派遣の仕事を断っても大丈夫?今後の仕事への影響やケースごとの上手な断り方を紹介
登録している派遣会社から紹介される仕事が、必ずしも自分の希望に一致するものとは限りません。
しかし断ったら次の仕事を紹介してもらえないかも…と不安になり、断りきれずに引き受けてしまう派遣社員のもいるでしょう。
そもそも派遣の仕事は断ってもいいものなのでしょうか?
もし断るとしたら、今後の仕事に影響しないように上手に断りたいですよね。
今回はケース別に派遣の仕事を断るリスクや、上手な断り方をご紹介します。
この記事で伝えたいこと
「エーマッチ」編集長。
ウェブマーケティング会社経営者。上場企業からスタートアップまで7回の転職経験を元に転職エージェントマッチングメディア「エーマッチ」を運営。
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もちろん派遣の仕事は断れるが早めが鉄則!ケース別のリスクを知っておこう
派遣の仕事は、必ず引き受けなくてはいけないわけではありません。自分に合いそうにないと判断した場合、断っても問題ないのです。
断りきれずに引き受けた結果、途中で辞めてしまうことになるくらいなら、最初から引き受けない方が誰にも迷惑がかかりません。断る場合は、できるだけ早めが鉄則です。断るタイミングが遅ければ遅いほど、派遣会社や派遣先企業に迷惑をかけてしまいます。断ると決めたらできるだけ早く派遣会社に相談しましょう。
それではケースごとに、断ることのリスクの違いを見ていきましょう。
派遣の仕事を紹介してもらい、一度受けた後に断る場合
紹介された仕事を引き受けたものの、やはり希望とは合わないので断りたいということがあるでしょう。その場合は、できるだけ早く連絡してください。
一度受けた仕事を断る場合、派遣会社は代わりの人を探さなくてはいけなくなるため、早めの連絡が必須です。派遣会社には違う人材を探す手間をかけてしまうことにはなりますが、派遣先との顔合わせ前なので、大きく迷惑をかけるわけではありません。
断る理由をはっきりと説明することで、派遣会社に悪いイメージを持たれるリスクも少ないでしょう。
派遣先企業との顔合わせ後に断る場合
派遣先企業との顔合わせまで進むと断りにくいでしょうが、絶対にNGというわけではありません。実際に派遣先企業を訪れたことで、気になることが見つかることはあるものです。
派遣会社には、理由を伝えてお断りすればいいのですが、伝え方によっては「文句ばかり言う人」と思われる可能性があります。その場合、次の仕事を紹介しにくいと思われるかもしれないので、断るときには伝え方に十分気をつけましょう。仕事内容や会社の雰囲気が理由だとしても、自分の経験やスキル不足を理由に断ることで角が立ちません。
また派遣会社には迷惑をかけることになってしまうため、仕事を紹介してくれたことへの感謝や、断ることの申し訳ない気持ちをしっかり伝えることで、悪い印象を持たれずにすみます。
内定承諾後に断る場合
内定をもらってその場で承諾したものの、後から辞退したくなることもあるかもしれません。「辞退します」と言いにくいでしょうが、断ることは可能です。ただし、派遣会社の担当者からは「今さら何で?」と怒られる可能性大です。
しかし、どうしても断りたい場合は、できるだけ早く連絡すべきです。派遣会社にはメールでなく、電話で辞退したい旨を伝えましょう。
内定承諾後に断る場合は、必ず理由を聞かれます。「仕事内容で気になる点や不安な点がある」「条件面が一致しない」などの理由があるでしょうが、どちらにせよ「断るならもっと早く言うべき」と思われても仕方ありません。
