中小企業診断士の年収を大公開!開業・企業内で異なる年収を調査

中小企業診断士の年収について

「中小企業診断士の年収はどれくらい?」

「中小企業診断士として独立して稼げるの?」

中小企業診断士は難易度の高い試験なので、取得後の年収がどうなのか気になるところです。

この記事で伝えたいこと

  1. 中小企業診断士の平均年収
  2. 中小企業診断士の資格を取っても独立開業しないと年収アップできないのか
  3. 独立開業しているけど儲からない中小企業診断士もいるのか
  4. 中小企業診断士として独立しても儲からないのではと心配している人
  5. 中小企業診断士の資格に将来性があるのか不安な人

は、この記事をぜひ参考にしてください。

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この記事の監修者
転職コンサル山田
コンサル山田

「エーマッチ」編集長。
ウェブマーケティング会社経営者。上場企業からスタートアップまで7回の転職経験を元に転職エージェントマッチングメディア「エーマッチ」を運営。
転職ノウハウだけではなくビジネス全般、キャリアアップ、独立起業、最新ビジネスニュースなどをお届け。

中小企業診断士の平均年収は774万円?

中小企業診断士の試験は科目数が多くて難易度が高く、1000時間以上の勉強時間が必要と言われています。

数年かけて取得する人も多い中小企業診断士の資格ですが、それに見合うだけの「稼げる資格」なのでしょうか?

ここでは、

  • 厚生労働省の職業情報提供サイトに載っている平均年収
  • 中小企業診断協会が行ったアンケート結果

の2ポイントから解説します。

ただし、中小企業診断士の資格保有者の場合、

  • 中小企業診断士として独立・開業している人
  • 資格を持っているだけで年収は勤務先からの給与のみの人
  • 勤務先からの給与プラス副業として中小企業診断士の収入を得ている人
  • 定年退職後に時々中小企業診断士の仕事をしている人

など、年収の内容は様々です。

厚生労働省の職業情報提供サイトに載っている平均年収

厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagによると、中小企業診断士の年収は全国平均で773.9万円です。

都道府県別の平均年収を見ると格差は大きく、東京都がダントツ一位の960.2万円です。

平均年収が一番低いのは、静岡県の278.7万円です。

ただし、データを見る限り大都市圏の中小企業診断士は年収が高いというわけではありません。

例えば、平均年収の全国2位は鳥取県の772.4万円、3位は三重県の766万円です。

なので、中小企業診断士は地方在住でも高年収を望める職業であると言えます。

都道府県中小企業診断士の平均年収都道府県中小企業診断士の平均年収
北海道596.9万円滋賀県682.8万円
青森県該当データなし京都府638.2万円
岩手県353.9万円大阪府624.0万円
宮城県372.9万円兵庫県521.9万円
秋田県479.2万円奈良県565.8万円
山形県550.9万円和歌山県589.5万円
福島県536.9万円鳥取県772.4万円
茨城県該当データなし島根県400.8万円
栃木県436.7万円岡山県589.6万円
群馬県542.4万円広島県458.6万円
埼玉県620.8万円山口県428.6万円
千葉県671.3万円徳島県706.9万円
東京都960.2万円香川県653.8万円
神奈川県647.9万円愛媛県457.6万円
新潟県452.0万円高知県該当データなし
富山県446.6万円福岡県697.7万円
石川県599.1万円佐賀県525.0万円
福井県444.9万円長崎県516.8万円
山梨県437.1万円熊本県512.9万円
長野県371.6万円大分県486.7万円
岐阜県608.4万円宮崎県478.1万円
静岡県278.7万円鹿児島県551.7万円
愛知県568.0万円沖縄県559.4万円
三重県766.0万円

(厚生労働省職業情報提供サイトjobtag「中小企業診断士」ページで調べて作成 2022年3月)

中小企業診断協会のアンケートでは年収1000万円以上の人が25%

中小企業診断協会が行ったアンケート「データで見る中小企業診断士2016版」によると、「業務の売上または年収が501~800万円」と回答した人が一番多くなっています。

