【管理職の転職】難しい理由や転職のメリット・デメリット・成功する方法を徹底解説
管理職の転職は難しいといわれています。ただ管理職での転職に成功すれば大幅な年収アップやキャリアアップなど、さまざまなメリットがあります。
ただし管理職の転職にはデメリットもありますので、転職を決める前にこの記事で注意点や重要なポイントを確認しておきましょう。
この記事では、管理職の業務内容や必要なスキルを確認するとともに、管理職の転職に関する重要なポイントを解説します。
「エーマッチ」編集長。
ウェブマーケティング会社経営者。上場企業からスタートアップまで7回の転職経験を元に転職エージェントマッチングメディア「エーマッチ」を運営。
転職ノウハウだけではなくビジネス全般、キャリアアップ、独立起業、最新ビジネスニュースなどをお届け。
管理職とは?業務・仕事内容や必要なスキル
管理職とは企業で一定の決裁権を持ち、メンバーを指揮・管理する職位です。
一般的には課長や部長が管理職にあたります。
管理職の業務・仕事内容・平均年収は528万円
一般職とは異なり、企業や部門が成果を出せるように管理する役割を持つのが管理職です。
主な業務には「部下の管理と育成」「業務の管理」「経営層の理念や戦略を一般社員に浸透」などが挙げられます。
一般社員の頃は個人の売り上げを上げることが一番の目標だったのが、管理職になることで部下の管理やマネージメント、育成をおこないながら部署全体の底上げも必要になります。
また一般社員は業務遂行責任を負いますが、管理職は成果責任を負うという点も管理職と一般社員の違いです。
管理職の平均年収は、会社の規模や業種によって大きく異なります。ちなみに営業系の管理職の場合、平均年収は528万円です。年代別では20代が433万円、30代が623万円ということです。
参考サイト 職種別平均年収ランキング「管理職・マネージャー(営業系)」引用:マイナビAGENT
管理職に必要なスキル・資格
管理職には次の3つのスキルが必要といわれます。
1.テクニカルスキル
テクニカルスキルとは、業務をおこなう上で必要な知識や能力などのことです。
専門的な知識がなければ部下に対しての説得力もありませんし、正しく評価することも難しいでしょう。
とくに現場に近い管理職は、専門的な知識が求められます。
2.ヒューマンスキル
ヒューマンスキルとは、仕事をするうえで必要な人間関係を構築し、維持する能力です。
管理職は部下や上層部、取引先など、幅広くコミュニケーションを取る必要があります。
そのため人間関係を円滑にするためのスキルが必要なのです。
3.コンセプチュアルスキル
コンセプチュアルスキルとは、目標達成のために物事の本質を見極める能力のことです。
概念化能力とも呼ばれ、論理思考力や問題解決力、俯瞰力などが求められます。
また、管理職は資格を取得することで自分自身の市場価値を高められるため、キャリアプランの選択肢を広がります。
管理職が持っておきたい資格には、次のようなものがあります。
- ビジネスマネージャー検定
- メンタルヘルス・マネジメント検定
- 中小企業診断士
- 日商簿記検定2級
こんな人は管理職に向いている
管理職は部下をまとめるだけでなく、経営層とも付き合うことになります。
部下と経営層のパイプ役になるため、それぞれにわかりやすく伝達する能力が必要です。
そのためコミュニケーション能力が高い人が管理職に向いています。
また多くの部下を抱えて育成したり、悩みを聞いてアドバイスしたりする必要があるため、部下を引っ張っていくリーダーシップがある人、柔軟な考え方ができる人や、冷静に判断できる人、決断力がある人に向いているといえるでしょう。
管理職で転職が難しい・失敗が多いのはなぜ?
