「マイルストーン」の意味・由来・正しい使い方・使う際の注意点を解説
ビジネスで使われるマイルストーンは「プロジェクトの中間目標・節目」を指します。
例えば「マイルストーンを設置しよう」「このプロジェクトにとってマイルストーンはとても重要だ」という風に使われることが多い用語です。
本記事ではマイルストーンについて意味やメリット、使い方等、マイルストーンとよく使われる「ロイヤリティ」「スケジュール」との違いについてご紹介します。
この記事で伝えたいこと
「エーマッチ」編集長。
ウェブマーケティング会社経営者。上場企業からスタートアップまで7回の転職経験を元に転職エージェントマッチングメディア「エーマッチ」を運営。
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マイルストーンとは「ゴールまでの中間目標」
マイルストーン(milestone)の本来の意味は1マイルごとに置かれている標石を指しています。また鉄道や道路において起点からの距離を記した距離標識としても使われている用語です。
しかしビジネスで使われるマイルストーンの意味は本来とは異なり「プロジェクトの中間目標・節目」を指す用語です。
ビジネスでは3つのシーンで使われることが多い
ではマイルストーンとはビジネスのどんなシーンで使われることが多いのか見ていきましょう。
システム開発
1つ目のシーンは「システム開発」です。
システム開発は長期化することが多いため、マイルストーンを設定することはモチベーションにも繋がります。
商品リリース
2つ目のシーンは「商品リリース」です。
システム開発同様、商品の企画の立案、試作品の作成やモニタリング等それぞれにマイルストーンが設定されています。
業務の効率化
3つ目のシーンは「業務の効率化」です。
ビジネスでは様々な目標を掲げ、最終的なゴールまで明確にマイルストーンを設定しておくことで業務の効率化を図ることもできます。
例えばビジネス以外でもゴールだけを設定するよりも、都度マイルストーンを設定しておく方が業務自体がスムーズに進みやすくなりますよね。
【状況別】マイルストーンの意味
次は状況別でマイルストーンの意味を解説していきますのでぜひ参考にしてみてくださいね。
ビジネス
ビジネスで使われるマイルストーンの意味は冒頭でも紹介したように「最終的な目標を達成するための区切りとなる段階」です。
たまにビジネスでマイルストーンを間違った使い方をしている方がいます。以下に間違っているマイルストーンの使い方を例文としてご紹介します。
- 「わが社の最終的なマイルストーンは、この分野で世界のトップを取ることです」
- 「面接の際は〇〇をマイルストーンとしてご来社ください」
いかがですか?この2つはマイルストーンの意味である「途中段階」「節目」という意味で使っていませんよね。
上記は最終的な目標や目印としてマイルストーンという用語を使っているため、これは間違った使い方です。
製薬業界
製薬業界で使われるマイルストーンの意味はビジネスとは違い「医薬品開発の進捗によって発生する支払金」のことです。
新薬開発会社との契約内容に基づき、医薬品の開発や承認にて一定の成果を達成した場合に支払われます。これを受けることをマイルストーン収入と呼ばれます。
新薬を開発するには長い年月と多額の研究費を要し、すべての開発が成功するとは限りません。また、1つのプロジェクトが、上市されるまでに最低でも約10年かかると言われています。
バイオバイオベンチャー企業が、医薬品を開発から製造、承認、販売及び上市後のフォローアップなどを単独で行うことは難しいため、国内外の大手製薬会社に対してアライアンス等を締結することで、開発が一定程度進捗した段階でマイルストーン収入を得たり、販売開始後に販売に応じたロイヤルティ収入を得るモデルが一般的です。
クラウドソーシング
クラウドソーシングで使われるマイルストーンの意味は「作業工程ごとに予算をあらかじめ決めておいて分割払いを行う方式」のことです。
これはWebライターやWeb上での仕事をクラウドソーシングを仲介して受注する際によく使われる用語で、作業が長期間にわたる場合や複数に分かれる場合に適しています。
マイルストーンを設置することでどんなメリットがあるの?