業務の売上または年収が2000万円以上の人は回答者の約1割でした。

ただし、このアンケートは

  • 中小企業診断士の業務を年間100日以上している人が対象になっている
  • 売上と年収が同じとは限らない

という点に注意して結果をみる必要があります。

年間売上または年収回答数(人)構成比(%)
300万円以内498.9%
301~400万円以内468.3%
401~500万円以内5510.0%
501~800万円以内11019.9%
801~1,000万円以内8214.9%
1,001~1,500万円以内10418.8%
1,501~2,000万円以内509.1%
2,001~2,500万円以内203.6%
2,501~3,000万円以内122.2%
3,001万円以上244.3%

(中小企業診断協会「データで見る中小企業診断士2016年版5.顧問契約、報酬について コンサルタント業務の年間売上」 )

独立開業と企業診断士では年収の内容が異なる

中小企業診断士の年収と言っても、独立開業している人と資格を持っているだけの「企業診断士」では内容が異なります。

資格を持っているだけの「企業診断士」の場合、年収は勤務先からの給与です。

つまり、中小企業診断士の仕事による収入ではありません。

最近は、独立はしないで副業として中小企業診断士の仕事をする人もいると言われています。

そのような人の年収は、勤務先からの給与と中小企業診断士としての副業収入になります。

また、定年退職後に中小企業診断士としての仕事を時々する、という人もいます。

このような人は、それほど高収入を得ていないケースもあります。

なので、中小企業診断士の年収に関してはケースバイケースです。

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中小企業診断士の資格を取っても独立開業しないと年収アップしない?

中小企業診断士として独立開業しないと年収アップしないのでしょうか?

ここでは、資格保有者の大半を占めると言われている企業内診断士の年収アップ可能性について

  • 資格手当
  • 副業コンサルティング

の2ポイントから解説します。

資格取得者の半分以上が企業内診断士

中小企業診断士の資格取得後もそのまま会社に勤務し続ける「企業内診断士」は多いと言われています。

例えば、東京都中小企業診断協会中央支部が行ったアンケートでは、企業内診断士の割合が71%、独立診断士の割合が29%になっています。

企業内診断士は、民間企業、金融機関、公的機関・団体等、などで働いていて、多くは中小企業診断士と関係のない業務に携わっています。

そもそも中小企業診断士の資格保有者は40代以上の人が多いので、企業内診断士でも年代的に年収が高めです。

参考東京都中小企業診断士協会中央支部 山口良明 「第1章【アンケート】企業内診断士と独立診断士の意識」企業診断ニュース2018年3月

資格手当を出す企業もある

中小企業診断士の資格を持っている従業員に資格手当を支払う企業もあります。

ただし、、資格手当を支払う企業はあまり多くないのが実態です。

前出の中小企業診断協会によるアンケート「データで見る中小企業診断士2016年版」にも「勤務先や関係先からの評価」についての質問がありました。

結果、「資格手当が支給された」と回答していたのは、全体の9.1%です。

つまり、中小企業診断士の資格を取得して収入が増えた人は1割弱いる、ということです。

多くの企業診断士にとって、資格手当で年収アップを望むのは難しい、ということになります。

副業コンサルティングで収入アップを狙うのもアリ

2018年1月に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し(2020年9月改定)、会社員も副業を始めるようになりました。

中小企業診断士の資格保有者の中にも、副業でコンサルタント業務をしている人がいます。

勤務先ごとに副業に関するルールはありますが、コンサルタント業務はオフィスの設置のような初期投資がなくてもできます。

顧客獲得は簡単ではありませんが、

  • 中小企業診断協会に登録して仕事を紹介してもらう
  • 本業の専門性を活かしたコンサルタント業務で差別化を図る

などで、地道に収入アップを狙える可能性もあります。

参考 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン

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独立開業している中小企業診断士の年収は1,000万円を超えることも可能!でも儲からない人もいる?

これまで紹介したデータから、中小企業診断士として独立開業して、1000万円を超える年収を稼ぐことができることが読み取れました。

ここでは、中小企業診断士の高年収について

  • コンサルティング業務による報酬
  • 人脈形成
  • ギブアンドテイクを大切にする

という3つのポイントから解説します。

コンサルティング報酬の現実は経営診断業務が1日平均10万円?

