートとは「払い戻しのこと」です。
例えばテレビやラジオ、ネット等や新聞・チラシ等、契約した時よりも広告を多く出すとリベートが広告主に支払われます。
広告業界は広告主がいてこそ成り立つものですから、どれだけ企業に貢献してくれたかによっては広告リベートとして広告主に支払うということもよくあります。
リベートのメリット
次はリベートのメリットです。
リベートには一体どんなメリットがあるのか皆さんも一緒に考えてみてくださいね。
取引の確実性確保
リベートのメリット1つ目は「取引の確実性を確保することができること」と言えます。
例えばリベートを払うことで買い手は一定の仕入れ商品を確保できる確実性が増しますよね。
また企業によっては大量に商品を仕入れることで売上代金を割り引いてもらうことができるため、結果的に低価格で良い商品を仕入れることもできるのです。
流通チャネルに対して発言力を持つことができる
リベートのメリット2つ目は「流通チャネルに対して発言力を持つことができること」です。
契約時にリベートを約束することで、条件の良い売り場スペースを確保することができたり、販売促進力をアップすることができます。
加えて流通チャネル側からしても通常よりも低コストで商品を確保できるわけですからどちらにとってもwin-winの関係になるということです。
リベートのデメリット
次はリベートのデメリットについて考えていきます。冒頭で「リベートは違法になる可能性もある」と言及しましたが、こちらについてもあわせて解説していきます。
リベートが固定化すると収益を圧迫する可能性もある
リベートのデメリット1つ目は「リベートが固定化すると収益を圧迫する可能性もあるということ」です。
取引の度にリベートを行うことが固定化すると、企業によっては採算が合わず結果的に収益を圧迫する可能性も考えられます。
リベートの不透明化
リベートのデメリット2つ目は「リベートの不透明化」です。
リベートの不透明化とは「リベートの提供理由」等が明確でないもので、一体どんな理由があってリベートを支払っているのか、支払っているのかがはっきりしないリベートを指しています。
特に米広告業界に多いとのことで、インターネット上には以下のようなニュースが記載されていました。
米広告業界にまん延 「不透明な取引慣行」
ザ・ウォールストリート・ジャーナル
ANA(全米広告主協会)によると、広告代理店は顧客の代わりに一定額を支払ったという名目で、メディアから現金によるリベートを受け取っている。ANAは通信のAT&T、自動車のゼネラル・モーターズ(GM)、日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(PG)など、大手広告主を代表する組織だ。
こちらのニュースは登録会員のみ記事の全貌を見ることができるため、リベートの不透明化についてどのような対策がなされて、現在はどのように改善されたのかを知ることはできませんでしたが、ここまで大々的にニュースに取り上げられるリベートの不透明化もデメリットの一つと言えるでしょう。
リベートが違法になる可能性もある
リベートのデメリット3つ目は「リベートが違法になる可能性もあるということ」です。
一体どういうことなのかと言いますと、まずリベートは本記事でも意味を紹介している通りでこのことに関して何か違法になるということはありません。
しかしこれは会社同士での取引に限ります。仮に会社ではなく、従業員の一人が取引先から個人的にリベートを受け取ってしまった瞬間、法律の「民事上の責任」と「刑事上の責任」に当てはまる点が多いため、結果的にリベートが違法行為とみなされる可能性もあるのです。
※民事上の責任:民法第709条「不法行為」参考:リーガライフラボ
※刑事上の責任:刑法246条「詐欺罪・刑法247条「背任罪」刑法253条「業務上横領罪」参考:e-GOV 法令検索
【比較】リベートと似ている用語とその意味
最後にリベートと似ている類似用語とその意味についてご紹介します。
リベートと似ている用語 | 意味 |
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マージン | 販売価格から仕入原価(製造原価)を差し引いたもの。利幅、利ざやの意味。 |
バックマージン | 《(和)back+margin》メーカー・問屋などが販売した商品の価格を一定期間後に下げ、その差額を販売先に返却すること。販売促進の手段や相場変動の激変により問屋が大損したときなどに行う。リベートの一種。 |
中間搾取 | 賃金支払者と労働者との間に介在し、賃金の一部を横取りすること。 |
キックバック | リベートと同様 |
以上がリベートと似ている用語とその意味です。
キックバックとリベートは同様の意味でマージン、バックマージン共にリベートと似た意味を持っています。
またリベートに似ている用語には「中間搾取」という用語もあり、こちらは意味を見てわかるように完全にアウトな行為ですね。
まとめ:リベートについて
今回はリベートについてご紹介しました。リベートとは「手数料」「謝礼金」「賄賂」という意味です。
ビジネスシーンでは、割り戻しのことで「売り手側が取引代金の一部を買い手側に払い戻すこと」またはその金銭を指しています。
リベートには良い面もあれば悪い面もあるため、買い手と売り手が公正な取引ができるような対策が必要です。
皆さんもお仕事の際やテレビで「リベート」という用語を聞いたら本記事を参考に「あぁリベートね!」と意味を詳しく理解して知識を深めていきましょう。