「クロージング」の意味とは?セールスシーンでの使い方から注意点を紹介
クロージングはビジネス上でぜひ知っておきたい用語です。
社内での会話や会議でも出てくることのあるので意味を理解しておきましょう。
「エーマッチ」編集長。
ウェブマーケティング会社経営者。上場企業からスタートアップまで7回の転職経験を元に転職エージェントマッチングメディア「エーマッチ」を運営。
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クロージングの意味とは
日本語カタカナの場合大きく2つ意味がありますが、ビジネスシーンでは主に上の【closing】を指します。
クロージング【closing】
- 催し物などを終えること。閉幕。「クロージングセレモニー」⇔オープニング。
- 売買取引を完了すること。代金と商品・証券などの受け渡しを終えること。
- 最終的な契約を結ぶこと。商談を成立させること。
クロージング【clothing】
「clothing」は、衣服や衣類を意味する英単語である。主に人間が身に着けるものを指し、保護や装飾の目的で使用される。具体的には、シャツ、ズボン、スカート、靴、帽子などが含まれる。
引用:クロージング(weblio辞典)
また店舗の場合は「閉店作業」を表しますが、アパレルの店舗ではクロージングという用語は「clothing」の洋服としても使われます。
ビジネスシーンでのクロージングの必要性
上ではシーンごとに、クロージングの意味を紹介しましたが、次はビジネスシーンでのクロージングについてです。
ビジネスでのクロージングは「契約の締結」という意味で使われることが多いです。
クロージングはセールスシーンではとても必要なアクションです。
その理由として大きなものは「購買意欲の促進」です。例えば、商品を仕入れたいと考えたとき「本当にこの商品は売れるのだろうか」という不安要素が顧客にはあります。
サービスに関しても「このサービスを契約することで、結果的に自分は何か得はあるのか」と考えることは当然ですよね。
そんなときに、明確な言葉を使用してクロージングをこちらから切り出すことで「どうしようかな」と悩んでいる顧客の決断を後押しすることができます。
テストクロージングとは?
クロージングの前に行う、テストクロージングというものがあります。
商談の途中にテストクロージングを行うことでクロージングがうまくいきやすくなります。
テストクロージングとは
テストクロージングとは商談の途中で商品を購入の意欲の大きさを確認する作業です。
また顧客が一体どの点を懸念しているのかを、テストクロージングで知ることができます。
そして、顧客の懸念をなくすよう商品を説明することで、クロージングの成功の可能性を上げることができます。
購入の意思のないことがわかれば、商談を終えることもあります。
テストクロージングのタイミング
- 商品説明の前
- 商品説明の後
- クロージング前
に行うと、顧客がよくわからなかった点や、不安な点がないかを確認できるため、効果が高いです。
クロージングの効果を上げるためのポイント
次はクロージングの効果を上げるための2つのポイントです。
タイミング
まず、クロージングは商談の最後に行うもので、テストクロージングとは違います。
まだ相手が考えているときに、話をどんどん進めてクロージングしようとするなど、タイミングによってはせっかくのチャンスを泡にしてしまうこともあるでしょう。
そのため、クロージングは切り出すタイミングや、クロージングに至るまでにどのような工程を踏んだかによって成約率が変わります。
購入後の運用やサポートの質問などが出たときは、購入後の活用方法をイメージしているため、クロージングのタイミングです。
話す内容
次にクロージングで話す内容についても効果を上げるポイントです。
例えば、テストクロージングで相手側が懸念している内容をデータを使用して解決する、購入後・契約締結後はどのようなメリットがあるのかなどをイメージさせましょう。
「御社がお悩みの〇〇の改善に向けて、いつ頃商品・サービスを導入しましょうか」など、具体的なイメージをさせると更に効果的です。
姿勢と声のトーン
他にも、こちら側だけが提案したり、話続けたりするのではなくて相手側の話をきちんと聞く姿勢を見せることもポイントです。
また声のトーンも明るめにすることで、相手から好印象を得られやすくなります。もちろん無理に声を高くする必要はありませんが「元気がなさそう」「声のトーンにメリハリがない」と感じられないように日ごろから声のトーンをチェックしてみましょう。
クロージングに使えるテクニック
クロージングを行うとき、更に効果を上げるために4つのテクニックも取り入れてみることをおすすめします。
ドア・イン・ザ・フェイス
ドア・イン・ザ・フェイスとは以下のようなテクニックのことです。
