圧迫面接を乗り切るための対策や対処法など完全解説マニュアル
- 「何か有効な圧迫面接対策はないかなぁ?」
- 「そもそも企業は何で圧迫面接してくるの?」
- 「圧迫面接されやすい人の特徴は?」
このような疑問はありませんか?
私も何度か圧迫面接を受けた経験があるので、気持ちは非常に理解できます。
圧迫面接という採用手法があることを事前に知っていても、いざ本番になると中々上手く対処できないもの。
結論をいえば、1回や2回の面接練習のみで圧迫面接を突破する対応力を身に付けるのは難しいです。
どの企業の圧迫面接を受けても、ある程度の対応ができるようになるには継続的な取組みが必要でしょう。
この記事では、圧迫面接の具体的な対処法や質問に対するベストな切り返し、普段からできる圧迫面接対策を中心に紹介していきます。
圧迫面接に関する基本的な内容は網羅していますので、ぜひ参考にしてみてください。
「エーマッチ」編集長。
ウェブマーケティング会社経営者。上場企業からスタートアップまで7回の転職経験を元に転職エージェントマッチングメディア「エーマッチ」を運営。
転職ノウハウだけではなくビジネス全般、キャリアアップ、独立起業、最新ビジネスニュースなどをお届け。
圧迫面接とは?
威圧的な態度を取ったり、敢えて回答しづらい質問をぶつけたりして、応募者の対応力やストレス耐性などをはかる採用手法が圧迫面接です。
圧迫面接は求職者からマイナスに捉えられる場合が多いので、企業のイメージを下げてまでなぜ実施する必要があるのか疑問に思う人も多いでしょう。
就活時ではありますがリクナビの調査によると、圧迫面接を過去に受けた経験のある人は求職者の6割以上。
大多数の就活生が一度は圧迫面接を経験しているといえます。
一定のリスクもある圧迫面接は、本当に企業にとっておこなう意義がある採用手法なのか?実態を詳しく見ていきましょう。
圧迫面接を乗り切るために知っておこう「聞いてはいけない内容」
厚生労働省によると、採用選考は以下2つの考えで実施することを基準にしています。
- 応募者の基本的人権を尊重すること
- 応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと
企業は求人職種の職務を遂行できるかを採否の主な基準にして、応募者の適性・能力と関係がない事項で採否を決定しないという決まりがあります。(参考 :厚生労働省「公正な採用選考の基本」)
例えば、
- 出身大学を何流大学と罵る学歴批判
- 収入や地位の批判に該当する「だから出世できないじゃないですか?」など
いくら圧迫面接でも、こういった類の質問は不適切発言に該当します。
面接で採用担当者が聞いてはいけない質問の「一覧と事例」は「厚生労働省 就職差別につながるおそれのある不適切な質問な例」に記載されています。
もし圧迫面接中に不適切な質問ばかりされるようであれば、面接官からの攻撃と捉えて自分の身を守ることが大切です。
圧迫面接乗り切るための対策!圧迫面接の意図4パターン
圧迫面接は、何かしら意図があっておこなわれる場合がほとんどです。
しかし単に応募者をおとしめる目的で悪意を向けてくる企業もあります。
「面接中に圧迫面接されてる?」と思ったら、意図的なのかそれとも攻撃なのか、どちらかをしっかり見極めることが大切です。
ここでは、主な圧迫面接の意図を4パターンに分けて紹介します。
圧迫面接の意図を事前に知っていれば、面接中に余計なプレッシャーを感じず冷静な対処につながるので、ぜひ参考にしてみてください。
圧迫面接パターン1:明らかな悪意
前節で取り上げた「厚生労働省:就職差別につながるおそれのある不適切な質問例」に似た質問が多ければ、悪意のある圧迫面接と判断ができるでしょう。
不適切な質問を企業側が平然としている時点で、まともな面接とはいえないからです。
- 出身大学への駄目出し(自社には見合わない大学だと見下す)
- 浪人したことを責める
- セクハラ・パワハラ発言
- 経歴への「一方的」なダメ出し
このような類の質問が多発する場合、圧迫面接でというよりも単なる見下しや人格否定と何ら変わりません。
圧迫面接とは名ばかりで応募者に対して攻撃をしかけているだけなら、まともにやり取りせずに選考を辞退しましょう。
