「アライアンス」の意味とは?ビジネスシーンでの意味・使い方を解説
アライアンスとは、航空会社やビジネスシーンで耳にすることが多い用語です。最近では自動車メーカーの「Audi(アウディ)」と「Porsche(ポルシェ)」が、日本国内で150Kwの急速充電器のネットワーク拡充を促進するアライアンスを締結したというニュースがありました。
参考https://www.audi-press.jp/press-releases/2022/b7rqqm000001kxwx.html
ではこのアライアンスとは一体どういう意味なのか、今回はアライアンスの意味やメリット、使い方をご紹介します。
「エーマッチ」編集長。
ウェブマーケティング会社経営者。上場企業からスタートアップまで7回の転職経験を元に転職エージェントマッチングメディア「エーマッチ」を運営。
転職ノウハウだけではなくビジネス全般、キャリアアップ、独立起業、最新ビジネスニュースなどをお届け。
アライアンスの意味とは?
アライアンスとは「同盟」「連合」「提携」「縁組」という意味の用語です。
そのため、冒頭で紹介したニュースで使用されているアライアンスの意味は、「Audi(アウディ)」と「Porsche(ポルシェ)が業務提携を締結したという意味になります。
また、このアライアンスは企業の成長拡大に有効な経営手法の一つでもあり、上で紹介した「Audi(アウディ)」と「Porsche(ポルシェ)」以外にも、トヨタは2022年4月現在までに「スズキ」「スバル」「マツダ」とアライアンス(資本提携)を結んでいます。
アライアンスは、お互いの強みを生かした商品開発やサービスの提供ができるようになるので、より多くの利益に繋がるというメリットが考えられるでしょう。
アライアンス営業とは?
アライアンス営業とはアライアンスを行いたい企業の調査や提携するにあたっての条件交渉・契約の締結までを一貫しておこなう営業のことです。
代表的なアライアンス営業は「代理店とアライアンスを行い、代理店のチャネルや顧客などを通して自社の利益をアップさせる」という方法があります。
そのためには、自社だけでなくアライアンスを行った会社の利益をあげるために最大限のバックアップを行う必要があるでしょう。以上を踏まえて、アライアンス営業を行う場合、成果をあげるために営業マンや会社自体を育てていけるスキルが必要です。
アライアンス(業務提携)の種類
アライアンスにはいつかの種類があります。代表的なアライアンスについて紹介します。
- 技術提携…両社のノウハウや技術・人材を共有しあうこと
- 販売提携…両社で販路を共有しあうこと
- 生産提携…生産の一部やすべて、また製造工程の一部を委託してアライアンス企業からサポートを受けること
- 資本提携…複数の企業が資本参加を伴って協力関係を築くこと。資本提携によりお互いの株式を一定数取得する。
- 産学連携…大学などの教育・研究機関と企業が連携すること
このように、ノウハウや技術・人材を共有することで新たな商品、サービスの開発に繋げることができたり、未開拓の業界で販路を持たない企業が、販路を共有することによって利益を狙うことができたりなど、アライアンスにも様々な種類があるのです。
また生産設備の不足に悩む企業が、アライアンスを行って生産や製造工程を委託することや、資本を投入することで双方が強い信頼関係を結ぶことができるなどのメリットもあります。
加えて産学提携では、アライアンスを行った大学での研究結果や技術を、新たな製品開発などに活用することもできるでしょう。
アライアンスとM&Aの違い
次はアライアンスとM&Aの違いを、アライアンスとM&A本来の意味を交えて解説します。
アライアンスは提携
アライアンスは本記事でも紹介している通り、提携という意味を持ちます。
またアライアンスは1対1だけではなく、複数の企業と提携し経営協力を行うことです。
加えてアライアンスを行ってもお互いの独立した関係性を保つことができる点がM&Aとの違いと言えます。
M&Aは買収
M&Aは「Mergers」(合併)and 「Acquisitions」(買収)」の略で合併や買収になります。アライアンスが提携であるのに対して、M&Aは買収・合併という意味になります。
そのためM&Aを行うと、買収された会社は買収元の会社に吸収されて子会社というケースが多くなります。
またM&Aの場合、経営権が移転します。しかしアライアンスの場合は、あくまで提携(協力関係)なので経営権は移転しないという違いがあります。
アライアンスのメリット
次はアライアンスによる、企業のメリットを紹介します。
比較的低コストで実施することができる
