異業種転職が難しい理由とは?失敗事例から異業種転職を成功させるポイントを解説
「今までとは違う業種で働いてみたい」「憧れていた業界への転職を実現したい」と転職を考える際に「異業種への転職」を考える人も多いはず。
しかし異業種への転職は難しいといわれるのも事実です。
異業種への転職を考えているけど「異業種でもこれまでの経験は評価されるのかな?」「未経験でも異業種に転職できるのかな?」と不安に思っている人に異業種への転職を成功させる方法を解説します。
「エーマッチ」編集長。
ウェブマーケティング会社経営者。上場企業からスタートアップまで7回の転職経験を元に転職エージェントマッチングメディア「エーマッチ」を運営。
転職ノウハウだけではなくビジネス全般、キャリアアップ、独立起業、最新ビジネスニュースなどをお届け。
異業種への転職が難しい理由とは
異業種への転職は難しいといわれます。具体的にはどのような理由で難易度が高いのでしょうか。
ここでは異業種への転職が難しい理由について確認します。
これまでのスキルや実績・経験が評価されにくい
異業種への転職は、これまでのスキルや実績・経験が評価されにくいため、採用につながらないことがあります。
20代の若い世代であれば、スキルよりも熱意やポテンシャルを重視される傾向があるため、異業種でも比較的転職しやすい傾向です。
しかし30代からの転職は即戦力を求められるため、異業種への転職は難しくなっていきます。
採用側にとっても業種未経験者採用は慎重
採用する企業は業種未経験の応募者に関してはより慎重に採用を行います。
- 異業種でも関連性がある業種からの転職である
- よほどのやる気や秀でたスキルを持っている
というようなポイントを慎重に見極めて「この人なら業種未経験でも採用したい」と判断するのが通常だからです。
異業種転職理由をマイナスに捉えられてしまうことも
異業種への転職は、面接で志望動機を質問される可能性が高いです。
なぜ異業種へ転職したいのかしっかりと自己分析した上で準備しておかないと転職理由をマイナスに捉えられてしまうこともあります。
たとえば「やってみたかったから」「今の仕事より合いそうなので」くらいの理由であれば、ただの憧れでの転職と思われてしまう可能性大です。
異業種への転職を希望する理由を上手に伝えられなければ、「またすぐに諦める人」と思われかねません。
異業種への転職で失敗した事例
異業種への転職に失敗するケースもあります。
ここでは2つの代表的な失敗事例を紹介します。
業種特有の仕事の進め方・働き方のイメージができていなかった
失敗事例の1つめは、業種特有の仕事の進め方や働き方のイメージができておらず、入社してから後悔するケースです。
業界が変われば仕事の進め方や社風などがずいぶん違います。
しかし転職活動をするときに仕事内容ばかりを気にして、実際に働き始めたときのことまでイメージできていない場合も少なくありません。
実際の働き方を調べずに「この業界で働きたい」という憧れが先行すると、入社してから働き方や社風が自分に合わないと気づくことになります。
教育サポート体制が整っていなかった
2つめは教育サポート体制が整っていない会社に転職したため、仕事がなかなか覚えられないという失敗事例です。異業種に転職する場合、これまで身につけたスキルが役に立たないこともありますので、自分で積極的に学ぶ姿勢が大切になります。
しかし異業種からの転職者に教えるような教育体制が整っていない会社に転職すると、仕事を覚えるのも大変苦労しがちです。
きちんとした指導を受けられなければ、仕事のミスにつながることも。「もしかしたら向いていなかったのかもしれない」と自信をなくしてしまい、転職を後悔することになってしまいます。
異業種への転職のメリット
異業種への転職にはメリット・デメリットがありますので、異業種転職を検討している人は、あらかじめ把握しておきましょう。
まずは異業種への転職のメリットについて3つ挙げます。
メリット1:希望の仕事に就ける
異業種への転職の大きなメリットは、自分が希望する仕事に就けることです。
やりたかった仕事に就けたら、モチベーションもアップして毎日やりがいを感じられます。最初は仕事を覚えるのが大変かもしれませんが、希望の仕事であればストレスを感じにはずです。
メリット2:多方面のスキル・経験が身につく
異業種に転職すれば、これまでには経験することがなかった新しいスキルが身につきます。
前職で身につけたスキルや経験と組み合わせたら自分自身の市場価値が高まり、キャリアアップできる可能性も高まります。
メリット3:仕事環境が向上する可能性がある