この記事では「面接で聞くべきではない質問をされた場合の対処法」「面接途中で退出する方法」を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
圧迫面接パターン2:ストレス耐性を確認する
特にノルマのある営業職や納期が厳しいIT技術などは、一定のストレス耐性が必要です。
圧迫面接によって模擬的にストレスがかかる状況を作り出し、応募者の反応や対応をみることでストレス耐性を判断します。
面接官が終始イライラした態度を見せるなど、動揺を誘うような素振りが目立つ場合は、ストレス耐性を確認しているサインといえるでしょう。
圧迫面接パターン3:柔軟性・問題対応力を確認する
圧迫面接は、業務上で予想外のトラブルが起こった場合などでも、臨機応変に対応できる人材かを見極める目的もあります。
面接中に敢えてひねった質問をすることで、応募者が急な状況の変化に対してどのように対応して解決まで導くかを確認します。
例えば「上司から仕事を辞めた方が良いと提案された場合、あなたならどうしますか?」などの質問が該当します。
突然の質問に動揺せず、冷静に対応方法と解決策を示せば、柔軟性や問題解決能力の点で高く評価されるでしょう。
圧迫面接パターン4:応募者の本音・本質を探る
面接は質問内容がある程度で決まっているので、応募者が想定質問に対する回答を事前準備している場合がほとんどです。
そのため、決まりきった質問内容だけでは、応募者の本音や表に出ていない本当の性格が読み取れない場合が多いでしょう。
圧迫面接で応募者にとって想定外の質問や対応をして、動揺や混乱を誘発することで理性によって抑えられている素の部分を見極めようとします。
圧迫面接を乗り切る対処法と切り返しを実例で紹介
圧迫面接は感情的にならずに冷静な対応をできるかで評価がハッキリ分かれます。
どのような場面や質問においても、ポジティブな姿勢を崩さず、自分の考えの軸をぶらさなければ上手く対処できるでしょう。
終始面接官の態度が悪い
この場合に最も有効なのは、面接官は圧迫面接のために敢えて横柄な態度を取っていると思い込むことです。
面接官の言動を真に受けると、面接中は辛い心理状態で耐え続けなければいけません。
その結果、本来アピールすべき内容を上手く伝えられず、不完全燃焼のまま面接を終えてしまうでしょう。
もし面接官が悪態をついても、心の中で「来た!圧迫面接だなぁ」と思えるぐらい気持ちに余裕ができればベストです。
「なぜ?」と質問を深堀りしてくる
回答に対して「なぜ?」と深掘りしてくる時は、以下の3通りの原因が考えられます。
- 回答が抽象的
- 論理的に話せていないので上手く伝わっていない
- あらかじめ準備した回答を丸暗記して表面的に話している
圧迫面接は応募者の痛い部分をつき対応力をみる性質上、面接官は回答内容に少しでも矛盾点があると確実に揚げ足を取ります。
まずは面接官の全ての質問に対して、具体例を交えながら伝わりやすいように論理的に回答する癖をつけましょう。
「なぜ?」の答えに明確な正解はありません。
これまでの回答内容と軸さえぶれていなければ、基本的にどう回答するかは自由です。
あまり身構えず、自分の考えに自信を持って答えましょう。
「なぜ?」の問いに沈黙してしまう行為こそが、面接の評価を下げてしまいます。
この記事では、論理的に話せるようになるための練習方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
経歴に対してつっこまれる
転職歴やブランク期間について聞かれたら、以下のように回答するのがベストです。
面接官 : 「随分、転職回数が多いですね。」
あなた : 「その点に関しては、非常に反省しております。」「今回はいつも以上に自己分析の質を上げ、本当に最後の職を見つける意気込みで面接に臨んでいます。」
面接官は嘘を確実に見抜きます。
変に言い訳をすると、つじつま合わせに苦労しますし、ほとんどの場合はボロが出ます。
過去の過ちは素直に認め、今努力していることやこれからの意気込みを中心に伝えるのが適切な対処方法です。
それで不採用になるなら、単純に縁がなかったと開き直りましょう。
会社・仕事に向かないのでは?