「管理職の転職は難しい」「失敗が多い」といわれますが、実績があるのに転職が難しいのに転職が難しいのはなぜなのか、理由を確認していきましょう。
管理職は求人数自体が少ない
管理職のポストは多くありません。
また、多くの企業は20代で入社した若手を幹部候補として教育し、昇進を経て管理職のポジションに就かせます。
管理職を外部に求める場合はヘッドハンティングで採用するケースが多く、一般選考の求人を出すことが少ないため、自分に合った求人を見つけることが難しいのです。
現在の管理職待遇と同等・以上の求人を見つけるのが難しい
管理職の求人を探しても、現在の管理職待遇と同等やそれ以上の求人を見つけるのは難しいかもしれません。
管理職を採用する企業にとって、最初から高い給与で採用するのはリスクがあります。
また、管理職は一般職に比べると会社間の待遇の格差が大きいため、現在と同等やそれ以上の待遇の求人がなかなか見つからないかもしれません。
管理職の経験は評価が難しい
管理職の業務内容は営業職・数字を扱う職・開発職のように目に見える実績として残りにく部分が多くあります。
所属企業独自に評価されることが多いため、転職時に経験をアピールしづらく、評価が難しいのです。
管理職で転職するメリット
管理職の転職は難しいものの、不可能ではありません。
転職することで次のようなメリットがあります。
管理職で転職するメリット1:年収が高い
管理職は企業の規模などによって年収に大きな開きがあります。
そのため現在の年収に不満がある方は、転職することによって年収アップにつながる可能性があるでしょう。
管理職で転職するメリット2:キャリアアップにつながる
管理職のポストは多くないため、自分より上のポジションが詰まっていれば、長く勤めてもキャリアアップできる可能性が低いでしょう。
しかし、管理職の人材が不足している企業もありますので、転職することで今より待遇が良く、高い地位のポジションで採用してもらえる可能性があります。
今の会社では年収や待遇、キャリアの向上が望めない人は、転職することでキャリアアップにつながるかもしれません。
管理職で転職するメリット3:仕事環境の改善
企業文化や企業風土に不満を感じていたり、今の仕事がマンネリ化してやりがいを感じなくなっていたりする場合、転職することによって自分にもっと合う職場が見つかるかもしれません。
仕事環境を改善することによって、毎日のストレスから解放されるでしょう。
管理職で転職するメリット4:非公開求人、ヘッドハンティングを狙える
大手企業や幹部クラスの求人は一般公開されずに非公開求人になっていることが多いため、管理職が転職エージェントを利用すると年収が高い非公開求人を狙えます。
また、管理職は一般職に比べてヘッドハンティングを受けることが多いため、条件の良いオファーを受けられる可能性があります。
管理職で転職するデメリットや注意点
管理職の転職にはデメリットもありますので、転職後に後悔しないよう、事前に確認しておきましょう。
管理職で転職するデメリット1:年収が下がる可能性も
管理職の年収は企業によって差が大きいため、転職によって年収が上がる人ばかりではありません。
現在の年収が高い人は同等の求人が見つかりにくいため、転職によって年収が下がる可能性もあります。
管理職で転職するデメリット2:高い成果が求められる
管理職の採用は即戦力を期待されるため、転職後すぐに成果を求められます。
新しい部下を管理しながら高い成果を期待されるため、大きなプレッシャーとなる可能性があるでしょう。
管理職で転職するデメリット3:名ばかり管理職の場合もあり
管理職とは名ばかりで責任だけ負わされ、実際の待遇や権限は一般社員と同じというケースもあります。
また、実際は管理職ではなく管理候補者の求人で、これまでのスキルを生かせず待遇も低い場合があるので注意が必要です。
管理職の定義や役職の役割は企業によって異なるため、業務内容や裁量権を確認しておく必要があります。
管理職で転職するデメリット4:転職後の人間関係が難しいかも
転職後は人間関係が築けていない部下のマネージメントをおこなわなくてはいけないため、職場環境に慣れるまでは苦労するかもしれません。
円滑な業務のためにも積極的にコミュニケーションをとり、人間関係を一から築いていくことに難しさを感じる人もいるでしょう。
管理職転職のための4つのポイント
管理職が転職を成功させるためには、転職準備から応募まで次の4つのステップで進めましょう。
目標・条件を明確にする
転職活動のスタートは、目標や条件を明確にすることから始めましょう。目標を明確にしておかなければ、途中で転職の目的がブレてしまうことがあります。
転職の目標を決めるときは、まず転職理由をはっきりさせておきましょう。なぜ転職するのか明確にすることによって、自ずと転職の目標が決まります。
また、年収や仕事内容、裁量権など、転職をする際に譲れない条件も明確に決めておきましょう。
たとえばやりがいを重視すると年収が下がりますし、その逆もあります。自分にとって譲れない条件をはっきりしておくことは応募する企業を決める際に重要なので、転職に失敗しないためにも最初にはっきりと決めておきましょう。
自分のキャリア洗い出し
転職前には自分のキャリアの洗い出しをおこない、これまでに「どのような業務をおこなってきたか」「どのような成果を上げたか」ということを客観的に把握しておきましょう。