異業種への転職に限ったことではありませんが、転職によって「残業がほとんどない」「年間休日が多い」など、仕事環境が向上する可能性があります。
特に、現在の業種で長時間労働など労働環境の悪さに悩んでいる人は、転職のメリットを実感できるはず。
労働環境が良い企業が多い業種をよく研究して、転職で良い環境で仕事ができるチャンスをものにするものアリです。
異業種への転職のデメリット
異業種への転職にはデメリットもあります。
どのようなデメリットがあるか、あらかじめ理解しておきましょう。
デメリット1:年収や雇用条件は下がるかも
異業種に転職すると、これまで身につけたスキルや経験を評価されにくいため、年収や雇用条件は下がるケースが少なくありません。
たとえ給与が下がっても、その業種の仕事に就きたいか検討する必要があります。
デメリット2:仕事を覚えるまでは大変
異業種に転職すれば、これまで身につけてきたスキルが役に立たない可能性があります。
新人として新しい仕事を一から覚えなくてはいけないため、仕事を覚えるまでは大変です。
デメリット3:人間関係を一から構築する必要がある
異業種への転職に限ったことではありませんが、転職すると人間関係を一から構築する必要があります。
初めての業種ではこれまでの常識や経験が通用しない場合もあるので、より大変になることも。
同期はいない可能性もあり、業種によっては自分より年下ばかりということも考えられます。
前職とは社内の雰囲気がガラッと変わることもあり、社風に慣れるまでは苦労するかもしれません。
異業種への転職がおすすめな人
異業種への転職には向き・不向きがあります。
次のようなタイプに当てはまる人は異業種への転職がおすすめです。
新たな環境に順応するのが得意な人
業界が変われば、職場の雰囲気や評価制度など、何もかも変わる可能性があります。
これまでに身につけてきた仕事のやり方は通用しないかもしれませんが、新たな環境に順応するのが得意な人であれば問題ないと考えられます。
前職の仕事のやり方を引きずらずにリセットして、新しい環境になじめる人であれば、異業種への転職がおすすめです。
自分で学び、動ける人
異業種に転職するとなれば、学ぶことがたくさんあるはずです。
入社後に教えてもらえるだろうと受け身になっていては、熱意が伝わりません。
面接前から資格取得の勉強を始めたり、入社後はわからないことを積極的に質問したりなど、意欲的に学べる人であれば異業種への転職は向いています。
夢や目標があり、そのための転職を考えている人
異業種への転職は、仕事内容や職場の雰囲気に慣れるまでが大変なことも。
しかし、夢や目標を叶えるための転職であれば、大きなストレスにはならずにモチベーションを維持できるでしょう。
また、異業種への転職は、一時的に年収が下がることもありますが、条件面よりやりがいを重視できる人は、異業種への転職が向いているといえます。
異業種への転職をおすすめしない人
異業種に転職して後悔する人もいます。
次のようなタイプに当てはまる人は異業種への転職が向いていない可能性があります。
現在の環境から抜け出すために転職したい人
給料や福利厚生への不満、社内の人間関係の不満などは働くうえで珍しいことではありません。
しかしはっきりした目標もなく、ただ現在の環境から抜け出すために転職したいと考えている人に異業種への転職は向いていません。
異業種に転職することによって年収や雇用条件は下がる可能性がありますし、人間関係が改善するとも限りません。
業界が変われば、そこで働く人のタイプも変わりますので、もっと合わない可能性もあります。
そもそも異業種に転職するとなると面接時に志望理由や、その業種に転職したい理由などを聞かれますので、現在の環境から抜け出すために転職したい人には、企業を納得させられるような理由を伝えられません。
人間関係の構築がストレスになる人
転職すると新しい職場になじめるように人間関係の構築が必要です。
自分から挨拶したり、わからないことを相談したりして、積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。
そのため職場で良好な人間関係を築けるように自分から努力できない人や、ストレスに感じてしまう人には異業種への転職が向いていない可能性があります。
異業種へ転職した場合、これまでの会社とはまったく社風が異なることもあるため、人間関係の構築が苦手な方にとってはストレスが大きくなりがちです。
人に聞く・アドバイスをもらうのが苦手な人
異業種に転職すると、これまでの経験が通用しないこともあります。
