「エスカレーション」とは?ビジネスシーンでの意味や使い方を解説

エスカレーション

「エスカレーション」はビジネスシーンでクレームやトラブルで事態が悪化する前に上司へ報告・相談をすることに使われます。コールセンター業界のような一般消費者向けサービスや問い合わせを受けているシーンでよく聞かれる用語です。

そこで本記事では「エスカレーション」について意味やどんな時に使う言葉なのかを例題で紹介、そしてエスカレーションの適切なタイミングでの使用方法をご紹介します。

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この記事の監修者
転職コンサル山田
コンサル山田

「エーマッチ」編集長。
ウェブマーケティング会社経営者。上場企業からスタートアップまで7回の転職経験を元に転職エージェントマッチングメディア「エーマッチ」を運営。
転職ノウハウだけではなくビジネス全般、キャリアアップ、独立起業、最新ビジネスニュースなどをお届け。

エスカレーションって何?

エスカレーションとは英語で「escalation」と書き、日本語にすると「段階的な拡大・上昇・増大・激化」等の意味合いが使用される用語です。

エスカレーションのことを「エスカレ」と呼ぶ方も多く、エスカレーションは上記以外での意味だけではなくて「深刻化」という意味を持ち、事態が深刻化した際に自分より上の立場の方から的確な指示や判断を仰ぐという意味もあります。

このエスカレーションは会社組織の中でボトムアップと呼ばれる方式で報告や相談を上司に行う際によく使用されるビジネス用語です。

※ボトムアップ方式=立場が下の人間が上司に向かって意見・報告をして最終的な決定は上司が行うこと

エスカレーションの大きな意味は事態が悪化する前に上司へ報告・相談をする

エスカレーションの大きな意味は事態が悪化する前に上司へ報告・相談をすることです。

例えばコールセンターだと理不尽なクレームを受けたり、製品に不具合があってクレームを受けたりすることもあります。

その際、オペレーターが必死に謝罪をしても受け入れてもらえず、ちょっとした口論が火種となり会社自体の評価を落とすことになる可能性もあるのです。

このような時、大切なことは自分よりも上の立場の方にクレームを報告し、指示を仰いでもらったり、代わりに責任者として電話口に出てもらったり等の対策を講じることです。

以上のようなことをエスカレーションと呼びます。

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【職種別用語】エスカレーションの意味

エスカレーションは上で紹介したように何らかの緊急事態が発生した際に、上の立場の方に報告・相談を行い直ちに事態を収束させることです。

しかし、このエスカレーションは業界によって根本の意味合いは同じでも対応が変わってきます。ここでは職種別でのエスカレーションの意味を見ていきましょう。

ビジネス用語でのエスカレーションとは

ビジネス用語でのエスカレーションは業務をしている際に自身では対応しきれないと判断できる事態が発生した時、直ちに上司へ報告・相談して事態の対応を引き継ぐという意味です。

例えば会社に電話がかかってきて出てみたら「会社が厚意にしている取引先からお怒りの電話」だったとして、この場合取引を担当している者であっても対応を間違えれば大きなクレームになります。