「うちの会社には合わないなぁ」
「入社してもすぐ辞めるでしょ?」
こんな質問をされたら、ほとんどの人がネガティブな気持ちになるでしょう。
しかし、圧迫面接は感情的になった時点で評価が下がります。
吐き出したい気持ちをグッとこらえて、一旦は面接官の考えを受け入れましょう。
その上で、自分が入社後に活躍できる根拠を納得できる形で伝えていくことが大切です。
おすすめの回答例は以下の通りです。
「貴重なご意見ありがとうございます。」
「○○事業においては、前職の経験が活かせると思っておりますがいかがでしょうか?」
会社側の考えを受け入れた上で活躍できる根拠を伝え、最後は質問する形で終わっているので謙虚な印象を与えることができます。
これまでの努力を真向否定
「そんな簡単な資格取っても、うちの仕事では使えないよ。」
「今時パソコンなんて誰でもできるからなぁ。」
今までの努力をアピールしても、圧迫面接の場では真向から否定される場合も多いです。
対処方法としては、努力の押し売りをしないこと。
仕事を最も知る企業側が価値がないと判断した努力であれば、おそらく圧迫面接とは関係なく、その通りなのでしょう。
実際のところ、応募先企業の仕事内容については、入社前であれば表面的な情報しか知りようがないので無理に弁解しないことが大切です。
相槌を打つなどして同調していれば、自然と次の話題に移っていく場合が多いでしょう。
面接で聞くべきではない質問をされた場合
セクハラ・パワハラ発言につながりかねない、面接で聞くべきではない質問を何度もされる場合は以下のように答えてみましょう。
「面接とは直接関係ない、個人的な内容については答えないようにしています。」
「御社だけではなく全ての応募先でそうしているので、ご理解いただければ幸いです。」
こういった類の質問は面接ではなく不適切発言に該当するので、そもそも回答を断っても問題は全くありません。
それでも不適切な質問を続けてきたり、回答を断り面接の空気が一変したりするなら、問題がある企業と判断できるでしょう。
開始5分も経過しないうちに退出して結構です
面接を開始してすぐに退出を促されたら、以下のように答えるのがおすすめです。
「私の発言に何か問題がございましたら、大変申し訳ありませんでした。」
「あと5分だけ、アピールの時間をいただけませんでしょうか。」
実際の商談でも、顧客がほとんど説明を聞かず「いらない」と断わられる機会は多いです。
言葉を真に受けて「そうですか」といって、帰る営業社員はいません。
他の職種でも上司から「やる気がないなら帰れ」といわれて、本当にそそくさと帰ったら問題になりますよね。
もし、圧迫面接で面接官から促されるまま即退出したらほぼ不採用確定でしょう。
まずは自分の対応に問題があった点を認めて、その上で少しでもアピールの時間をもらえるようにお願いするのが正しい対処法です。
ただし、何度も退出を促される場合は、本当に帰ってほしい可能性があるので見極めは必要でしょう。
圧迫面接を乗り切るためにこれだけはやっていけないNG行為
これから紹介するNG行為を圧迫面接中にやってしまうと、一発退場や選考が不採用になるだけでは済みません。
最悪の場合、事件にまで発展して自分の首を絞めることになるので絶対に辞めましょう。
キレて物に当たる
当然ですが、面接中にキレてしまうのはNGです。
もっと厳密にいえば、物に八つ当たりするのだけは辞めてください。
言葉で感情を表現するだけなら、程度によっては情状酌量の余地があります。しかし、キレて物に当たった時点でこちらが完全に不利になってしまうでしょう。
最悪の場合は刑事事件扱いにされ、会社はクビ、学校は退学扱いとなる可能性があるので注意してください。
最悪な企業のために、人生を棒に振ってしまうのは勿体ないことです。
面接官の態度に感情的になる
圧迫面接でどのような質問を受けても、感情的になった時点で評価は下がってしまいます。
仕事で感情的になると、関係性を崩壊させる大きなきっかけを作ってしまうからです。
実際の業務で、自分が感情的になったことを想像すると分かりやすいでしょう。
例えば顧客と商談している際に、高圧的な態度を取られたことに対して反抗したら、その時点で信頼関係は崩れてしまいます。
職場の人間関係でも同じです。
衝突が増えるほど、チームワークは維持できなくなります。
