総務に転職したい!未経験者だけでなく経験者も難しい?向いている人の特徴、必要な資格、成功のポイントを徹底解説します
総務部は事務や管理を行う部門で、幅広い業務を担当します。
ただ営業職や開発職より募集枠が少ないため、「総務への転職は難しい」と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。しかしこれまでのキャリアやスキルをアピールできれば総務への転職は不可能ではありません。
この記事では総務経験者の転職・未経験から総務への転職について重要なポイントを解説しています。ぜひ参考にしてください。
「エーマッチ」編集長。
ウェブマーケティング会社経営者。上場企業からスタートアップまで7回の転職経験を元に転職エージェントマッチングメディア「エーマッチ」を運営。
転職ノウハウだけではなくビジネス全般、キャリアアップ、独立起業、最新ビジネスニュースなどをお届け。
総務ってどんな仕事?業務内容ややりがいとは
総務の仕事は多岐に渡ります。
とくに部署が少ない中小企業では、かなり幅広く担当することになるケースが多いです。
まずは総務の具体的な業務内容ややりがいについて確認しておきましょう。
総務の具体的な業務内容
総務は会社の運営に欠かせないあらゆる業務を担当します。
組織がスムーズに動くようにさまざまな業務を担当しますので、業務範囲が明確に決まっていない場合も多いものです。
総務の一般的な業務内容には、次のようなものがあります。
- 備品管理
- 固定資産管理
- 文書管理
- 社会保険・雇用保険手続き
- 安全衛生管理
- 文書作成
- 株主総会関連
- 社内外の慶弔業務
- 電話・来客対応
- 社内行事の企画・運営
また、総務が採用などの人事業務や、給与計算などの経理業務をおこなう企業もあります。
総務のやりがいについて
総務はあらゆる部署や人と関わる仕事です。
社内のメンバーから感謝されることも多いため、人をサポートする喜びがあります。
会社組織を裏で支えているため、どの部署より会社を全体で見ることができて、仕事のやりがいを感じやすい仕事と言えます。
総務に転職するメリット
総務は「縁の下の力持ち」のような仕事ですが、総務に転職することにはどのようなメリットがあるのでしょう?
総務で働く以下3つのメリットについてご紹介します。
- 経営層の近くで仕事ができる
- 様々な部署・人と知り合うことができる
- 働きながらスキルアップできる
総務に転職するメリット1:経営層の近くで仕事ができる
総務は経営層の参謀という役割も持っています。
経営層の意思決定に必要な情報収集・分析やアドバイスも総務の仕事です。
経営層の近くで仕事ができるため、大きなやりがいを感じやすいと考えられています。
総務に転職するメリット2:様々な部署・人と知り合うことができる
総務の仕事は多くの部署と関わることになるため、たくさんの人と知り合うことができます。
自然と顔が広くなり、コミュニケーションスキルも磨かれていく、と実感している総務担当者は多いです。
総務に転職するメリット3:働きながらスキルアップできる
総務の業務は多岐にわたるため、働きながらさまざまなスキルが身につきます。
パソコンスキルや企画力、交渉力、ビジネスマナーなどが自然にできるようになるのは大きなメリットです。
また、経理業務を総務が兼ねる場合、仕事をしながら経理のスキルも身につきます。
働きながらスキルアップできることも総務に転職するメリットと言えます。
総務に転職するデメリット
総務の仕事には向き・不向きがあるため、人によってはデメリットに思える場合もあります。
総務に転職するデメリットを確認し、自分に合うか確認しておく必要があります。
以下3つのデメリットを紹介しますので参考にしてください。
- 業務内容が多岐にわたるのでストレスあり
- コミュニケーションが不可欠
- 緊急事態発生時は帰れない可能性大
総務に転職するデメリット1:業務内容が多岐にわたるのでストレスあり
総務が担当する業務は多岐にわたります。
未経験からの転職はもちろんですが、前の会社で経験があったとしても業務範囲が異なる可能性があるため、膨大な量の仕事を覚えなくてはなりません。
さまざまな仕事を並行してこなすことが苦手な人は、ストレスに感じがちです。
総務に転職するデメリット2:コミュニケーションが不可欠
総務はさまざまな部署や社外の人と接するため、コミュニケーションが不可欠です。
人と接することが好きな人や、誰とでも気持ちよくコミュニケーションがとれるスキルがある人にとっては苦にならない仕事ですが、コミュニケーションが苦手な人にとっては負担に感じる可能性が高いです。
総務に転職するデメリット3:緊急事態発生時は帰れない可能性大
