外資系企業へ転職解説!メリット・デメリット・おすすめの人から転職方法を解説
この記事では「外資系企業に転職したい」と考えている人のために
- 外資系企業で働くメリットとデメリット
- 日本にある外資系企業の特徴
- 外資系企業に転職しても大丈夫な人
- 外資系企業に転職するために必要なこと
を解説します。
「年功序列の日本企業より実力主義の外資系企業がいいと思ったんだけど…」
「英語を使ってバリバリとグローバルな仕事をしたかったんだけど…」
「残業がないと思ったんだけど…」
など外資系企業に転職したあとで後悔しないために、参考にしてください。
「エーマッチ」編集長。
ウェブマーケティング会社経営者。上場企業からスタートアップまで7回の転職経験を元に転職エージェントマッチングメディア「エーマッチ」を運営。
転職ノウハウだけではなくビジネス全般、キャリアアップ、独立起業、最新ビジネスニュースなどをお届け。
外資系企業って正式にはどんな企業?
実は外資系企業の定義は日本の法律で定められていません。
通常は、「外国の企業や投資家が資本参加している企業」を外資系企業と呼ぶことが多いです。
ここでは、外資系企業について下記の6つのポイントから解説します。
- 4つのタイプがある
- ヨーロッパ系企業が多い
- 東京に集中している
- 8割が非製造業
- ビジネスのターゲットは日本市場
- スペシャリストを採用
POINT1:外資系企業には4つのタイプがある
外資系企業には以下4つのタイプがあります。
- 外国企業の日本支社・支店
- 外国企業が日本に設立した子会社
- 日本企業と外国企業が共同出資して設立した会社
- 外国企業が日本企業を買収してできた会社
POINT2:ヨーロッパ系企業が多い
日本にある外資系企業の内、半数近くをヨーロッパ系の企業が占めています。
外資系企業というとアメリカ系企業を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、アメリカ系企業は日本にある外資系企業の23%にとどまっています。
本社がどこの国にあるかによって企業のカルチャーが変わってくるので、転職先を決めるときはチェックしましょう。
2018年度 | 企業数 | 割合(%) |
アメリカ系企業 | 760 | 23.1 |
アジア系企業 (うち中国系企業) | 900 (337) | 27.4 (10.3) |
ヨーロッパ系企業 | 1,421 | 43.2 |
その他 | 206 | 6.3 |
外資系企業計 | 3,287 | 100 |
POINT3:東京に集中している
日本にある外資系企業は8割以上が関東地方にあります。
東京所在の外資系企業は全体の68%です。
首都圏に住んでいる人は外資系企業に勤めるチャンスがよりたくさんあると言えます。
POINT4:8割が非製造業
日本にある外資系企業の約8割が、卸売業、サービス業、情報通信業、金融・保険業などの非製造業です。
製造業は、化学、情報通信機械、生産用機械、輸送機械などの企業があります。
POINT5:ビジネスのターゲットは日本市場
日本にある外資系企業は日本もしくは日本を含むアジア地域をターゲットにしています。
そのため求人の募集は営業職やマーケティング職が多くなります。
日本の企業や個人をメインの顧客としているので、営業職などは日本語で仕事をするのが普通ということも。
英語を使ってグローバルに働きたい人は、外資系企業ではなく、海外進出している日本企業で外国の顧客を相手に働く仕事に転職してもいいかもしれません。
商品・サービスの開発・運営は海外本社で行い、日本国内では販売・マーケティングがメイン、という外資系企業が多いんだ。
POINT6:スペシャリストを採用する
日本企業では、基本的に異なる部署の間を数年ごとに異動させてジェネラリストを養成する人事制度の企業が多くあります。
たとえば昨年まで法人営業部にいた人が、翌年証券投資部に異動することもありえます。
これに対して、外資系企業はジェネラリストでななくスペシャリストを雇用するのが一般的です。
それは外資系企業では社員をジョブ・ディスクリプションに基づいて採用し、人事評価するところが多いからです。
ジョブ・ディスクリプションとは?