面接は正味1時間程度。
その短い間でも感情的になってしまうと、働いている中でトラブルを起こしやすい人物と判断されてしまうでしょう。
30秒以上の沈黙
回答に少し詰まってしまうぐらいは誰にでもあるので、選考でマイナス評価される場合は少ないでしょう。
しかし分単位で沈黙してしまうと、基本的なコミュニケーション能力に加え、とっさの対応力が弱いと判断されます。
実際の仕事では圧迫面接の質問とは比較できないほど、想定外のトラブルが起こります。
特に顧客との大切な商談中や電話応対中に長く沈黙してしまうと、気まずい空気が流れるだけではなく、険悪な空気さえ流れるでしょう。
圧迫面接を乗り切って転職成功を掴むために普段からできる取組み
数回の面接練習だけでは、圧迫面接で上手く対応できるようにはなりません。
圧迫面接を突破して転職成功を掴むためには、継続的な取組みが必要です。
ここでは、圧迫面接を上手く乗り切るために普段からできる取組みを紹介していきます。
すぐに結果が出なくても、ぜひ諦めずに続けてみてください。
論理的に説明する練習をする
回答内容に矛盾があり、説明も分かりづらいからこそ圧迫面接でつっこまれてしまいます。
質問の意図をしっかり理解して、回答内容がズレないようにする練習が必要です。
具体的なトレーニングは以下の通りです。
- 抽象的な言葉を具体的に変える
- 物事を先入観で捉えない
- 質問の本質を捉える
- 骨格となる主張と理由を作る
抽象的な言葉を具体的に変える
普段の会話の中で使う抽象的な言葉を、具体的な言葉に「理由込み」で置き換える習慣をつけましょう。
具体的な言葉に変化する例 :
「早めに」取り掛かります→「具体的に何月何日」までに取り掛かる。その理由は?
「今できること」に集中します。→「具体的に今できることとは?」そう判断した理由は?
早めの基準は人によって全く違いますし、今できることと伝えただけでは何をやるのか分かりません。
具体的な期日や内容を理由と一緒に伝えれば、聞き手はイメージを持ちやすくなります。
物事を先入観で捉えない
物事を先入観だけで捉えずに、一旦は自分の考えを批判する習慣をつけることで、偏った思考の癖を改善できます。
意識的に自分の考えを批判的にみる思考を、クリティカルシンキングといいます。
このクリティカルシンキングを鍛えれば、客観的に物事を判断できるようになり論理的思考力の向上につながります。
クリティカルシンキングは、書籍や本を読んだだけでは中々身に付きません。
実践で徐々に身に付いていくものなので、普段の生活から意識してみましょう。
質問の本質を捉える
質問には必ず本質があります。
例えば、面接で「あなたの趣味は何ですか?」と聞かれたとします。
この時に面接官が知りたいのは、あなたの趣味が何かではありません。
趣味を活かして、仕事にどう貢献できるかを知りたいのです。
(NG例)
面接官 : 「あなたの趣味は?」
あなた : 「本を読むことです。」
(OK例)
面接官 : 「あなたの趣味は?」
あなた : 「本を読んで色々な教養やスキルを身に付けることです。」「最近は○○関連(業務に関係する本)を読みました。」
(OK)例であれば、趣味を仕事につなげられるイメージを持てるでしょう。
普段から誰かに質問された時には、問いの内容と背景を分析して、結局何を聞きたいのか考えてみてください。
こういった習慣をつければ、面接でも質問の意図を正確に捉えられるようになります。
質問によって回答の軸がブレないように、骨格となる主張と理由を作る
正確に自分の主張を伝えるためには、明確な理由がセットになります。
主張に対して理由がしっかりリンクしているほどグンと説得力が増し、聞き手は話を理解しやすくなるでしょう。
就活において骨格となる主張と理由を作るには、徹底的な自己分析が必要です。
自己分析があいまいだとアピールポイントが定まりづらいので、質問内容によって主張や理由がぶれやすくなってしまいます。
新しいスキルを身に付けたなど自分の中で何かしら変化があったタイミングで、つど自己分析を実施して骨格となる主張と理由をアップデートしていくことが大切です。
態度が悪い人の言動を受け流す習慣をつける
日常生活を送る上で、最低でも1人は無愛想な人や態度が悪い人に出会うと思います。