そうなる前に上司に事態を報告し、相談して対応を引き継いでもらうことで事態を収束させることができます。

IT用語のエスカレーションとは

IT用語でのエスカレーションはビジネス用語と同様、何か緊急事態が発生した時に直ちに上長に報告・相談をして対応を引き継ぐことです。

他にも「より大きな範囲に対象を広げること」としてエスカレーションという用語が使われることもあります。

しかし一般的には問題が発生した場合、自身で対処できず、上司に相談して対応を引き継ぐという方がエスカレーションの用語として認知されています。

コールセンター用語でのエスカレーションとは

コールセンター用語でのエスカレーションとは上2つと同じく、オペレーターのみの判断では対応できない場合に上司へ報告・相談して対応を引き継ぐことです。

それ以外にも詳しい方に質問をしたり、応対したところ自身の担当業務外の内容であれば担当部署に引き継ぐこともエスカレーションと言います。

コールセンターは特にクレームになりかねない問題が多発するため、働き始めてすぐはエスカレーションが必要となるシーンが多いです。

小売業界用語のエスカレーションとは

小売業界用語のエスカレーションとは今までの業界用語と同様に上司へ報告・相談して対応を引き継ぐことです。

例えばスーパーで働いている時に、お客様からいただいた「ねぇ!なんだかお会計が高いと思ったら同じ商品をこんなに買ったことになってるんだけど?」等のクレームに対する対応を間違えればお店自体の評価を落とすものになりかねません。

人によっては謝罪をすればまたスーパーを利用してくれるお客様もいますが、中には小さなクレームを大きくするお客様もいますよね。そのような方の対応はお店の責任者でないと対応しきれないため「あ、クレーム」と思ったらすぐに上司へ報告・相談して対応を引き継ぐ必要があるのです。

システムエンジニア(SE)用語のエスカレーションとは

システムエンジニア(SE)用語のエスカレーションとは、いままでと違い何かしらのトラブルが発生した場合速やかに顧客に報告することです。

自身では処理できないトラブルを、上司や顧客に報告・相談して最終的にどうするかの決定を委ねるという意味になります。

他にも自身の権限では決定できない問題を専門スキルを持つ上司等に報告・相談して決定を委ねるということもあります。

建設業界でのエスカレーション

建設業界でのエスカレーションとは受注している契約価格について資材費等の変動を反映させる契約条項のことです。

そのためエスカレーションというよりは「エスカレーション条項」と呼ばれるもので、物の価格変動に合わせて契約価格も変わると定めたものになります。

この条項を設定することで、建設業者が不利益を被るリスクを避けることができます。このように上5つとはエスカレーションの意味が違う使い方もあるのです。

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エスカレーションってビジネスシーンのどんな時に使う言葉?例題を4つ紹介

実際にエスカレーションをビジネスシーンで使ってみようと思っても、一体どんな時に使えば良いのか悩んでしまう方が多いかと思います。

そこで次はエスカレーションをよく使うビジネスシーンを例題として4つご紹介します。

①現在の対応では顧客が満足しないと考えられるため、上司にエスカレーションする

この意味は現在の対応では顧客の満足度が向上しないと自身は考えたため、上司に報告・相談して対応を引き継ぐという意味です。

例えばコールセンターでオペレーターがクレームに対して謝罪をしても顧客が満足していない様子である場合、これ以上こちらから出来ることがない……となった時速やかに上司に対応を引き継いでもらいます。

そうすることで事態を今以上に大きくすることなく収束することができます。

②システムに不具合が出たため、エンジニアにエスカレーションする

この意味はシステムに何らかの不具合が生じてしまったため、専門知識を持つエンジニアに報告・相談して対応を引き継ぐという意味です。

こちらはシステムエンジニア(SE)用語でも紹介した「自身では対応の判断がしきれないので専門スキルを持つ方に指示を仰ぐ」「対応を引き継いでもらう」ということですね。

会社等では「わが社で使用しているパソコンに不具合が生じたため、システムエンジニアに状況を報告し対応を引き継いでもらう」という使い方が多いかと思います。

③店内に対するクレームを受けたため、店長にエスカレーションした

この意味は、店内で何かしらのクレームを受けた店員さんが事態を大きくしないために店長へ状況を報告・相談してクレーム対応を引き継いでもらうという意味です。

以前はクレーム内容によっては原因となった店員さんと共に店長が謝罪をするというシーンもありましたが、最近では一貫して店長がすべての責任を負うということが多くなりました。

エスカレーションは対応を引き継いでもらう際に、責任も同様に相手に引き継いでもらうことになるため、報告・相談する際は「申し訳ありませんが」と丁寧に伝えることが大切です。

