宅地建物取引士(宅建士)の合格難易度について解説!受験方式・勉強時間なども紹介

宅地建物取引士(宅建士)合格難易度について

宅地建物取引士(宅建士)は毎年20万人以上が受験する人気の国家資格ですが、合格率はそれほど高くなく、難易度は高めの資格試験です。

この記事では宅地建物取引士(宅建士)試験の難易度について解説します。

この記事で伝えたいこと

  • 宅地建物取引士(宅建士)試験の合格率、偏差値、合格基準点、勉強時間、平均受験回数
  • 宅地建物取引士(宅建士)試験の 難易度ランキング
  • 宅地建物取引士(宅建士)試験で受験科目ごとの難易度
  • 宅地建物取引士(宅建士) の登録実務講習後に受ける試験の難易度
  • 宅地建物取引士(宅建士)試験に合格するための学習方法

宅地建物取引士(宅建士)の受験を考えている人は、ぜひ参考にしてください。

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この記事の監修者
転職コンサル山田
コンサル山田

「日刊お仕事マガジン」編集長。
ウェブマーケティング会社経営者。上場企業からスタートアップまで7回の転職経験を元に「日刊お仕事マガジン」を運営。
転職ノウハウだけではなくビジネス全般、キャリアアップ、独立起業、最新ビジネスニュースなどをお届け。

宅地建物取引士(宅建士)試験の難易度はどのくらい?

ここでは宅地建物取引士(宅建士)試験の難易度について

  • 合格率
  • 偏差値
  • 合格基準点
  • 必要とされる勉強時間
  • 平均受験回数

というポイントから解説します。

平成3年度試験の合格率は17.9%

一般財団法人不動産適正取引推進機構の発表によると、平成3年度試験(10月実施分)では

  • 209,749人が受験
  • 37,579人が合格
  • 合格率17.9%

という結果でした。

参考までに、令和3年度〜平成28年度までの合格率を調べて表にまとめてみました。

実施年度合格率
令和3年度(12月試験)15.6%
令和3年度(10月試験)17.9%
令和2年度(12月試験)13.1%
令和2年度(10月試験)17.6%
令和元年度17.0%
平成30年度15.6%
平成29年度15.6%
平成28年度15.4%

*令和3年度と2年度は新型コロナウィルス感染対策のため試験が2回に分けて行われました。
(一般財団法人不動産適正取引推進機構公式サイト「試験実施概況(過去10年間)」ページで調べて作成 )

試験の実施年度によって13%台〜17%台と合格率に差がありますが、いずれの場合も10人受験したら合格できるのは1~2人というレベルです。

やはり宅地建物取引士(宅建士)の試験は難易度が高いと言えます。

偏差値でいうと60くらい?

合格率が15%前後という宅地建物取引士(宅建士)の試験ですが、偏差値でいうとどのくらいなのでしょうか?

そもそも、偏差値というのは、自分の得点が平均点(偏差値50)よりどれくらい高いか、低いかを表すものです。

一般的なテストでは、偏差値60は受験者の上位約16%に入る成績になります。

なので、合格率から判断すると宅地建物取引士(宅建士)の試験は偏差値60くらいの難易度と考えられます。

高校受験や大学受験の模試で偏差値60取ったら、「すごいね。頑張ったね。」と言われるレベルであることを考えると、宅地建物取引士(宅建士)の試験は難易度が高いと言えます。

合格点は50点満点中35点前後

宅地建物取引士(宅建士)の試験は50問で50点満点です。

合格点は決まっておらず、試験の実施年度によって異なります。

令和3年度〜平成28年度までの合格基準点を調べてみたところ、50点満点中35点前後という結果になっています。

なので、通常は、7割強正解できれば合格と考えられます。

出題範囲が広い上に、不正解になっても大丈夫なのは50問中10問ちょっとです。

やはりそんなに難易度が低い試験ではないと言えます。

実施年度合格基準点(50点満点)
令和3年度(12月試験)34点
令和3年度(10月試験)34点
令和2年度(12月試験)36点
令和2年度(10月試験)38点
令和元年度35点
平成30年度37点
平成29年度35点
平成28年度35点

*令和3年度と2年度は新型コロナウィルス感染対策のため試験が2回に分けて行われました。
(一般財団法人不動産適正取引推進機構公式サイト「試験実施概況(過去10年間)」ページで調べて作成 )

勉強時間が200〜300時間必要と言われている

宅地建物取引士(宅建士)の試験に合格するために必要な勉強時間は、200〜300時間が目安と言われています。

1日1時間毎日勉強しても、7~10ヶ月必要です。

10月の宅地建物取引士(宅建士)の試験に向けて勉強をするのなら、人によっては1月には始めないと間に合わないことも。

200〜300時間というのは目安なので、

  • 実務経験がある人
  • 法律の勉強をしたことがある人
  • 暗記が得意な人

は、もっと短い時間で済む可能性もあります。

逆に言うと、

  • 実務経験がない人
  • 法律の勉強をしたことがない人
  • 暗記が苦手な人

は、もっと長い時間必要になりこともあります。

平均受験回数は2回が目安

宅地建物取引士(宅建士)の試験に関するデータは色々と公表されていますが、合格者の受験回数については公式に発表されていません。

合格者のブログや資格予備校・通信講座の合格体験記を読むと、1回で合格した人から6回、7回目で合格した人まで様々です。

試しに、資格の学校TACの令和2年度の宅地建物取引士(宅建士)合格体験記を見てみると、約半数が1回の受験で合格していて、合格体験記を書いた人の平均受験回数は約1.9回になっています。