電車の中でも職場でもどこでも構わないので、他人からの言動でイライラしたら受け流す練習をしてみてください。
圧迫面接で上手く対応できる人は、他人のネガティブな言動を無理なくスルーできます。
生まれつきあまり細かいことを気にしない人もいますが、多くの人は人生で色々な経験を積む過程でスルースキルが身に付きます。
圧迫面接で面接官の言動に影響されてしまうのは、単純に経験不足の可能性もあるので、普段から可能な限り他人の言動を受け流す習慣をつけてみてください。
あくまで私の場合ですが、日常生活から他人の言動を受け流す練習をしたら、圧迫面接中の小言程度であれば短期間でも無理なくスルーできるようになりました。
圧迫面接の練習を不定期開催する
圧迫面接の練習をする日時と場所を決めず「不定期」でおこなえるように、協力してもらいましょう。
心と身体の準備が万全でない状態であれば、より本番に近い状況を再現できます。
逆に具体的な日時と場所を決めてしまうと、変に身構える分、本番の心理状態からはほど遠いので効果が薄くなってしまいます。
圧迫面接は「いつ・どの企業が」実施するか分かりません。
突発的に対応することになっても、無理なく受け答えできるように精神的な余裕を持てる状態を作りたいところです。
圧迫面接のイメトレをする
圧迫面接の練習は有効とはいえ、スケジュールや場所の確保などの問題で開催できる回数にどうしても制限があります。
そこでおすすめなのが、圧迫面接のイメトレです。
圧迫面接の様子を脳内再生させて、入・退出や質疑応答をシュミレーションします。
そうすることで、過去に実施した圧迫面接の練習で指摘された内容もしっかり定着し、本番で力を発揮しやすくなります。
たとえ、イメージトレーニングでも反復練習こそが対応力を付ける近道です。
圧迫面接の練習が終わった直後など、相手からの指摘内容が鮮明なうちに、何度もシュミレーションするのがおすすめです。
圧迫面接ではなく攻撃だと感じたら退席しても問題ない?
結論、退席しても問題はありません。
企業と応募者は就活において同等の立場です。
企業側が面接途中で切り上げる場合があるように、応募者側から申し出て退席するのは問題ないでしょう。
何度も取り上げていますが、人格否定・セクハラやパワハラ・差別につながる発言は面接においては禁止されています。
面接官が不適切な発言をして攻撃をしかけてきたら、一言断りを入れて退席しましょう。
断り方の例 :
「面接中に差別と捉えられる発言が多くありました。」
「そのような企業には入社を致しかねるので、選考をこのまま辞退させていただきます。」
「圧迫面接を通してストレス耐性を確認しているのかもしれませんが、プライベートや家族について否定するのは選考の主旨から外れると思います。」
合格フラグ?圧迫面接されやすい人の特徴
圧迫面接をされた人でも普通に不採用になるので、合格フラグとまではいえないでしょう。
圧迫面接されやすい人は、以下2つのタイプに多い傾向があります。
- 採否が決めづらい人
- スキル・実績・人物面に問題はないが、定着できるか不安な人
端的にいえば「採用していいか判断しづらい人」が圧迫面接を受けやすいといえます。
逆に、誰がみても優秀な人と明らかに問題がある人なら、圧迫面接する必要なく簡単に採否を決められますよね。
企業側の本音としては、圧迫面接をして自社のイメージをできれば下げたくありません。
SNSなどで逆恨みされるケースもあります。
それでも企業は入社後のミスマッチを確実に防ぎたいのです。
本音が分からない
前もって考えてきた回答内容を終始思い出すように答えている人は、本音がわかりづらいので圧迫面接をされやすいです。
企業は良い人材を逃したくありません。
何を考えているか分からない人でも、もしかしたら良い考えを持っていて自社の力になってくれる人材の可能性もあります。
逆に危険な発想をする人の可能性もあるので、圧迫面接をして本音を引き出したい気持ちが出るのでしょう。
採用・不採用のボーダーラインの位置にいる人
採用・不採用のボーダーライン上にいる人も、圧迫面接を受けやすい傾向があります。
要するに、人柄は悪くはないけれど採用するにはもう一押し足りない人です。
このまま普通の流れで面接を続けていれば不採用になってしまうので、圧迫面接という形でも採用するメリットを引き出していると考えられます。