④〇月〇日に使う会議の資料に修正点があったため、上司にエスカレーションする

この意味は会議の資料をチェックしていたところ、修正点が見つかったため上司に報告・相談をして修正や会議の期日調整等の対応を引き継いでもらうという意味です。

会議の資料は大勢の方が閲覧し、取引先との商談にも必要なものであるため、間違っていたからと自身の判断で修正することはNGとなります。また会議まで期限が迫っていれば会議日を延期する調整を行うことも必要です。以上を踏まえてエスカレーションは自身の権限で決定しきれない問題を上司に報告・相談して対応を引き継ぐということです。

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エスカレーションを間違った使い方をしている例

ここまでエスカレーションについて意味や例題をご紹介しましたが、実際にエスカレーションという用語を使用している方の中には間違った使い方をしている方もいます。

そこで「エスカレーション?知ってるよ」という方も今一度、ご自身の使い方が間違っていないかを確認してみてください。

報告・相談

まず、何かしらの事態が発生した場合に上司へ報告・相談をする行為がエスカレーションではありません。

もちろんエスカレーションの意味には報告・相談をするということも含まれていますが、最終的に報告と相談で完結する場合はエスカレーションではなくて、ただの報告と相談なのです。

では、どのようなことをエスカレーションと言うのかというと「報告と相談をした後、今後の対応を上司に引き継ぐ」という流れを経た場合のみエスカレーションと言います。

そのため、報告と相談をしたけど結果的に問題の対応をする担当は自身で変わりがないという場合はエスカレーションではなくて、しっかりと対応を上司に引き継いだ場合のみエスカレーションという言葉を使うのです。

エスカレート

次にエスカレーションと似た言葉で「エスカレート」というものがあります。本来の意味はエスカレーションと同様「少しずつ拡大・激化していく」ですが、エスカレーションは業務上、何かしらの事態が発生した場合に上司へ判断や指示を仰いで対応を引き継ぐことです。

そのため、本来の意味や響きが似ていることからエスカレーションと混同して使用している方もいるのですが、使うシーンが違いますのでご注意ください。

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エスカレーションを使う適切なタイミングと使い方をレクチャー

最後にエスカレーションを使う適切なタイミングと使い方をレクチャーしますので、今後会社で何かしらの事態が発生した場合は「エスカレーションをお願いします」と伝えてみましょう。

注意点としてエスカレーションという言葉を知らないご年配の方も多いため、その場合は「このような状況になっているため、対応を引き継いでいただけますでしょうか。」と丁寧に伝えてくださいね。

レクチャー①クレーム対応

エスカレーションを使う適切なタイミングはクレーム対応時で「〇〇さん申し訳ありません。このような状況で私では対応しきれないため、ご対応をお願いできますでしょうか」と伝えます。

もちろん伝え方は人それぞれ自由ですが、けしてクレームをしている方の悪口は言わず淡々と上司に報告・相談をしましょう。

レクチャー②トラブル報告

エスカレーションを使う適切なタイミングはトラブル報告時で上記のように上司に報告・相談はもちろん顧客に対しても「〇〇様大変申し訳ありません。〇〇にトラブルが発生したため、今後についてご相談させていただけますでしょうか」と決定を委ねるように伝えます。

また上司や顧客にエスカレーションをしても問題が解決しない場合は、それより上の上司や専門スキルを持つ方にエスカレーションするということもあるでしょう。

まとめ

今回はエスカレーションの意味やビジネスシーンでよく使われる例題、間違った使い方についてご紹介しました。

エスカレーションは業務上、誰しも一度は使う可能性が高い用語です。またエスカレーションをせざるを得ない状況になった場合は上司にしっかりと状況報告をした後、対応を引き継いでもらうことに関して感謝を述べることも忘れないようにしてくださいね。

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「エーマッチ」編集長。
コンサル・マーケティング会社経営者で自らも7回もの転職経験者。
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