内定を承諾したことで、派遣会社も派遣先企業も準備にとりかかっているはずです。それが辞退ということになれば、派遣会社は派遣先企業にお詫びに行かなくてはなりません。かなり迷惑をかけてしまうため、派遣会社との信頼関係は下がり、もしかしたらブラックリスト入りする可能性もあります。
内定後の辞退は今回がはじめてで、正当な理由があるとみなされた場合は、大目に見てくれる派遣会社もあるかもしれません。しかし、問題ありと判断された場合は、今後仕事の紹介がこない可能性が高いでしょう。
契約後に断る場合
内定を承諾し、契約書まで交わしている場合は深刻です。契約違反ということになるため、損害が発生し、損害賠償の話をされる恐れもあります。そのようなことにはならないケースが大半ではありますが、書面で契約している場合は口約束とは違うため、間違いなく厳しいことを言われるでしょう。
どうしても断る場合、理由については嘘ではなく本当のことを伝えてください。マナー違反をした上に、嘘までついたとなればかなり大変なことになりかねません。
しかしどのような理由であっても派遣会社との信頼関係を回復するのは困難だと考えられるため、次の紹介は厳しいと思った方がよいでしょう。
就業後に断る場合
派遣先企業での仕事がスタートしてから、すぐに辞めたくなることもあるかもしれません。
派遣社員は期間が決まっているため、辞めたくても基本的には契約期間が満了してから辞めるのが原則です。しかし、それまで我慢できそうにないという場合、理由しだいではやむをえないということで認めてもらえます。
次のような理由であれば、納得してもらいやすいでしょう。
- 病気や怪我で仕事を続けるのが困難
- 家族の介護で仕事ができない
- 家族の転勤などで引っ越すことになった
- 労働条件と実際の仕事内容が違う
- 明らかに派遣先に非があるハラスメントがおこなわれた
単に「会社の雰囲気が嫌い」「上司が厳しい」くらいでは、簡単に辞められません。
強引に辞めてしまうと次の紹介はないと思っておきましょう。またやむをえない理由であっても、派遣会社によっては悪い印象を持つことがありますので、次の仕事が確実に紹介されるかはわかりません。
紹介予定派遣の場合
紹介予定派遣は、契約期間を設定して契約更新する派遣とは異なり、契約期間満了後に双方が合意すれば派遣先企業に直接雇用されるという契約です。紹介予定派遣の場合、顔合わせではなく面接がおこなわれます。そのため面接前や面接直後であれば、断っても問題ありません。
紹介予定派遣の期間は3〜6ヵ月で設定されることが多く、契約期間満了前に直接雇用を希望するか意思確認がおこなわれます。このタイミングで断るのが、もっとも問題ない断り方です。
しかし働き始めてすぐに辞めたくなった場合は、まず派遣会社に相談した方がいいでしょう。紹介予定派遣は、企業と労働者のミスマッチを防ぐものなので、実際に働いてみてから「合わない」と気づくこともあります。直接雇用を希望しないのに、契約期間満了まで残りの数ヶ月間勤めるのは、お互いにメリットがありません。
派遣先企業は、直接雇用するつもりで教育したり、コストをかけたりしているのです。働き始めて間もないのに辞めたくなったときは、早めに派遣会社に相談しましょう。
また、直接雇用後に辞めるのは、本人の自由です。
しかし紹介料を払っているのにすぐ辞められては損害が出てしまうため、派遣会社に対して紹介手数料の返金や違約金の発生などを設定しているケースもあります。
紹介予定派遣で直接雇用後にすぐ辞めてしまうと、派遣会社に多大な迷惑をかける可能性があることを理解しておきましょう。
派遣の仕事を断り続けると求人紹介してもらい辛くなることも
派遣会社は、「○○さんに紹介したい」と思って仕事を紹介してくれるのですが、何回も続けて断ると、働く気がないかもしれないと思われ、仕事の紹介がなくなってくることは十分考えられます。
しかしどうしても条件に納得がいかなくて、断るしかないこともあるでしょう。