しかし、人に聞いたりアドバイスをもらったりするのが苦手な人は、自分のやり方に固執してしまい、転職先のやり方に順応できません。
これまでの仕事の仕方をリセットできず、アドバイスも聞けない人は、新しい職場になじめず成果を出すことも難しくなる可能性があります。
異業種転職が成功しやすい業界・職種とは
異業種転職が成功しやすい業界や職場もあります。
現職とは違う業界での仕事に挑戦したい人は、異業種転職がしやすい業界・職種を狙ってみるという方法もあります。
異業種からの転職が成功しやすい業種
IT・WEB業界は市場規模が拡大しているため、人材が不足しています。
システムエンジニアやプログラマーは求人数が多く、未経験可の求人もあるため、異業種からの転職がしやすいと言われています。
また人材サービス関連は、いろいろな業種を知っている経験が強みとなるため、異業種から転職しやすい傾向があります。
とくに人事を経験した人や、コンサルタントとしてアドバイスをおこなった経験がある人は、採用の可能性が高いです。
異業種への転職が成功しやすい職種
異業種への転職が成功しやすい職種には、「営業」「エンジニア」「経理」「人事」などがあります。
営業職は業種が変わっても仕事の本質は変わらないため、異業種へ転職する人は少なくありません。
これまでの経験やスキルが活かせるため、異業種へ転職しても即戦力として活躍できる可能性があります。
エンジニアはIT業種以外でもスキルを活かせます。
どのような業種の企業でも自社のWEBサイトを持っていたり、システムを使用していたりするため、エンジニア経験がある人は、社内のIT担当としてのチャンスも考えられます。
また、経理や人事などの職種は知識・経験があれば、どの業界でも通用します。
異業種でも経験を生かせるため、転職が成功しやすい職種といえます。
【年齢別】異業種への転職成功のためのポイント
異業種への転職は年代によって状況が異なります。
20代はポテンシャルを評価されたり、第二新卒向けの求人があったりするため、異業種への転職が成功しやすいと言われています。
一般的に35歳が転職リミットといわれていますが、職種によってはもっと年齢が低くても転職が難しくなることもあります。
しかし、専門スキルが重視される場合は年齢が高くても転職は可能です。
ここからは、年代別に異業種への転職成功のためのポイントを見ていきましょう。
20代で異業種に転職するためのポイント
20代は未経験の仕事でもポテンシャルを評価されるため、異業種への転職もチャンスがあります。
「今の仕事とは違う業種で働きたい」「スキルを生かすために別の業種を経験したい」という人は、20代のうちに挑戦すると有利になる可能性大です。ただし20代だからといって、関連性がまったくなさそうな仕事への転職を重ねると、スキルが身につかないだけでなく、応募先の企業もマイナスな印象を受けるでしょう。
転職を検討する際は、キャリアプランを明確にしておくことが重要です。
30代で異業種に転職するためのポイント
30代も異業種への転職は可能ですが、20代とは状況が異なります。30代の場合はこれまでの業種での経験や知識を生かすことが求められます。
そのため、今までの経験がまったく生かせない企業に応募しても採用につながらない可能性があります。
自分の持つ経験やスキルを異業種の会社でどのように生かせるか明確にして、アピールすることをオススメします。
40代で異業種に転職するためのポイント
40代の異業種転職は、業界を変えても職種は同じというパターンが多い傾向です。
異業種への転職でも、自分の経験やスキルがどのように生かせるかアピールすることが必要になります。
また、40代の転職はマネジメント経験がある人が有利なため、転職を成功させるためにはマネジメント経験が必須といえます。
異業種への転職に関するよくある質問
異業種への転職に関するよくある質問をまとめています。異業種への転職について疑問や質問があるかたはぜひご覧になってください。
異業種への転職について まとめ
20代は熱意を買われて異業種や未経験の仕事でも採用されやすい傾向がありますが、30代や40代は、これまでに培った経験・スキルをどのように生かせるかということが重視されます。
特に40代になればマネジメントポジションの求人が増えてきますので、異業種転職を成功させるためにはマネジメント経験が必須になるでしょう。
異業種転職のメリット・デメリットや、年齢別のポイントなどを踏まえたうえで、自分のスキルを他の業界で生かしてみたい人は、異業種への転職を検討してみてはいかがでしょうか。