社労士(社会保険労務士)の難易度について解説

社会保険労務士資格の難易度について

「社労士になりたい」「社労士って難易度が高いって本当?」とお悩みの人はいませんか?

社労士は労務関係のプロとして有名な国家資格です。社労士と言えば性別共に高収入というイメージが強く、最近では女性の受験者も増えてきている…という話も耳にします。

そこで本記事では現在社労士にご興味がある方へ「社労士の難易度」についてご紹介しますので、ぜひご覧ください。

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転職コンサル山田
コンサル山田

「日刊お仕事マガジン」編集長。
ウェブマーケティング会社経営者。上場企業からスタートアップまで7回の転職経験を元に「日刊お仕事マガジン」を運営。
転職ノウハウだけではなくビジネス全般、キャリアアップ、独立起業、最新ビジネスニュースなどをお届け。

社労士の難易度について:受験資格

社労士の難易度として、まずは「社労士試験の受験資格」についてご紹介します。

受験資格を満たすためには4つの方法があります。

1:学歴

社労士試験の受験資格として学歴は「高卒以上」が規定です。

試験名社会保険労務士試験
資格国家資格
受験資格/学歴
  • 01.学校教育法による大学、短期大学、専門職大学、専門職短期大学若しくは高等専門学校(5年制)を卒業した者又は専門職大学の前期課程を修了した者
  • 02.上記の大学(短期大学を除く)において62単位以上の卒業要件単位を修得した者
  • 02.上記の大学(短期大学を除く)において一般教養科目と専門教育科目等との区分けをしているものにおいて一般教養科目36単位以上を修得し、かつ、専門教育科目等の単位を加えて合計48単位以上の卒業要件単位を修得した者
  • 03.旧高等学校令による高等学校高等科、旧大学令による大学予科又は旧専門学校令による専門学校を卒業し、又は修了した者
  • 04.前記01又は03に掲げる学校等以外で、厚生労働大臣が認めた学校等を卒業し又は所定の課程を修了した者
  • 05.修業年限が2年以上で、かつ、課程の修了に必要な総授業時間数が、1,700 時間(62単位)以上の専修学校の専門課程を修了した者
  • 14.全国社会保険労務士会連合会において、個別の受験資格審査により、学校教育法に定める短期大学を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者(各種学校、外国の大学等の卒業者等)
  • 上記の大学(短期大学を除く)において一般教養科目と専門教育科目等との区分けをしているものにおいて一般教養科目36単位以上を修得し、かつ、専門教育科目等の単位を加えて合計48単位以上の卒業要件単位を修得した者

以上の表のように高卒、専門学校卒、大卒、院卒等の卒業歴があれば社労士試験の受験資格を満たすことができます。

仮に中卒等の学歴で社労士試験を受験したい場合は、高卒認定試験を受けたり後程紹介する受験資格「実務経験」や「試験合格」等でも受験資格を満たすことができるため安心してくださいね。

2:実務経験

学歴が受験資格を満たしていない方や指定された就業先で従事経験がある方は実務経験でも受験資格を満たすことができます。

ポイントとしては3年以上の実務経験が必要となり、試験申し込みの際は実務経験を証明する「実務経験証明書」が必要になります。

受験資格
/実務経験
  • 08.労働社会保険諸法令の規定に基づいて設立された法人の役員(非常勤の者を除く)又は従業者として同法令の実施事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
  • 09.国又は地方公共団体の公務員として行政事務に従事した期間及び行政執行法人(旧特定独立行政法人)、特定地方独立行政法人又は日本郵政公社の役員又は職員として行政事務に相当する事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
  • 09.全国健康保険協会、日本年金機構の役員(非常勤の者を除く)又は従業者として社会保険諸法令の実施事務に従事した期間が通算して3年以上になる者(社会保険庁の職員として行政事務に従事した期間を含む)
  • 11.社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人又は弁護士若しくは弁護士法人の業務の補助の事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
  • 12.労働組合の役員として労働組合の業務に専ら従事(専従)した期間が通算して3年以上になる者
  • 12.会社その他の法人(法人でない社団又は財団を含み、労働組合を除く。以下「法人等」という。)の役員として労務を担当した期間が通算して3年以上になる者
  • 13.労働組合の職員又は法人等若しくは事業を営む個人の従業者として労働社会保険諸法令に関する事務に従事した期間が通算して3年以上になる者

また公務員として10年以上従事経験がある方は、科目が免除される場合もありますので詳しくは「社労士記事」をご覧ください。

3:試験合格

受験資格と実務経験以外にも、国家資格試験に合格した経歴がある方も受験資格を満たすことができます。

最近では行政書士と社労士のダブルライセンス取得を目指して社労士試験に挑む方もいます。理由としてはこの2資格を取得することで活躍できるフィールドが更に広がることが考えられるでしょう。

受験資格
/試験合格
  • 06.社会保険労務士試験以外の国家試験のうち厚生労働大臣が認めた国家試験に合格した者
  • 07.司法試験予備試験、旧法の規程による司法試験の第一次試験、旧司法試験の第一次試験又は高等試験予備試験に合格した者
  • 10.行政書士試験に合格した者

厚生労働大臣が認めた国家資格に関しては「こちらのサイト」をご覧ください。

4:過去受験

上の3つ以外にも、過去に社労士試験を受験した経験がある方も受験資格を満たしたことになります。

受験資格
/過去受験
  • 15.直近3年間に実施された社会保険労務士試験の受験票又は成績(結果)通知書を所持している者
  • 16.社会保険労務士試験 試験科目の一部免除決定通知書を所持している者

