出戻りしたい人へ!辞めた会社に出戻る方法と出戻り転職の実態を紹介
「転職失敗した、辞めた会社に出戻りしたい」
「今思えばやっぱり前の会社のほうが良かった。出戻りしたい」
という人のために、この記事では出戻り採用の実態と出戻る方法を詳しく解説します。
「エーマッチ」編集長。
ウェブマーケティング会社経営者。上場企業からスタートアップまで7回の転職経験を元に転職エージェントマッチングメディア「エーマッチ」を運営。
転職ノウハウだけではなくビジネス全般、キャリアアップ、独立起業、最新ビジネスニュースなどをお届け。
「出戻り」って何?
「出戻り」という言葉に明確な定義はありませんが、退職した会社にもう一度採用されて戻ることをいいます。
具体的には、
- 転職、留学などを理由に退職した人
- 結婚、出産、育児、介護、配偶者の転勤などを理由に退職した人
が対象になります。
ただし、会社を定年退職した人が同じ会社に再就職する再雇用制度のことは「出戻り」とは言いません。
出戻り採用は増えている
en人事のミカタのアンケートによると、「出戻り社員を再雇用したことがある」企業は2016年には回答した企業の67%から2018年の調査では回答した企業の72%に増加しています。
この傾向は今後も続いていくだろうと見られています。
そして一部の出戻り採用には政府が補助金を出しています。
労働人口の減少による人手不足が理由
出戻り採用が増えている理由は、労働人口の減少による人手不足です。
帝国データバンクの調査によると「正社員が不足している」という企業は、調査対象企業の50.3%を占めて、過去最高を更新しています。
正社員不足は50.3%、4月としては過去最高
人手不足に対する企業の動向調査(2019年4月)帝国データバンク
4月は新入社員が入社する時期で、この時期に人手不足という企業が全体の半数を占めているということは、人手不足が深刻であることがわかります。
人手不足の業界はココ
人手不足の中でも特に人手不足が深刻な業界があります。
下の表にある2019年と2020年のデータによると、情報サービス、農・林・水産、建設、運輸・倉庫、メンテナンス・警備・検査業界は人手不足の業界トップ10に両年とも入っています。
正社員が不足している上位10業種
順位 | 2019年4月 | 2020年4月 |
1 | 情報サービス | 農・林・水産 |
2 | 農・林・水産 | 建設 |
3 | 運輸・倉庫 | メンテナンス・警備・検査 |
4 | メンテナンス・警備・検査 | 電気通信 |
5 | 建設 | 情報サービス |
6 | リース | 医療・福祉・保健衛生 |
7 | 飲食店 | 家具類小売 |
8 | 放送 | 運輸・倉庫 |
9 | 専門商品小売 | 金融 |
10 | 自動車・同部品小売 | 放送 |
参考資料 特別企画 : 人手不足に対する企業の動向調査(2019 年 4 月)より作成
参考資料 特別企画 : 人手不足に対する企業の動向調査(2020 年 4 月)より作成
政府も「出戻り」採用を支援している
労働人口の減少による人手不足という状況を受けて、限定的ではありますが政府も出戻り採用を支援しています。
出戻り採用を行う企業に政府からの助成金が出る「再雇用者評価処遇コース(カムバック支援助成金)」です。
ただし、この助成金は、妊娠、出産、育児、介護、配偶者の転勤による理由で退職した人の再雇用をのみを対象としています。
企業が妊娠、出産、育児、介護、配偶者の転勤による理由で退職した人の再雇用制度を導入して、実際に出戻り採用をするとその企業に助成金が支払われるという仕組みになっています。
参考サイト 「両立支援等助成金支給」申請の手引き(2019年度版)厚生労働省
出戻り社員を採用する企業側のメリットは何か?