緊急事態が発生したときは総務が対応するため、急な残業が発生することもあります。
他の社員は帰っても、総務は事態が落ち着くまで帰れない、ということがあるでしょう。
急な残業が多い可能性があることも総務のデメリットと考えられています。
総務に向いている人の特徴
未経験から総務への転職を希望している人は、自分が総務に向いているのか確認しておきましょう。
総務に向いている人の以下3つの特徴をご紹介します。
- 人と関わるのが好き
- マルチタスクが得意
- 必要を感じ取り、先回りして動ける
人と関わるのが好き
総務はさまざまな部署の人と接する機会が多い仕事なので、人と関わることが好きな人に向いています。
性別や年齢に関係なく、誰とでもスムーズなコミュニケーションが取れる人にとってはやりがいを感じる仕事です。
頼まれごとをされたときに、嫌な顔をせずに気持ちよく引き受けられる人は、社内で頼りにされる存在になれる可能性も…。
総務の仕事は会社の業務を円滑に進めるため、人をサポートする仕事です。
誰かのために役立つことに喜びを感じられる人に向いています。
マルチタスクが得意
総務の仕事は多岐に渡るため、さまざまな仕事を同時にこなすマルチタスクが得意な人に向いています。
突発的な業務が次々と入ることもあるため、優先順位を考えながらさまざまな仕事を並行してスピーディーにこなす力が必要です。
必要を感じ取り、先回りして動ける
総務はどの部署より会社全体を見ることができる部署です。
自分で必要を感じ取り、先回りして動けるように気配りが必要です。
たとえば備品が切れていることを誰かに指摘される前に発注するなど、他部署の人たちがスムーズに業務をおこなえるように気配りして、指摘される前に自分から動けるような人が総務に向いています。
総務に転職するために必要な資格
総務に転職する場合、必ずしも資格が必要というわけではありません。
ただ資格を持っていることで、総務の仕事に必要な能力があることを証明できるため、持っていて損はありません。
総務の仕事に関係ある仕事を紹介しますので、転職したい会社にとって必要と思われる資格があれば、転職活動を有利に進めるために取得を検討してはいかがでしょうか。
中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業の経営課題を分析して助言し、解決に導く役割を持つ国家資格です。
中小企業診断士の資格を持っていれば、経営全般に関する知識を身につけているとみなす企業は多いです。
試験は1次試験と2次試験があり、令和3年の合格率は1次試験が36.4%、2次試験が18.4%となっています。
合格するには約1,000時間の勉強が必要といわれている難関試験なので、受験する場合はスケジュールを立てて勉強時間を確保する必要があります。
公式サイト 一般社団法人中小企業診断協会
社会保険労務士
社会保険労務士の資格を持っていれば、労務管理や社会保険に関する専門家として総務にふさわしい人材とみなされる可能性大です。
社会保険労務士の資格を持つ人が総務にいれば、職場環境を整備したり、社員の労働相談に応じてサポートしたりできます。
会社にとっても労働関係の法律知識を持つ社員が総務にいることは安心要因となるはず。
社会保険労務士も国家資格で、令和2年の合格率は6.4%の難関試験ですが、取得する価値のある資格です。
公式サイト 社会保険労務士試験オフィシャルサイト
日商簿記検定
簿記の知識は経理だけでなく、総務にも必要です。
簿記の知識があれば、会社の経済活動の流れがよくわかります。
備品の管理や社員の賃金の管理など、総務の仕事も簿記の知識が関係するので持っておいて損はありません。
簿記の資格をアピールするなら日商簿記検定2級以上を持っておきたいものです。
2級の試験は年に3回実施されるので、都合がいいタイミングで受験してみてはいかがでしょうか。
公式サイト 簿記・商工会議所の検定試験
総務の転職を成功させる4つのポイント
総務への転職が難しいといわれる理由を知り、対策をしておくことが成功につながります。
総務の転職を成功させるポイントを4つご紹介します。
ポイント1:他業界も含めて幅広く求人探しを
総務は会社にとってなくてはならない部署ですが、人員は多くないため、一般的には欠員が出ないと募集されない傾向があります。
また欠員が出たとしても、経理部など他部署からの異動で欠員を補充するケースもあります。
求人数自体が少ないため、前職の業界だけでなく他業界も含めて、幅広い業界を検討するのが総務の転職を成功させる秘訣です。
求人情報は常にチェックしておきましょう。
ポイント2:業種研究は徹底的に
総務部は経営層の近くで働き、情報を収集して提供する役割があります。
そのため、総務の転職を成功させるには、会社や業界全体の知識が必要です。