その場合は、「なぜ断りたいか」「どういう仕事を希望しているのか」ということをはっきり伝えておきましょう。自分の希望を把握してもらうことで、次回からは希望に合う仕事を紹介してもらえるようになり、断わらなくてすむようになります。
派遣の仕事を断る場合の正しい方法
派遣の仕事を断るときは、派遣会社の担当者に電話かメールで伝えることになります。
どちらの方法が適切であるかは、派遣会社の方針や緊急度、担当者の忙しさなどによって異なります。
メールで断ってもOKなケース
派遣会社から「メールで」と指示されている場合は、メールで連絡しましょう。派遣会社によっては、履歴が残るようにメールでの連絡を指定されることがあります。
また担当者が多忙で断る理由をゆっくり話せそうにない場合などもメールで伝えた方がよいでしょう。ただし、メールでは一方的になってしまうため、自分の連絡がつきやすい時間帯を伝えておいてください。
電話で断るべきケース
断るときはできるだけ早く連絡するのが鉄則なので、基本的には電話で断る方がベターです。
メールの場合、担当者がいつ確認するかわからないため、伝わるのが遅くなる可能性があります。
とくに相手が連絡を待っている場合や、電話で連絡するように言われている場合は電話で直接話して断りましょう。
派遣の仕事を断る場合の理由例(こんな断り方は注意!)
断るときは正直な理由を言った方がいいのですが、今後もお仕事を紹介してほしいのであれば、伝え方も重要です。
またOKな理由とNGな理由がありますので、表現方法を工夫しましょう。
ポイントは「感謝」&「褒める」
断るときは、派遣会社への感謝の言葉を忘れないようにしてください。担当者の方は、自分の希望条件に合う仕事を探して紹介してくれたのです。きちんと感謝の気持ちを伝えることで、たとえ断っても良好な関係を継続できるでしょう。
また紹介してもらった企業を褒めることも忘れないようにしておきましょう。
派遣先企業を褒めることで、相手が悪いのではなく自分に問題があるということを強調できるため、不快な印象を与えずにすみます。
OKな理由例
自分の能力不足を理由にすれば、角が立たずにお断りできます。
また最初に聞いた条件と顔合わせで聞かされた条件が異なる場合は、労働条件が異なることを理由にすることで、スムーズに断れるでしょう。
NGな理由例・避けるべき表現
嘘の理由を言っても見破られるケースが多いので、本当のことを言うのがベストですが、「オフィスが汚い」「会社の雰囲気が暗い」など、派遣先企業を悪く言うのはNGです。相手が悪いのではなく「自分には合わないと思った」という表現にしておきましょう。
また希望に合わない仕事を紹介した派遣会社の担当者に苦情を言うのもNGです。苦情ばかり言えば、今後仕事を紹介してもらえなくなるかもしれません。
こんなときは派遣の仕事断るべき?我慢すべき?ケース別の解決策を紹介
紹介された仕事を断りたいとき、断っていいのか我慢しなくてはいけないのか悩むときもあるでしょう。
さまざまなケース別の解決策をご紹介します。
契約後に本命の会社から連絡がきた。どちらを優先すべき?
複数の派遣会社に登録して、並行して仕事を探している人もいるでしょう。契約後に本命の会社から連絡が来る場合もあります。
この場合派遣契約を交わす前であれば問題なく断れますが、すでに契約した後に断れば、契約違反ということになってしまいます。
契約後に断るのは社会人のマナーとして問題ありますが、本命の会社を優先する場合は、できるだけ早く派遣会社に相談しましょう。
また並行して他の会社とも話が進んでいるときは、事前に派遣会社にその旨を伝えておくことで大きなトラブルを回避できるかもしれません。
職場見学に行ったら合わなそうだった。辞退しても大丈夫?