マイルストーンはとても大切なものであることがわかりました。ではマイルストーンを実際に設置しておくことでどのようなメリットがあるのでしょうか。
マイルストーンを設置する大きなメリットは以下4つが挙げられます。
- タスクを完了させるための目途になる
- モチベーションの維持
- 現時点での状況把握に役立つ
マイルストーンを設置せずに作業をしていると「いつ終わるのか目途が立たない不安」等から焦りやモチベーションが低下する可能性も考えられるでしょう。
例えば標高の高い山を登山している途中で「疲れたな」と思った時に「ここは〇合目です」という看板があると「今は〇合か、ではゴールまであと〇合だ」と現状を把握することができますよね。
どんな風にマイルストーンを使う?例文5つ
次は実際にマイルストーンという用語を使った例文を5つご紹介します。
これは例文のため、紹介した例文をご自身の置かれている状況に合わせてお使いください。
今回のプロジェクトにはマイルストーンを設けておきましょう。
これはプロジェクトを開始する前にマイルストーンを設けておくことで業務の効率化を図る際の例文です。
そのため会議シーンや同じプロジェクトに参加する同僚や上司と「今回のプロジェクトは長期化しそうだしマイルストーンを置いておこうか」という風に使います。
作業ペースがマイルストーンに影響しないように気を付けよう
これは作業ペースが予定通りに進まないことで最終的にマイルストーンに影響してしまわないように気を付ける際の例文です。
最初にマイルストーンを設けておいても、何らかの事情で作業ペースが遅くなり結果的にマイルストーンに影響を及ぼしてしまうこともあります。それらを含めて「様々な状況を事前に予測しておこうね」という意味合いもあります。
〇〇をクリアしたら次のマイルストーンは〇〇だ
これは1つのマイルストーンへ到達したら、次のマイルストーンはこれだよ、という際に使う例文です。
長期化するプロジェクト等は複数のマイルストーンを設けておく必要があります。そのため新たにマイルストーンを設けることで業務が遅延しないようにする一つの方法でもあります。
2つ目のマイルストーンに到達後、プロジェクトが進行していない
これは2つのマイルストーンは到達したけれど、その後プロジェクトが一向に進行していない際に使う例文です。
「あの商品開発は企画立案のマイルストーンまではスムーズに進んでいたが、試作品作成の段階から全くプロジェクトが進行していない。どうしたのだろう」という風に使います。
このプロジェクトのマイルストーンはどのように置いていますか?
これは取引先やプロジェクトに関して提案してくる方に対して使う例文です。
プロジェクトは多額の費用や長期的な期間が必要となることも多いため、プロジェクトに対してのマイルストーンはどのように設定されているのかは大切なチェックポイントとなります。
マイルストーンとロイヤリティ、スケジュールって何が違うの?
次はマイルストーンとよく使われる「ロイヤリティ」「スケジュール」についてそれぞれの意味をご紹介します。
ロイヤリティとは?
ロイヤリティと聞くと「高貴」「品が良い」というイメージがありますがビジネスシーンでは2つの意味があることをご存じですか?
1つ目の意味は「royalty」で特許や著作権、商標等を利用しようと思った際に、権利を所有している方に支払う対価のことです。そして2つ目の意味は「loyalty」で企業ブランドや商品に対する愛着や忠誠を意味しています。
製薬業界では新薬開発会社が新薬発売後に売上に応じたロイヤルティ収入を契約に基づいて受け取ります。
スケジュールとは?
スケジュールとは皆さんもご存じの通り「予定」「日程」や「予定表」「日程表」という意味になります。
スケジュールと言えば「リスケ」という用語もビジネスシーンでは使われる用語です。
上で紹介した2つの用語を見るとロイヤリティとマイルストーンは違う意味を持つということがわかりますが、スケジュールに関しては「え?スケジュールを立てるとかスケジュール表を作成するって同じじゃないの?」と思う方もいるかと思います。
マイルストーンとスケジュールの大きな違いはマイルストーンは「スケジュール表の「区切りポイント」を設定する」ということです。計画を立てることは同じですがスケジュールは大まかな予定であって、マイルストーン1つの計画でも細かく期限を区切って計画するというイメージです。
マイルストーンについて まとめ
本記事ではマイルストーンについてご紹介しました。
ビジネスシーンではあまり耳にしない方もいるかもしれませんが、実際に発言せずとも「今回はマイルストーンを置いておこうかな」とご自身の計画を立てていく際に使うことができます。
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