初めて社労士試験を受験したい方は上の1~3を参考に、再度社労士試験にチャレンジしたい方は4を参考にしてみてくださいね。

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社労士の難易度:試験について

次は社労士の難易度を試験から見ていきます。

社労士の試験合格率は過去5年から見ても6%前後と非常に低い合格率です。では一体社労士試験はどうして難易度が高いのか、合格基準についてご紹介します。

試験科目ごとに細かく合格基準が設定されている

まず社労士試験は試験科目ごとに合格基準が細かく設定されています。以下は令和3年度社会保険労務士試験の合格基準です。

① 選択式試験は、総得点24点以上かつ各科目3点以上(ただし、労務管理その他の労 働に関する一般常識は1点以上、国民年金法は2点以上)である者 ② 択一式試験は、総得点45点以上かつ各科目4点以上である者

https://www.sharosi-siken.or.jp/pdf/05/info_02_kijyun_seitou.pdf

こちらの合格基準は令和2年度試験の難易度に差が出たため、合格基準を補正したものになります。

社労士試験の合格基準は全体の6~7割の正解数が必須で、全科目がバランスよく得点している必要があるでしょう。

試験科目が多い

また社労士試験は10分野8科目が試験範囲となるため、試験勉強をする際に範囲が広すぎて頻出問題や、出題傾向を把握しきれない方が多いです。

そのため、勉強をする際に1つに時間をかけすぎると次の学習に移った際に内容を忘れてしまう可能性があるため、「わからない点は一旦置いておいて、全体的にまんべんなく学んで復習を繰り返す」ということが大切になります。

働きながら受験する人が多いので勉強時間の確保がそもそも難しい

また試験難易度を高くする理由として必要な勉強時間の確保が難しい点も挙げられます。

社労士試験に必要な勉強時間は700〜1,000時間が基本で、初学者ならば更に長くなる可能性や、ある程度知識があればこれ以下の時間ということもあるでしょう。

現代ではみなさんが忙しく働いているため、毎日決まった時間にまとまった勉強時間を確保することが難しくなっています。

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社労士試験の難易度が高い試験科目BEST3

次は社労士試験の中でも難易度が高い試験科目をBEST3にしてご紹介します。

その1:国民年金法

第1位は「国民年金法」です。

この国民年金法は年金の勉強で最初に立ちはだかる壁で、範囲も広く過去の改正前の経過措置による例外というものが多いため、非常に難関な科目と言えます。

しかし年金の基本的な仕組みやテキストを何度も読み返し、わからない点は別のテキストやネットで情報収集をすることで安定した得点を取ることができる科目とも言えるでしょう。

その2:労務管理その他の労働に関する一般常識

第2位は「労務管理その他の労働に関する一般常識」です。

労一と呼ばれるこの分野は「労働関係法令」「労働経済」「人事労務管理」の3分野から幅広く出題されます。労働経済については「雇用や労働時間の現状」を問われる問題が多く、なかなか得点が取れる水準までしっかりと把握することができない分野です。

ポイントとして、ある程度の傾向を把握して消去法で得点を狙えるようにすることが重要となります。

その3:社会保険に関する一般常識

第3位は「社会保険に関する一般常識」です。

社一と呼ばれるこの分野は「法令」「社会保障」の2分野から出題されます。社会保険に関しては非常に多くの数字を覚えておかないとならず、仮に忘れてしまうと問題でつまずいてしまうこともあり対策が難しい分野です。

ポイントとしては勉強のスキマ時間や外出時のスキマ時間に社会保障に関する数字を眺めて脳にインプットできるようにしたり、過去問の傾向から出題されそうな数字は常に覚えておくようにしたり等、自分なりの記憶方法で対処しましょう。

労働基準法は比較的難易度が低め

10分野8科目の中で、比較的学習しやすい分野は「労働基準法」です。

テキストで学びつつ、過去問もあわせて学習することで安定した得点を取ることができるでしょう。

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国家資格から見る社労士試験の難易度

次は社労士試験をその他国家資格から見た難易度をご紹介します。

行政書士

本記事でも何度か紹介した行政書士は合格率は11%前後、受験資格もないため、社労士と比べれは難易度は低めだと考えられます。

また勉強のコツさえ覚えれば、そこまで苦戦する試験内容ではないとされており、勉強内容に関しても社労士の方が難易度は高いと言えるでしょう。

司法書士

司法書士の合格率は2020年度で約5%、ここ数年で見ると3~4%と社労士よりも合格率は低いことがわかります。

特に初学者の場合、必要な勉強時間は約3,000時間にものぼるとされており、約2~3年は勉強に費やす必要がある計算になります。この点を踏まえて合格率と勉強時間共に圧倒的な大差で司法書士の方が難易度は高いと言えるでしょう。

キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントの合格率は学科が約64%・実技が16%と、数字を見るとわかるように社労士の方が難易度は高いです。

勉強時間はもちろん、受験資格についても最大で200時間程度と言われており、結果として社労士の方が難易度は高いということになります。

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まとめ

今回は社労士の難易度についてご紹介しました。

受験資格はもちろん、試験に関しても難易度が高い社労士ですが、資格を取得できれば仕事に有利になることは確実です。

また独学ではなかなか厳しい社労士ですが、予備校や通信講座を利用することで効率よく学習することができます。

今、社労士について興味がある方や試験に挑みたいとお考えの方はぜひ「こちらの記事」も参考にして社労士資格取得の一歩を踏み出してみませんか?

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この記事の監修者

「エーマッチ」編集長。
コンサル・マーケティング会社経営者で自らも7回もの転職経験者。
自らの転職経験を元に転職エージェントマッチングの「エーマッチ」を運営。転職エージェントの紹介だけでなく転職ノウハウ、キャリアアップ・独立起業などビジネス全般、最新ビジネスニュースなどをお届け。

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