職場見学に行き、聞かされた業務内容や会社の雰囲気、上司の態度などに不安を感じて断りたくなることもあるでしょう。この場合、辞退しても大丈夫ですが、派遣会社は代わりの人を探さなくてはいけないため、できるだけ早く断るのが鉄則です。
職場見学の最中に断りたいという意思が固まった場合は、会社を出て派遣会社の担当者と2人きりになってから、辞退したいことを伝えましょう。
少し考えたい場合は、考える時間をもらうこともできますが、長引かせると迷惑をかけてしまうため、最大でも3日程度にしておきましょう。「○日まで待ってもらえますか?」と期日を約束しておいてください。
なかなか合う職場がないが、これ以上仕事を断り続けるとブラックリストに載りそうで怖い
仕事を受ける前に断るのであれば、派遣会社に迷惑をかけるわけではないため、ブラックリストに載ることはないでしょう。しかし、内定承諾後や契約後に断ることが続けば、ブラックリストに載ってしまうかもしれません。
仕事を断ることが続くという場合、派遣会社が希望条件を正確に把握していないか、希望条件が多すぎる可能性があります。条件にこだわりすぎると全ての面で満足できる仕事が見つかりにくいため、紹介してもらった仕事を断ることになってしまうでしょう。
一度自分でも条件を見直し、派遣会社にも相談しておくことで、今後は希望に合わない仕事を紹介される可能性が低くなります。
辞退したいけれど、会社に出向いて署名捺印などをするのが面倒。どうすれば?
辞退する際に、派遣会社から書類に署名捺印を求められることがあるかもしれません。
派遣会社が自宅から遠いなど、出向くのが面倒な場合は、書類を郵送してもらえないか相談してみましょう。社会人として「面倒だから」という理由は不適切なため、時間の都合がつかないなど、違う言い回しで尋ねてみてはいかがでしょうか。
派遣後3か月の契約だが、一週間ですでに心が折れそう。満了前に辞めたら迷惑?
基本的には満了まで勤めるものですが、実際は入社してから合わないと感じることも少なくありません。精神的に辛くて心が折れそうなほど悩んでいる場合は、派遣会社に相談してみましょう。
1週間で辞めるとなると派遣会社が納得するような理由が必要ですが、次のような理由であれば「やむをえない」と思ってもらえる可能性が高いです。
- 体調を崩した
- 事前の契約内容と異なる
- サービス残業が多い
- イジメやセクハラ・パワハラなどがある
原則としては1週間で辞めることはできませんが、入社してからでなければわからない事情もありますので、早めに派遣会社に相談してみましょう。
派遣の仕事を断るに関するよくある質問
派遣の仕事を断るに関するよくある質問をまとめています。派遣の仕事を断るについて疑問や質問があるかたはぜひご覧になってください。
ただし、紹介された派遣の仕事を断るならば、できるだけ早く派遣会社に伝えましょう。言い出せずにズルズルと断るのを送らせてしまうと、派遣会社や派遣先企業に迷惑がかかります。断ると決めたら即報告するのが社会人としてのマナーです。
派遣の仕事断っても大丈夫 まとめ
派遣会社から紹介された仕事は、希望条件に合わなければ断っても大丈夫です。
しかし断るタイミングによっては派遣会社や派遣先企業に迷惑をかけてしまいます。
仕事を引き受けると、派遣先企業との顔合わせや、内定の承諾、契約というように話が進んでいきます。話が進めば進むほど断ったときに迷惑をかけてしまうため、早めに決断して派遣会社に伝えましょう。
仕事を断るときは、感謝の気持ちを伝えることと、派遣先を褒めることがポイントです。断り方が悪ければ、今後は仕事を紹介してもらえなくなるかもしれません。
また内定承諾後や契約後に断ると、派遣会社からの信頼を失うため、仕事を紹介してもらえなくなる可能性大であることを覚悟しておいた方がよいでしょう。基本的には、一度引き受けた仕事を断るのはよくないため、よく考えてから引き受けるべきです。
どうしても断る場合は、できるだけ早くマナーを守った方法で断りましょう。
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