平均受験回数が2回というのは、2回の受験で合格する人が多いという意味ではありません。

むしろ合格者の半数近くは受験回数が1回で、残りの人は2回以上受験して合格、というのが平均受験回数2回の意味、と考えられます。

受験回数合格者数
1回14名
2回6名
3回5名
4回1名
6回1名
合計27名

(資格の学校TAC公式サイト「令和2年度の宅地建物取引士(宅建士)合格体験記」ページで調べて作成 )

働きながら資格取得を目指す人は勉強時間の確保が難しい

会社員や主婦など働きながら宅地建物取引士(宅建士)の資格取得を目指す人は、勉強時間の確保が難しいという点で難易度が高いと言えます。

宅地建物取引士(宅建士)の試験対策は暗記中心と言われています。

出題範囲は広いので、直前に詰め込んで覚えることは難しいです。

ある程度の時間をかけて暗記に取り組まないと、なかなか知識を定着させることができません。

スキマ時間を利用して効率的に知識を積み重ねていくことが必要です。

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宅地建物取引士(宅建士)試験の難易度ランキング

それでは、宅地建物取引士(宅建士)は数ある資格試験の中でどのくらい難しい試験なのでしょうか?

ここでは、令和3年に実施された試験について

  • 国家資格の中での難易度ランキング
  • 不動産関連資格の中での難易度ランキング

を紹介します。

国家資格の中での難易度ランキング

宅地建物取引士(宅建士)の難易度は国家資格の中でどれくらいなのでしょうか?

国家資格といってもたくさんありますし、分野も法律、技術、金融等さまざまです。

ここでは宅地建物取引士(宅建士)と同じく、受験資格がなくて、受験者数が多い資格をピックアップして合格率で比べてみました。

令和3年に実施された資格試験の中では、宅地建物取引士(宅建士)の合格率は、司法書士、中小企業診断士、社労士、公認会計士、行政書士の次という結果でした。

令和3年度受験者数合格率
司法書士11,925人5.1%
中小企業診断士18,662人6.7%
社労士37,306人7.9%
公認会計士12,260人9.6%
行政書士47,870人11.18%
宅地建物取引士(宅建士)10月試験209,749人10月試験17.9%%
FP技能検定士3級学科試験39,495人
実技試験40,324人
学科試験87.01%
実技試験90.75%

(各資格の公式サイトで調べて作成)

不動産関連資格の中での難易度ランキング

次に、不動産関連の資格の中で宅地建物取引士(宅建士)の難易度はどれくらいなのか比較してみます。

マンション管理士、不動産鑑定士、宅地建物取引士(宅建士)、管理業務主任者は国家資格、賃貸不動産経営管理士は民間資格です。

合格率で見ると、宅地建物取引士(宅建士)はマンション管理士と不動産鑑定士の次、ということになります。

令和3年度受験者数合格率
マンション管理士12,520人9.9%
不動産鑑定士809人16.7%
宅地建物取引士(宅建士)10月試験209,749人10月試験17.9%%
管理業務主任者16,538人19.4%
賃貸不動産経営管理士32,459人31.5%

(各資格の公式サイトで調べて作成)

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宅地建物取引士(宅建士)試験で受験科目ごとの 難易度は?

宅地建物取引士(宅建士)の試験時間は2時間で、50問出題されます。

試験の内容については宅地建物取引業法施行規則第8条に定められています。

(試験の内容)
第八条 前条の基準によつて試験すべき事項は、おおむね次のとおりである。
一 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
二 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。
三 土地及び建物についての法令上の制限に関すること。
四 宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。
五 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
六 宅地及び建物の価格の評定に関すること。
七 宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。
引用 e-Gov宅地建物取引業法施行規則第8条