企業にとって以下のような出戻り社員を採用するメリットがあります。
- 社風を理解している
- 社員教育・研修のコストを削減できる
- 出戻るまでの期間が短ければ即戦力になる
社風を理解している
出戻り社員は会社に一度勤務しているので社風を理解していて、会社の良いところも悪いところも両方知った上で復職します。
そのためはじめて入社して「ちょっと社風が合わない」と言ってすぐに辞めてしまうようなリスクがありません。
社員教育・研修のコストを削減できる
出戻り社員は会社での業務を経験しているので、新入社員と同レベルの社員教育や研修をしないで済みます。
退職時と同じ部署に戻るのであれば、離職中に変更になったところがなければ、研修がほとんど必要なくなる可能性大です。
出戻るまでの期間が短ければ即戦力になる
出戻り社員は、離職期間が短ければ短いほど、復職後に即戦力として働くことができます。
離職期間が長くても、新しいシステもの使い方などの研修を受ければ即戦力として期待できます。
また、他社に転職した後に復職する出戻り社員は、他社で身につけたノウハウを活用して仕事ができる可能性もあります。
出戻り社員採用の課題はある?
企業側にメリットがある出戻り社員の採用ですが、以下のような課題もあります。
- 出戻り社員採用の制度(再雇用制度)が整備されている企業はまだ少ない
- 採用しても出戻り前と同じように働けるとは限らない
- 職場の士気に悪い影響を与える可能性も
出戻り社員採用の制度(再雇用制度)が整備されている企業はまだ少ない
上で出戻り社員歓迎している企業の事例を紹介しましたが、実は出戻り社員の再雇用制度が整備されている企業はまだ少数です。
en人事のミカタのアンケートによると、出戻り社員を再雇用する制度がある企業は回答した企業の8%にとどまっています。
制度としてなかなか整わない理由として以下のようなことが考えられます。
- 円満に退職しなかった人を再雇用したくない
- 制度があればまた戻れるからと言って、再び退職するかもしれない
- 他社へ転職するための退職した人を再雇用したくない
退職者といってもそれぞれなので制度を作らずに良い人がいれば再雇用したい、という企業が多いようです。
採用しても出戻り前と同じように働けるとは限らない
企業が出戻り採用する場合、退職前の人となりや仕事ぶりを評価して再雇用するという部分が大きいです。
ただし離職中にさまざまな事情が退職前と変わっている可能性もあり、出戻り前と同じように働けるとは限りません。
期待のミスマッチが起こらないように、採用前によく状況を確認することが企業側にとっても、出戻る側にとっても大切です。
職場の士気に悪い影響を与える可能性も
出戻り社員が配属されると職場の士気に悪い影響を与える可能性もあります。
- 「辞めてもまた戻れるなら、今しんどいからとりあえず退職しようかな」
- 「年上の出戻り社員が部下になって仕事がやりにくくなった」
- 「大変な時に辞められて残された私たちは必死で頑張ったのに、今頃戻ってこられてもね」
「出戻りできる」というのは良いシステムである反面、「とりあえず辞めてまた戻ろう」と考えることもできる諸刃の剣です。
また出戻り社員の待遇や辞め方によっては、メリットよりもデメリットの方が大きくなることもあります。
出戻り転職する方法
出戻り転職するには以下3つの方法があります。
- 退職後に元上司や同僚から声をかけられる
- 会社の再雇用制度を利用
- 求人に応募する
それぞれの方法について以下で解説します。
退職後に元上司や同僚から声をかけられる
退職後に元上司かや同僚から声をかけられて出戻り、または自分から元上司や同僚に相談して出戻り、というパターンは結構多いです。
- 「転職先でうまくいってないことをSNS上に書き込んだら、それを知った上司が「戻ってこいよ」と一回声かけてくれて復職できた」
- 「前職の求人募集の広告が出ているのを見て、仲良かった同僚に「実は戻りたいんだけど・・・・」と相談して人事に紹介してもらった
会社に再雇用制度がなくても、社員が会社の人事部に知人を紹介するリファラル採用で復職が可能です。
実際に元上司や元同僚と久しぶりに飲みいって「戻ってこい」と誘われた、ケースは多いぞ。
会社の再雇用制度を利用
出戻り社員用の再雇用制度がすでにある会社の場合は、その制度を利用して出戻ります。