各社員の仕事の内容と範囲や求められる能力・スキルについて具体的に書かれている文書のこと。社員の職務の範囲を明確に規定しています。
そのため、外資系企業び求人案件は「色々な職歴がある人」ではなく、ジョブ・ディスクリプションに基づいて「xxの経験があって、〇〇ができる人」というスペシャリストの募集になることが多いです。
外資系企業に転職するメリットを解説
実際に外資系企業で働くメリットは多くあります。
ここでは外資系企業で働く以下4つのメリットを紹介します。
- 仕事のパフォーマンスが高収入に結びつきやすい
- 早いキャリアアップが可能
- 仕事とプライベートの境界がはっきりしている
- 男性・女性関係なく仕事ができる
メリット1:仕事のパフォーマンスが高収入に結びつきやすい
外資系企業では、ジョブ・ディスクリプションに書いてある仕事ができたかどうかで評価されて、それが給与のアップに直接結びつきます。
よく外資系の証券会社で巨額のボーナスが出たりするのは、まさに仕事の実績が反映されてのことです。
日本でも能力給の導入が話題になることがありますが、ジョブ・ディスクリプションのない日本企業では社員の実績を客観的に評価することが難しいとうネックがあります。
個人の仕事で成果を評価してもらって高収入を得る、というメリットを受けることができるのが外資系企業です。
「あいつは仕事はできないけどいいやつだから…」といった曖昧な評価がなくなるぞ。
メリット2:早いキャリアアップが可能
外資系企業では、集団の「和」よりも、個人が努力して自分の仕事で成果をあげることが重要視されます。
また外資系企業は意思決定のスピードが早いので、スピード感を持って仕事を進めることができます。
そのため、仕事で実績を早く出すことができて、若くてもキャリアアップをどんどんとしていくことが可能です。
とくにアメリカ系の外資系企業では、この傾向が多く見られます。
メリット3:仕事とプライベートの境界がはっきりしている
外資系企業では仕事とプライベートをハッキリと分けます。
外資系企業でも、自分の仕事のために残業したり、休日返上して働く人はいます。
でも自分の仕事が終わっているのに、周りの人が残業しているから手伝ったり、残業に付き合うということはほとんどありません。
自分の仕事が終われば残りの時間はプライベートの時間と考えるのが普通で、他人の仕事を手伝ってもあまり評価されないからです。
メリット4:男性・女性関係なく仕事ができる
外資系企業では、性別よりも、実力や仕事の実績が重視されます。
基本的に昇進に男女差別がないので、日本のように「女性の管理職が珍しい」ということはありません。
仕事の成果で評価されるので、男性、女性に関わらずシビアな世界です。
ですが女性は日本企業と比較すると外資系企業の方が活躍できるチャンスが多いと言えます。
外資系企業に転職するデメリットもあります
外資系企業への転職を考えるなら、やはりデメリットを知っておかなければなりません。
外資系企業で働く以下4つのデメリットを紹介しますので、心の準備をして転職活動をしてください。
- 日本撤退のリスクあり
- 所属部署が全部リストラされる可能性もある
- 実力主義なので給与が安定しないことも
- 研修制度が日本企業のように手厚くない
デメリット1:日本撤退のリスクあり
外資系企業で働くデメリットの一つに、日本撤退のリスクがあります。
意思決定が早いので、海外にある本社が決めたらあっという間に撤退です。
外資系企業の転職先を探すときは企業や業界の研究をよく検討して、業績が伸びているかどうかを確認してから決めることをオススメします。
「日本市場で2,3年セールスをしたがまったく売れなかったので撤退!」ということはよくあるんだ。
デメリット2:所属部署が全部リストラされる可能性もある
外資系企業では日本撤退までいかなくても、採算の悪い部署があれば部署ごと全部リストラされることもあります。
部署のトップが本社に対して部署のパフォーマンスを上手くアピールできないと、本社にとって「採算が悪いお荷物」部署としてあっという間に一掃されてしまうことも。
残念ながら、外資系企業では個人レベルで成果を出して頑張っていても、所属部署全体の業績が悪ければ、あっという間に無職になることもありえます。
デメリット3:実力主義なので給与が安定しないことも