信頼度を高めるためにも業種研究は徹底的におこなうことが、総務の転職を成功させるためのポイントです。
ポイント3:必要な資格を取得する
総務は資格が絶対に必要な仕事ではありませんが、転職するとなると知識やスキルを証明するためにも資格を持っている方が有利です。
たとえば先ほどご紹介した日商簿記検定2級であれば、仕事をしながら身についている知識もあるでしょうから、比較的取得しやすいと考えられます。
年に3回受験のチャンスがあるため、取得しておくことをおすすめします。
難易度が高い資格はしっかりと勉強時間を確保する必要がありますが、合格しやすい資格に比べると保有者が少ないため、転職するにあたってアピールポイントとなるでしょう。
総務は営業などに比べると自分の実績をアピールしにくいため、資格を取得しておくことをおすすめします。
ポイント4:転職エージェントに相談・応募
総務への転職を成功させるために、転職エージェントを利用するのもアリです。
転職エージェントでは
- 希望と適正に応じた求人を紹介
- 求人に応じた応募書類の作成と面接対策
などのサポートをしてもらえます。
総務といっても募集する企業によって求めている人材は異なります。
転職エージェントは応募企業がどんな人材を求めているのか、応募企業では総務部はどのような職場環境なのか、といった情報を豊富に持っています。
また転職エージェントは転職サイトには載っていない求人を扱っていることも多いです。利用している転職エージェントだけが扱っている求人なら競争率は低め、というケースもあるので転職エージェントの利用はおすすめです。
未経験から総務に転職する方法
狭き門である総務に未経験から転職することも不可能ではありません。
しかし総務は求人数が少ないうえに、実務経験を重視する傾向があります。
可能であれば、社内異動などで1年でも総務に関わっておいた方がよいのですが、そうもいかない場合は未経験から総務に転職するためのポイントをご紹介しますので、参考にしてください。
- 総務関係の仕事にも関わってきたことをアピール
- 未経験なら有利な資格を取得する
- 紹介予定派遣で未経験から総務を目指す
- ベンチャー企業を狙う
総務関係の仕事にも関わってきたことをアピール
総務の仕事は幅広いため、総務部ではなくても総務関係の仕事に関わっている可能性があります。
経理部や人事部、営業事務や秘書などを経験した方は、総務関係の仕事にも関わってきたことをアピールしましょう。書類作成スキルやパソコンスキル、電話応対や来客対応などの経験も総務の仕事に活かせます。
また前職で培ったコミュニケーション力や交渉力などのスキルが総務部の仕事に活かせるときは、アピールしておきましょう。
未経験なら有利な資格を取得しよう
総務未経験の人は、どの程度のスキルがあるか伝わりにくいため、転職に有利な資格を取得しておきましょう。
資格を取得しておけば、客観的にスキルを証明できますので、未経験でも評価される可能性があります。
紹介予定派遣で未経験から総務を目指す
未経験の仕事に挑戦する場合、紹介予定派遣から正社員を目指すという方法もあります。
紹介予定派遣とは、最長6ヶ月の派遣期間終了後、本人と派遣先の双方が同意すれば、正社員として直接雇用される働き方です。
最初の雇用形態は派遣社員ですが、派遣期間中に仕事内容や職場の雰囲気が自分に合っているか見極められるというメリットがあります。また企業にとってもミスマッチを防げて、早期離職を減らすことができるのです。
紹介予定派遣は未経験の仕事につきやすいため、最初から正社員として雇用されることにこだわりがなければ検討してみてはいかがでしょうか。
ベンチャー企業を狙う
ベンチャー企業の場合、少ない従業員で運営しているため、ひとりで総務・人事・庶務など広く関わることも多いものです。
また、ベンチャーへの転職を希望する人でバックオフィスを経験している人は少ない傾向なので、総務経験はなくても人事や経理などの経験がある人や、幅広い業務に関わる意欲がある人は、未経験でもチャンスがあると考えられます。
総務への転職に関するよくある質問
総務への転職に関するよくある質問をまとめています。総務への転職について疑問や質問があるかたはぜひご覧になってください。
総務への転職 まとめ
総務はさまざまな部署の人たちと関わり、頼りにされることも多いため、人をサポートすることが好きな人にとってはやりがいのある仕事です。
幅広い仕事をこなすため、働きながらスキルが身につくことも総務の仕事の魅力です。
総務への転職を希望している方は、業種研究の徹底や資格の取得をおすすめします。
また未経験であっても総務に関係する仕事に関わったことをアピールすれば、採用につながりやすくなります。
転職エージェントの利用や紹介予定派遣も検討して、採用を勝ち取りましょう。