可能であれば制度を利用する前に、元上司や元同僚に相談しておくことをオススメします。
求人に応募する
他の求職者と一緒に、戻りたい会社の求人に応募することもできます。
こちらも応募する前に、元上司や同僚に相談するか、「今度応募することにしました」と一言声をかけておくようにしましょう。
戻りたいと言えないとなると円満退社とは言えないでしょうから…出戻りが難しいかもですね。
「出戻り」を成功させるには(社員側)
退職するときは出戻る可能性なんて考えていないかもしれませんが、人生いつ何が起こるかわかりません。
退職する時、そして退職後も「出戻る可能性」を選択肢として行動しましょう。
ここでは、出戻り転職を成功させる3つのコツを紹介します。
円満退職の上に出戻るのが基本
まずは、円満退職することが出戻りするための基本中の基本です。
「引き継ぎをしないで退職した」「会社のやり方を強く批判して辞めた」「周囲とトラブルを起こして辞めた」こんな辞め方をしてしまうと、出戻り採用はかなり難しくなります。
また会社の方も、退職金を少しでも減らすために退職日を前倒しさせる、というようなイジワルをすると、優秀な社員は戻ってきてくれません。注意しましょう。
正しい退職の方法についてまとめた記事た。
退職後も上司や同僚とコンタクトを取り続ける
出戻り転職する時に、元上司や同僚からの推薦や口添えがあると、成功率がグンとアップします。
「元上司や元同僚がもう一度一緒に仕事をしたいくらいの人物」という評価をされるからです。
退職しても、元上司や元同僚と何かの形でコンタクトを取り続けるようにしましょう。
志望動機はポジティブな点をアピールする
出戻り転職の志望動機はポジティブな点をアピールしてください。
やはり、会社が一番気にする点は「なぜ戻りたいのか?」「また辞めてしまうのではないか?」というところです。
例えば、
- 家庭の事情で退職した人は、問題は解決して支障なく働ける
- 留学で退職した人は、海外の大学で学んだことを仕事で役立てたい
- 転職で退職した人は、他社で身につけたノウハウを活かして仕事をしたい
ということを採用担当者に伝えてください。
「出戻り」社員歓迎している企業の事例を紹介
出戻り社員を歓迎している企業は、すでに再雇用の制度を整えていて、出戻りを希望する人はその制度を利用して復職を果たしています。
ここでは、以下4社の事例を紹介します。
- 富士通株式会社
- アクセンチュア株式会社
- 株式会社クレディセゾン
- 亀田製菓株式会社
富士通株式会社
富士通は「カムバック制度」という採用制度で出戻り社員を採用します。
正社員として1年以上勤務した人が退職後5年以内に利用することができます。
退職時の理由が、学業、転職等または結婚、出産、育児、家族介護、配偶者の転勤である人が対象になります。
また退職後5年以上経ってしまった人は、通常の中途採用(キャリア採用)で応募できます。
アクセンチュア株式会社
アクセンチュアは退職した人とのつながりを「アクセンチュア・アルムナイ・ネットワーク」と呼んでいます。
「アクセンチュア・アルムナイ・ネットワーク」には世界52カ国にあるアクセンチュアのアルムナイ25万人以上が在籍しています。
復職を検討しているアルムナイは、アルムナイ・ネットワークを通して応募する仕組みになっています。
株式会社クレディセゾン
クレディセゾンは「リワークエントリー制度」という採用制度で出戻り社員を採用します。
退職時にリワークエントリー制度に登録しておくと、退職10年以内なら出戻ることができます。元々は女性職員のための制度としてスタートさせましたが、実際は男性職員も利用しています。
対象になるのは、結婚、出産、育児、介護、配偶者の転勤、転職、留学などの理由で自己都合した職員です。
退職後10年までの人に適用される制度ですが、退職後5年以内ならば退職時と同じ条件の待遇が保証されます。
亀田製菓株式会社
亀田製菓は「ハッピーリターン制度」と呼ばれる退職者復帰登録制度で出戻り社員を採用します。
勤続3年以上で、結婚、妊娠、出産、育児、介護、看護、私傷病、配偶者の転勤の事由により退職した社員が対象になります。
退職後6年以内の人に適用されます。
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