キャリアを振り返ることにより、転職先の企業でどのような活躍ができるかアピールできるため、転職活動をスムーズに進められます。
管理職は一般職より高い能力が求められるため、実績やスキルを伝えられるように整理しておきましょう。
転職エージェントに相談
管理職の転職は、転職エージェントに相談するのがベストです。
まず管理職の求人は非公開求人として企業が転職エージェントに募集を依頼することが多いからです。
転職エージェントは転職サイトや企業の公式サイトには載っていない管理職の求人を持っているので、転職を考えている人はまず転職エージェントに相談してみることをオススメします。
次に転職エージェントは応募する企業の社風や職場の雰囲気など、入社しないとなかなかわからない情報を持っています。
管理職の場合は、すでに経験やスキルがあり自信を持っているだけに、転職先の会社とのミスマッチが起こりがちです。
転職エージェントは豊富な情報を活用して、利用者の経験やスキルにマッチした求人を紹介することができるのでオススメです。
また転職エージェントは給与の交渉もサポートしてくれます。通常転職エージェントは各求人の妥当な給与額を教えてくれます。応募の際には希望給与額を納得した上で提示することができます。
給与交渉を転職エージェントに任せることもできるので、その点もメリットがあります。転職エージェントは登録・利用料が無料なので、まずは気軽に相談してみてください。
応募・面接
希望に合う求人先が見つかれば、応募という流れになります。
業界や企業研究をしっかりおこない、転職を希望する企業の社内事情を転職エージェントのアドバイザーに聞いておきましょう。
一般職とは異なり、管理職の転職なので、堂々とした余裕のある受け答えができるように、面接の練習もしておくと安心です。
【30代・40代・50代】年代ごとの管理職転職の成功法
ここからは年代ごとに管理職転職の成功法について解説します。
30代管理職の転職成功法
30代管理職が転職するなら企業研究を徹底しておこない、求められている人材を把握しましょう。面接で企業が求めている人材とは相容れないことを語ってしまうと不採用になる可能性が高まります。
企業は長期的に会社に貢献する人材を育てたいという場合が多いため、これまでの成果をアピールしつつ、会社の方針を学ぶ意欲を見せることがポイントです。
管理職のセミナーなどに出て、能力アップに努めるのもよいでしょう。
40代管理職の転職成功法
40代管理職は、自分の持つスキルや資格を洗い出し、その中からプラスになるものを重点的にアピールしましょう。
管理職としての経験が豊富になる年代ですが、全てを伝えるとぼやけてしまうため、とくにアピールしたいものを絞って伝えてください。
大企業の場合は上層部と社員をつなげる役割、中小企業の場合は発想力、対応力、経営面でのアドバイスなど多岐にわたる能力をアピールできるとよいでしょう。
50代管理職の転職成功法
50代になると管理職の経験や即戦力は必須条件となります。マネジメント経験を実証できる成果を豊富にアピールできる人が有利です。
大企業での管理職経験なども必要になります。
平社員からいきなり管理職に転職は可能?採用のための条件とは
平社員が転職活動し、管理職として採用されることは可能なのでしょうか。
採用のための条件を確認しておきましょう。
プロジェクトリーダー経験等があれば管理職を目指せる
平社員からいきなり管理職への転職は、不可能ではありません。
役職の経験がない中堅社員でもプロジェクトリーダーとしてチームをまとめた経験や、新人教育の経験などで成果を出していれば評価される可能性があります。
最近は管理職になりたがらない若手社員が増えていることもあり、管理職を任せられる人材が不足している企業が増えているようです。
管理職経験がなくてもやりたいという意欲があれば、転職して管理職を目指すことができます。
管理職から平社員への転職の注意点
管理職は強いプレッシャーやストレスがかかるため、平社員の方がよかった…と思う人もいます。
しかし、管理職から平社員へ降格すると何かと気まずくなるため、平社員への転職を望む人もいるでしょう。
平社員になることでプレッシャーから解放されますが、今後管理職に戻りたいと思っても、再度管理職としての転職は難しいかもしれません。
また、平社員になることで予想以上の収入源が生じる可能性もあります。よく検討してから転職を決めましょう。
管理職の転職に関するよくある質問
管理職の転職に関するよくある質問をまとめています。管理職の転職について疑問や質問があるかたはぜひご覧になってください。
管理職の転職について まとめ
キャリアアップや、やりがいのある仕事を求めて転職を希望している管理職の方も多いでしょうが、求人数が少ないなどの理由により、スムーズに転職先が見つからない場合もあります。
しかし、実績が豊富な管理職の方であれば、これまでの成果をアピールすることで条件の良い転職先が見つかり、年収アップが期待できるでしょう。
転職エージェントを利用すれば、現在の職場に在籍しながらスムーズな転職活動ができる上に一般には公開されない非公開求人も紹介してもらえます。
転職を希望している管理職の方は、ぜひ利用してはいかがでしょうか。