「難しい仕事を担当する場合、どう対応していく?」
など圧迫面接でも質問が入社後の内容が中心であれば、採用を検討されていると考えてよいでしょう。
ブランク期間が長い
スキルやビジネスマナー、人物面に問題がないこと前提で、入社後に定着できるか不安な人も圧迫面接される可能性はあります。
例えば、病気の療養が理由でブランク期間が長期化している場合です。
やむを得ない事情とはいえ、社会から長く離れていた事実は変わらないので、入社後に定着できるか企業側は不安を持ちます。
再発する恐れもあるので、本当に仕事を長く続けていけるか通常よりも厳しめに確認する可能性は高いでしょう。
転職回数が多い
同様に圧迫面接を受けやすいのが、スキル面は採用基準を十分に満たして面接中の印象も問題ないのに、なぜか転職回数だけが多い応募者です。
採用を考えてもよい人材なだけに、企業は少し辛いことがあると辞めてしまわないか圧迫面接を通して徹底的に確認するでしょう。
不当な圧迫面接を報復しようとしてもメリットが少ない理由
圧迫面接で酷い仕打ちを受け、訴訟を考える人もいるでしょう。
しかし訴訟してもメリットが少ないばかりか、肝心の就活・転職活動がおろそかになり希望の転職先が見つけられないリスクが上がってしまいます。
何かしら報復してやりたい気持ちは理解できますが、たった1社の最悪な会社に時間と労力を奪われるのは損以外の何者でもありません。
就活・転職活動に集中して内定を勝ち取ることこそが、最大の報いになります。
証拠不十分で訴訟できない可能性が高い
圧迫面接を訴訟しようとしても、十分な証拠を揃えられない場合が多いです。
不当な圧迫面接をされた最も有効な証拠として、面接時のやりとりを録音した音声データが考えられます。
実際のところ、企業に断りなく面接時の音声を録音する「無断録音」は違法に該当しないので、圧迫面接の証拠を残す方法としては有効でしょう。
参考記事 「就活の面接「こっそり録音」は違法なのか」(プレジデントオンライン)
しかし壁になるのは唯一入手できる音声データが面接中であること。
応募者が音声データだけで圧迫面接の違法性を立証しようとしても、
「応募者のストレス耐性を確かめるために、敢えて圧迫面接を実施した」
「後でお詫びを入れるつもりだった」
などと企業側が主張すれば、かりに企業側の過失が一部認められたとしても、十分な賠償金をもらえない場合が多いでしょう。
面接終了後に応募者を罵倒している音声データでも入手できれば話は別ですが、現実ではほとんど不可能でしょう。
裁判が長引き弁護費用がかさむ可能性がある
明確な証拠がなく訴訟に対する企業側の言い分を覆せない場合は、裁判で争う機会が出てくるでしょう。
また企業側からすると公然と訴えられた事実は社会的信用を下げられたと同様なので、名誉棄損で訴えてくる可能性も十分にあり得ます。
裁判で争う期間が長くなるほど弁護費用がかさみ、慰謝料を簡単に上回るでしょう。争っても勝てる見込みがない場合は、最初から訴訟を諦めた方が寧ろ得といえます。
そもそも就活・転職活動においては何のメリットもないから
仮に訴訟に成功すれば、不当な圧迫面接をしてきた企業の社会的信用は下がるでしょう。
しかし就活・転職活動の目的は希望の企業から内定を勝ち取ることです。
確かに一時的な気持ちは晴れるかもしれませんが、圧迫面接をしてきた1社をやり込めたところで就活の状況が好転するわけではありません。
訴訟を起こすためには時間とお金も必要になりますし、何よりも一度訴訟を起こせば問題を起こした企業と事が済むまで関わり続けなければいけません。
間違いなく本来力を注ぐべき就活・転職活動に集中できなくなるので、よほどの理由がなければ訴訟しないことをおすすめします。
まとめ:圧迫面接を乗り切る方法について
採用を全く考えていない人に、リスクを冒してまで企業は圧迫面接を実施しません。
合格フラグとまではいえませんが、応募者の中身をもっと深く知りたいと考えているのは確かでしょう。
圧迫面接中に面接官からどのような質問や態度をされても、全てポジティブな方向に自分の考えの軸をぶらさずに対応したいところです。
ただし、圧迫面接と企業側の単なる悪意による攻撃とは明確に線引きする必要があります。
本記事を参考にしていただき、圧迫面接を突破して希望の企業から内定を勝ち取ることを強く願っています。