大分県中小企業診断士協会が公式サイトに「中小企業診断士の報酬」について掲載しています。

それによると、協会として推奨する中小企業診断士報酬は

  • 経営診断指導 10万円(1日5時間)
  • 講演等講師  6万円(1時間当たり)
  • 経営指導顧問 10万円(1ヶ月あたり)

になっています。

ただし、実際は公的業務と民間業務で報酬に差があることが、前に紹介した中小企業診断協会によるアンケート「データで見る中小企業診断士2016年版」からわかります。

公的業務とは?
国や地方自治体の行政機関、都道府県の中小企業支援センター、商工会議所・商工会などの公的機関から委託される業務
業務公的業務の平均報酬額民間業務の平均報酬額
診断業務47,500円(1日)105,200円(1日)
経営指導37,900円(1日)110,100円(1日)
調査研究37,100円(1日)64,800円(1日)
講演・教育訓練51,700円(1日)125,000円(1日)
原稿執筆6,800円(400字1枚)8,500円(400字1枚)

(中小企業診断協会「データで見る中小企業診断士2016年版」ページで調べて作成 2022年3月)

公的業務よりも、民間企業を顧客としてコンサルティング業務を行う民間業務を多くすると、高収入(高売上)につながりやすいことがわかります。

参考 大分県中小企業診断士協会「中小企業診断士の報酬についての考え方

人脈形成が仕事を受注する上でのキーポイント

公的業務より民間業務の方が報酬が高いことはわかりましたが、独立開業していきなり仕事を受注することは多くの人にとって難しいはず。

まずは、各都道府県にある中小企業診断協会に登録して、公的業務を紹介してもらってスタートというケースが一般的と考えられています。

企業で働いていると自然と仕事が与えられます。

ですが、独立開業したら、当然自分で仕事を取らないと稼げません。

そのような時に大切なのは「人脈」です。

中小企業診断士は「横のつながりが強い」と言われています。

研究会など中小企業診断協会の集まりに積極的に参加して、情報交換・人脈形成に励むのはオススメです。

最初は公的業務の紹介が多い可能性が高いですが、地道に紹介された仕事をこなして実績を積み上げていくことができます。

ギブアンドテイクができないと仕事の受注が続かないことも

中小企業は商工会議所、 中小企業基盤整備機構、都道府県の中小企業支援センター等に行けば、無料で経営について相談することができます。

民間企業があえて中小企業診断士に有料で経営相談をするからには、経営に貢献してくれることを期待するのが当然です。

何も成果を出せなければ、契約終了になります。

貢献できなかった人のところには、残念ですが仕事は集まりません。

独立開業する前に、すでにコンサルティング業務に携わって活躍していた人なら別です。

でも、中小企業診断士の受験や会社員生活で得た知識だけでは、経営者が満足するような「ギブ」にならない場合もあります。

自分の専門分野プラス実績で「私はこれができます。ここを変えられます」という中小企業診断士にならないと、仕事を受注し続けるのが難しくなるというケースもあることを知っておいてください。

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中小企業診断士の年収について まとめ

この記事で紹介したさまざまなデータから、中小企業診断士の平均年収は高めであることがわかります。

ただし、中小企業診断士の資格保有者の中には、「企業診断士」と呼ばれる資格を持っているだけの人が5割とも7割ともいると言われています。

これらの人たちは、勤務先の企業からの給与が年収になります。

つまり、中小企業診断士の資格を取得しても、

  • 独立・開業する人
  • 企業診断士になる人
  • 現役中は企業診断士のままで、定年退職してからコンサルティング業務を少しする人

など年収の内容は働き方によって異なります。

ただし、企業診断士でも副業でコンサルティング業務を行うことで収入アップを期待することは可能です。

中小企業診断士として独立・開業するなら

  • 中小企業診断士の「横のつながり」を大事にする
  • 行政が行う中小企業支援に携わる仕事を引き受けて実績を作る
  • 自分で営業して仕事を見つける

ことで高めの年収を狙える可能性があると考えられます。

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この記事の監修者

「エーマッチ」編集長。
コンサル・マーケティング会社経営者で自らも7回もの転職経験者。
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