アライアンスは企業と提携することにより、比較的低コストで実施することができる点がメリットです。
M&Aを行うとなると、莫大な時間がかかる可能性やお互いに独立した関係ではなくなるので、不満が発生しやすい環境になるでしょう。
アライアンスの場合、自社の経営資産を自由に活用することができることや、提携解消も容易にできるので、その点を踏まえてもメリットは大きいと言えます。
協力の解消が容易
上記でも紹介した通り、アライアンスは企業と協力関係を締結している関係性です。
もちろん双方にメリットがあってアライアンスを行ったとしても、何かしらの事情があって提携を解消したいとき、アライアンスの場合は「協力関係」なので容易に解消することができます。
例えば現在アライアンスを行っている企業との提携が不要になったときや、自社の方向性を考えると他社とのアライアンスが望ましいと判断された場合にも、協力関係が容易に解消できることはメリットです。
新しいサービスや商品を開発しやすくなる
アライアンスを行うことで、新しいサービスや商品を開発する環境が整うというメリットもあります。
これにより製品開発スピードがアップするので、アライアンスを行う理由としても、このメリットが多く挙げられるでしょう。
また海外企業との提携は、海外に販路がない企業の場合、海外進出への足掛かりにすることもできます。
アライアンスのデメリット
次は、アライアンスによるデメリットについて紹介します。
成果の確実性は保証できない
アライアンスのデメリットとして、アライアンスを行ったからといって、成果が確実に上がるという保証はないという点が挙げられるでしょう。
例えば新サービスや商品を共同で開発しても、確実に利益が出るとは言えませんし、そうなるとせっかくの費用や労力が無駄になる可能性もあります。
加えて、双方ともに「アライアンスをすることで自社にメリットがある」と判断してアライアンスを行うわけですから、相手企業が「この会社とのアライアンスにメリットはない」と判断されてしまえば協力関係を解消されてしまうこともあるでしょう。
技術が漏洩する可能性
企業間で双方のノウハウや技術を共有する際、故意ではなくても何らかの事情で大切なノウハウや技術が漏洩する可能性もあります。
またセキュリティ面に関して言えば、セキュリティが脆い企業だとノウハウや技術が外部へ漏洩する可能性も考えられます。
そのため、アライアンスを行う際は、相手企業のセキュリティ面や信頼性に関してしっかり見極めておく必要があるでしょう。
顧客の個人情報が漏洩する可能性が高い
ノウハウや技術以外にも、顧客のデータを各企業で共有する際に、個人情報が漏洩する可能性もあります。
しかし、協力関係を結ぶためには双方の個人情報を共有する必要性があるので、上記のノウハウや技術漏洩とあわせて対策や、相手企業のセキュリティ面をチェックしておきましょう。
ビジネスシーンでのアライアンスの使い方
最後に、ビジネスシーンで実際にアライアンスという用語を使う際の使い方を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ライバル会社がついにアライアンス戦略に乗り出したようだ。
例えば、ライバルとしている会社がアライアンス戦略に乗り出す!という情報を耳にしたり目にしたりしたとき「ついに〇〇会社がアライアンス戦略に乗り出したようだよ」という風に使います。
自社のライバル会社がアライアンス戦略に乗り出したとすれば、こちらもそれ相応の対策が必要になるので、このような情報を入手したら早急に社内で会議する必要があるでしょう。
わが社はアライアンスにより、新たな商品の開発を目指す
「現状、新商品の開発が難しい」「工場設備が不足している」など、新たな商品の開発を目指す!というときに使います。
これは技術提携や販売提携、生産提携などが該当するアライアンス方法です。
まとめ:アライアンスについて
今回は「アライアンス」について意味やメリットなどを紹介しました。
ビジネスマンの中には「アライアンスとM&Aの違いがいまいちわからないんだよね」という方もいるかもしれません。
アライアンスとM&Aはなんとなく似ているというイメージを持たれますが、経営権の移転など、大きな違いがありますので間違えないようにしっかり意味を覚えておいてくださいね。
また、アライアンスという用語はニュースでもよく聞かれる用語です。そのため、今度ニュースや会社で「アライアンスが…」という情報や会話を耳にしたら、その企業はどんなアライアンスを行うのかを考えてみたり、自社の利益アップのために必要なアライアンス先を選定したりしてみましょう。