前提:取引先に商品を10個買ってほしい
- 最初に大きな要求を伝える「我が社の商品を20個買ってほしい」→拒否される
- 「では10個ならいかがでしょうか?」
簡単に言うと、最初は過大な要求をすることで相手は当然断りますよね。
そこから本命である「10個商品を買ってほしい」という小さな要求をすることで「流石にさっきは買えないって言ってしまったしな…」と心理的に10個ならば買っても良いかもしれないと思わせるテクニックです。
フット・イン・ザ・ドア
対して、フット・イン・ザ・ドアとは取引先に対して「商品を1個でも良いから買ってもらえないか」と本命よりも小さい要求をします。
相手側が1個なら買いますよ!と言った場合「ありがとうございます。では10個ではどうでしょうか」と本命の要求をするのです。
一度商品を購入すると言った(購入した)手前、断りづらいという心理を利用したテクニックをフット・イン・ザ・ドアと言います。
ゴールデンサイレンス
ゴールデンサイレンスとはクロージング中などに、相手側が考え込んで沈黙してしまった場合、何も言わずにその沈黙の時間をこらえるテクニックです。
ビジネス面からすると、相手側が黙ってしまうのは不安に感じますよね。
できることなら「じゃ、これは?」「こんなのもありますよ!」と言いたくなるでしょう。特に自信がある内容ならば「どう?」と言いたくなることもわかります。
しかし実際に商品やサービスを購入・契約する立場だとして、考えているときに「あれは?これは?」と話しかけられるのは正直迷惑ですし、考えさせてよ!と思います。
事実、ゴールデンサイレンステクニックを使用せずに商談に挑むビジネスマンは多いです。しかし、大きな商談程、相手からすればこのゴールデンサイレンスは必要な時間です。
ifクロージング
ifクロージングとは「もし○○だったらいかがですか?」とifを使用したトークテクニックです。
「ではもし、わが社の商品+〇〇のようなサービスをお付けするとしたらいかがですか?」など、もしも、を付け加えることで相手側からの承諾を取り付けやすくなります。
ifクロージングがうまくいけば「商品を10個買って欲しい」という要求が「商品を10個買ってもらって、サービスまで契約してもらえた」など、お互いにメリットが大きくなるのです。
損失回避の法則
損失回避の法則とは、私たち人間の「損をしたくない」と言う心理を利用したテクニックです。
例えば以下のような場合、私たちは「まぁお試しがあるなら損しないでしょう」と購入や契約したくなりませんか?
- 凄く仕事の効率を上げる方法を書いた本があるが、1万円します→本当に仕事の効率を上げることができるのか不安。そして高い。損をしたら嫌だな…
- もし〇か月以内に仕事の効率があがったと実感できなかったら1万円返金します。→返金してもらえるなら損はないだろう。
返金してもらえるんだし、良いかな?と思いますよね。
では次の例はどうでしょう。
- このサービスと〇〇会社のサービスだと、月に〇千円、年に〇万円損します。
- え?このままだとそんなに損をするの?乗り換えてみようかな
人間は本当に損をしたくないという欲求が強いです。できることならば損より得であって欲しいと思うことは当然と言えます。
そのため、上記2つのように損失回避の法則を使用することで、ユーザーの心に響きやすくなりますので、テクニックとして覚えておきましょう。
クロージングの注意点
最後に、クロージングを行うときの注意点を2つ紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
相手視点で議題を解決するように心がける
クロージングでは、さりげなく購入・契約まで導く過程と決定打が大切ですが、だからといってこちらが永遠と話し続ければ良いわけではありません。
また、相手視点で議題を解決できるようにすることで、相手側からの信頼を得ることにも繋がります。
そのため、こちらの意見や提案を促しつつ、相手視点で物事を見ることを忘れないようにしてくださいね。
次回時のアクションを明確にする
クロージングは常に一度で成功するとは限りません。
相手側が「数日時間が欲しい」「今は上司が出張でいないので、決断を出すことができない」と言われる場合もあるでしょう。
そのため、1回でクロージングができなかった場合は、次回時のアクションをあらかじめ相手側に伝えておくことが大切です。
例えば「次回時は〇〇から改めて話し合いましょう」など、アクションを説明して、合意をもらう方が次回の商談がスムーズに進みます。
まとめ:クロージングについて
今回はクロージングについて、意味や方法を紹介しました。
ビジネスシーンでは成約率アップに繋がるとても大切な段階です。
本記事を参考にクロージングのコツやテクニックを駆使して、何度か上司や同僚と練習して本番に備えましょう!