宅地建物取引士(宅建士)の試験では、これらの内容について

  1. 権利関係
  2. 法令上の制限
  3. 宅建業法
  4. 税金その他

の4分野に分けて出題されます。

ここでは科目別の難易度について解説します。

権利関係は難しい

権利関係は例年14問前後が出題されている分野です。

民法、借地借家法、不動産登記法などが範囲になります。

中でも、民法は範囲が広いので苦戦する人が数多くいます。

単なる暗記だけでなく、法解釈に理解ができているかどうかがカギになる問題が出題されるので、勉強にも時間がかかります。

4つの分野の中で一番難易度が高いと感じる人が多いのが権利関係です。

法令上の制限は暗記

法令上の制限は例年8問前後が出題されている分野です。

数字や専門用語を暗記することで解答できる問題が多く出るので、きちんと勉強すれば得点につながりやすくなります。

法令上の制限は、暗記が苦手でなければ、それほど難易度が高くない感じる人が多い分野です。

宅建業法は出題範囲が狭い

宅建業法は例年20問前後が出題されている分野です。

出題される問題数が1番多い最重要分野でもあります。

  • 宅地建物取引業法からほとんど出題されるので、勉強範囲が狭い
  • 頻出問題がある
  • 暗記中心の勉強でOK

なので、高得点を狙える可能性大です。

実際、合格者は満点、少なくとも9割近くは取っているので、この分野で苦戦してしまうと合格に手が届かなくなることも。

宅建業法は難易度は高くありませんが、だからこそ高得点が求められます。

税金・その他は難易度の幅がある

税金・その他はは例年8問前後が出題されている分野です。

「その他」というのは実務経験者で登録講習を受講した人が免除される分野で、5問あります。

「その他」は問題によって難易度に差がありますが、最新の統計を暗記することである程度対策ができます。

「税金」も暗記中心です。

税法自体は複雑でわかりにくいと感じる人が多いですが、あまり深く勉強しないで基本事項の暗記にとどめておくことで十分に対処できるはずです。

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宅地建物取引士(宅建士) の登録実務講習後に受ける試験は難易度低め

実務経験が2年以上ない人は、試験に合格するだけでは宅地建物取引士(宅建士) として業務を行うことができません。

試験合格後に登録実務講習を受けて、修了試験に合格して初めて宅地建物取引士(宅建士) として登録できます。

2年以上の実務経験が無い人は登録実務講習を受けて試験に合格しなければいけない

2年以上の実務経験がない人は、宅地建物取引士(宅建士) の試験合格後、登録実務講習を受ける必要があります。

講習の内容は

  • 通信講座(聴講3時間と演習問題)
  • スクーリング(1〜2日)

です。

スクーリングの最後に修了試験を受けて、合格すれば、実務経験2年以上の人と同等であるとみなされます。

合格率90%以上と言われている

修了試験の合格率は公式には発表されていませんが、90%以上と言われています。

修了試験の範囲は通信講座とスクーリングで学習した内容です。

テキストや資料集の持ち込み可なので、暗記したりする必要がありません。

通信講座やスクーリングで学んだ大事なことを書き込んだり、重要ページに付箋を貼ったりして対策できるので、合格するのは難しくありません。

難易度が高い宅地建物取引士(宅建士)試験に合格するための学習方法

難易度が高い宅地建物取引士(宅建士)試験に合格するための学習方法は以下の3つです。

  1. 独学
  2. 通信講座
  3. 資格予備校

ここでは、それぞれの勉強方法について解説します。

費用を抑えたいなら独学

独学は費用を抑えて勉強したい人にオススメの方法です。

テキストや過去問集などの教材を購入するだけで済むからです。

  • 勉強時間や場所をマイペースに選びたい人
  • 自分にぴったりの勉強方法が既にある人

も独学が向いている可能性があります。

ただし、独学の場合、わからないところは自分で解決しなければいけないというデメリットがあります。

実務経験がない人や法律を初めて勉強する人は、勉強に時間がかかってしまう可能性もあります。

実務経験が無い人や法律を初めて勉強する人は通信講座がオススメ

通信講座の多くは、講義動画を配信しています。

講義動画や音声をダウンロードすれば、わからないところや聞き逃したところを何度も視聴することができます。

特に、実務経験がない人や法律を初めて勉強する人は、専門用語や言い回しに慣れていないので、講義を繰り返し視聴できる通信講座がオススメです。

また、通信講座の中にはスキマ時間を利用して勉強できるようにコースをデザインしているところも多いです。

会社員や主婦など、まとまった勉強時間を確保するのが難しい人でも利用できます。

時間や予算に制約が無い人は資格予備校で勉強しても良い

時間や予算に制約がない人なら資格予備校に通って勉強するのもオススメです。

資格予備校のカリキュラムに従っってしっかり勉強すれば、勉強のスケジュール管理も楽にできます。
対面の講義は、動画では得られない迫力や臨場感がありますし、わからないところは講師に直接質問できるという大きなメリットがあります。

また、同じ目標を目指す人たちに囲まれて勉強できるので、モチベーションも保ちやすくなります。

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宅地建物取引士(宅建士)の合格難易度について まとめ

宅地建物取引士(宅建士) の試験は、合格率が15%前後しかない難易おdが高い試験です。

出題範囲が広く、暗記事項が多いので、必要とされる勉強時間は200~300時間と言われています。

ただし、試験合格後の登録実務講習後に受ける終了試験は合格率90%以上でそんなに難しくありません。

独学、通信講座、資格予備校から自分にあった学習方法を選んで、合格を目指しましょう。

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この記事の監修者

「エーマッチ」編集長。
コンサル・マーケティング会社経営者で自らも7回もの転職経験者。
自らの転職経験を元に転職エージェントマッチングの「エーマッチ」を運営。転職エージェントの紹介だけでなく転職ノウハウ、キャリアアップ・独立起業などビジネス全般、最新ビジネスニュースなどをお届け。

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