外資系企業では、「仕事で結果が出せないと昇給が望めないこともある」というデメリットがあります。
仕事のパフォーマンスが高収入に結びつきやすいのが外資系企業で働くメリットですが、その逆はデメリットということです。
転職してなかなか仕事で成果を出せないでいると、「給与に見合った働きをしない」ということで減給されることも。
「年功序列の日本企業を飛び出して実力主義の外資系企業で働きたい」と勇んで転職したものの、思ったほど収入が増えないどころか、給与が減ることもあることを覚悟しておきましょう。
デメリット4:研修制度が日本企業のように手厚くない
外資系企業では、研修制度が日本企業のように手厚くありません。
日本企業は新卒で採用した社員を一から教育して、会社に合うように「生え抜きの人材」を育てていくのが一般的です。
これに対して外資系企業は「即戦力」として「この分野はその人に聞けばなんでも知っている」レベルのスペシャリストを採用します。
つまり即戦力として採用した人に、育てるのを目的とした親切丁寧な研修制度を用意していません。
なので転職直後から「ずっとその会社にいたかのように仕事ができるよう」自分で猛烈に勉強する必要がしばらくの間あります。
今回ご紹介した外資系企業のメリット・デメリットは会社によって異なります。
外資系企業に転職するのがおすすめの人
外資系企業は日本企業と様々な面で異なるので、向いている人とそうでない人がいます。
ここで紹介する「外資系企業に転職しても大丈夫な人」は、日本企業で働くよりも外資系企業で力を発揮できる可能性大です。
- 即戦力として仕事ができるだけのキャリアがある人
- 新しい環境への適応能力が高い人
- 仕事の実績で評価されたい人
- 「できます!」と積極的に手を挙げられる人
- ドライな人間関係を好む人
即戦力として仕事ができるだけのキャリアがある人
外資系企業が中途採用するのは基本的に「即戦力として仕事ができるスペシャリスト」です。
営業職、エンジニア職などの職歴と実績がある人なら大丈夫です。
なので日本企業で異なる部署を数年ごとに異動してきた人は、そもそも外資系企業への転職自体が難しいケースが多いです。
新しい環境への適応能力が高い人
新しい環境への適応能力が高い人の方が、外資系企業への転職に向いていると言えます。
それは外資系企業は職場に外国人の社員がいるとか、外国語を使って仕事をする、という以外にも
- 仕事の内容や範囲がジョブ・ディスクリプションで明確に決められている
- 仕事の成果が給与に反映される
- 意思決定が早い
など日本企業とはかなりカルチャーに違いがあるからです。
このようなギャップがあることを転職を決める前に理解しておくことは重要です。
「前の日本企業ではこうだったのに…」「外資系企業のこの違いがどうしても受け入れられない」ということがあると、外資系企業で仕事を続けるのが難しくなります。
仕事の実績で評価されたい人
日本企業での「入社して言われた仕事をなんでもこなして、数年経ったら同期と一緒に管理職になって…」という働き方ではなく、仕事の実績で評価されたいという人は外資系企業に転職しても大丈夫です。
もちろん、「仕事の実績で評価される」ということは、仕事で成果を出せなくて減給されることもあるわけで、それでも大丈夫なメンタルの強さを持っていることも必要です。
「できます!」と積極的に手を挙げられる人
上司から「〇〇の仕事をできますか?」と聞かれたら、実際にできるかどうかはさておいて「できます!」と手をあげることができる人は、外資系企業に転職しても大丈夫です。
外資系企業では、「謙遜」や「遠慮」は評価されず、むしろ「やる気がない」と受け取られることもあるからです。
仮に、その仕事を自分一人でするのは難しいとわかっていても
「xxさんと一緒ならできます」
「△△の研修を受けさせてもらえればできます」
などと条件をつけてでも「できます!」と言える人は「仕事に対する熱意を持っている人」として評価されます。
ドライな人間関係を好む人
ドライな人間関係を好む人も外資系企業に転職しても大丈夫です。
この場合のドライな人間関係というのは、「仕事をするときに人間関係に余計な気を使わない」ということです。
日本企業は「和」を大切して上司からパート職員まで含む組織で仕事をします。
「和」を保つためには、「年上の人をたてる」とか「出しゃばらない」とか、上下の人間関係や同僚との関係に気をつかう必要があります。
外資系企業でもチームで仕事をすることは勿論ありますが、各メンバーの仕事は明確に分かれていて、各自がそれぞれに結果を出すことが重要視されます。
ここで必要とされる上司への気遣いは「仕事への熱意を見せる」とか「やる気があることをアピールする」ことなので、日本企業のそれとは異なります。
これから外資系企業へ転職するために必要な5つのこと
外資系企業への転職を成功させるためには、以下5つのことが必要です。
- なぜ「外資系のこの企業」に転職したいのか理由を明確にする
- 英文の履歴書・職務経歴書を準備する
- 職歴と実績から「これができます」をアピールできるようにする
- 英語力をブラッシュアップする
- 外資系企業に強い転職エージェントを利用する
なぜ「外資系のこの企業」に転職したいのか理由を明確にする
外資系企業では転職で辞める人が少なくないので、採用担当者は、即戦力として採用した人が長く働いてくれることを期待しています。
なので、「これが最後の転職」という意気込みが感じられる明確な転職理由が求められています。
「今の職場では〇〇の仕事をしたくて、色々と手を尽くしたがどうしても無理だった。外資系のこの企業でなら、それを実現することができる」というような具体的で強い志望動機が必要です。
そしてテンプレート通りではなく、ぜひ自分の言葉で転職理由を説明できるようにしましょう。
外資系企業に問わず、転職のときは「なぜ転職をするのか」「なぜこの会社に行きたいのか」を明確にすることが大事だ。
職歴と実績から「これができます」をアピールできるようにする
職歴はただ列挙するのではなく、求人案件に合わせて「これができます」とアピールするように書きましょう。
「募集している求人にピッタリなのはこの人しかいない」と採用担当者に思ってもらえないと、なかなか採用に結びつきません。
ただし、たくさん書けば良いというわけではないので、求人案件に合わないことは書かない方が、アピールポイントがハッキリします。
持っている資格も、求人案件に合うものだけを書くことをオススメします。
英語力をブラッシュアップする
経済産業省「第 53 回外資系企業動向調査(2019 年調査)の概況」によると、日本人の人材を確保する上での障害になっている要因の第1位が「英語でのビジネスコミュニケーションの困難性」になっています。
- 英語でプレゼンする力
- 英語の社内資料を読む力
- 英語でレポートを書く力
といったビジネス英語力・ビジネス英会話を鍛えることで、外資系企業への転職に一歩近づくことができます。
なかには日本市場でのセールス・マーケティングがメインなため入社のタイミングでは英語スキルをそれほど求めない企業もあります。
ただ入社後に外資系企業で評価されていくためには本社とのやりとりで英語は必須になってきます。
英文の履歴書・職務経歴書を準備する
多くの外資系企業の求人に応募するにあたって、英文の履歴書・職務経歴書(レジュメ)を準備する必要があります。
英文の履歴書・職務経歴書(レジュメ)は、日本語の履歴書と職務経歴書を合わせたものになります。
一番大事なのは職歴で、現在から6〜7年前までの職歴を詳しく書いてください。
上手な英語でなくても、自分で書くことがポイントです。
英語の上手な人に書いてもらっても、すぐにバレます。
英語できなくても応募可能な外資系企業もたくさんある。このあたりは転職エージェントなどの転職のプロのサポートを受けたほうが良い。
参考リンク indeed「外資系企業,英語力不要」での正社員求人状況
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外資系企業への転職についてよくある質問
外資系企業へ転職を考えている人からのよくある質問をまとめています。
外資系企業への転職について まとめ
「外資系企業に転職したい」と思ったら、まずは、日本にある外資系企業の特徴や外資系企業で働くメリットとデメリットを理解しましょう。
日本企業と外資系企業では働き方や人事制度がいろいろと違うので、「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも必要です。
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