「OJT」の意味とは?「OJT」の使い方から「Off-JT」との違い・メリット&デメリットを紹介
「OJT」(オージェーティー)とは「On the Job Training」の略語で、実務を通して仕事を教える方法を指します。
会社を選ぶ際には「OJT教育」の制度を取り入れているかどうかは重要な判断基準ですし、自分が「OJT研修」を行う立場ならばその目的や重要性を理解する必要があります。
常識となっている「OJT」の正しい意味を今一度振り返っておきましょう。
「エーマッチ」編集長。
ウェブマーケティング会社経営者。上場企業からスタートアップまで7回の転職経験を元に転職エージェントマッチングメディア「エーマッチ」を運営。
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「OJT」の意味
「OJT」が円滑に機能していれば、コストを抑えながら一人一人に合うスピードで新人教育を行うことができます。
その結果、教育終了後は新人でも即戦力として働けることが期待できます。
「OJT」の意味や目的を理解して、効率的な新人教育を目指しましょう。
「OJT」の意味
「OJT」は、実際の業務を通じて仕事を教える教育方法を指します。
例えば営業職に就いた新人が、
- 先輩の営業に同行する
- マナーやコミュニケーションの取り方、資料の活用方法などを見て学ぶ
- 顧客の引継ぎや営業活動を通して実地経験を積んでいく
というのがOJTです。
口頭や文書でノウハウを学ぶよりも、現場の空気や緊張感に慣れることができ、新人の成長が早いと言われています。
「OJT教育」「OJT研修」の意味
【OJT教育】
「実際の訓練を通して仕事を教える」という教育方法全般を「OJT教育」と言いますが、どの業界でも基本的な型は同様で、
- やっている姿を見せる
- 教える
- やってみてもらう
- フィードバックする
といった4段階で教育が施されます。
【OJT研修】
OJT研修とは、一般的にOJT教育を行う「教育担当者」のための研修制度を指します。
OJTを導入しているものの新人の成長が遅い、退職者が出てしまう、といった問題を解決するために、無理のない計画の立て方、効果的な指導方法などを学ぶことができます。
「OJT」による教育が目指すもの
OJTは、第一次世界大戦時にアメリカ軍が短期間に兵士を教育することを目指した際に生まれたと言われています。
厚生労働省により平成28年度に実施された「能力開発基本調査」によると、「OJTを重視する」と答えた企業は70%以上で、OJTを導入する企業が大半を占めていることがわかります。
OJTが普及している理由としては
- 教育のためのコスト、時間の削減になる
- 即戦力を育てることができる
- 新人にやりがいを感じてもらいやすい
- 離職率が低くなる
- 教育者のスキルアップにも繋がる
などのメリットがある点が挙げられます。
最近はOJTに加えて「Off-JT」を実施する企業も増えてきました。
両者の違いもチェックしておきましょう。
「OJT」と「Off-JT」の違い
「OJT」は実務の現場での実戦形式の研修を指すのに対し、新人の知識や理解をさらに深めるために、実務を離れて座学での研修を行うことを「Off-JT」と言います。
「OJT」では個別の業務に必要な知識やノウハウを教えますが、「Off-JT」では、例えば、「ビジネスマナー研修」という形で新入社員全員に必要な知識を教えます。
「OJT」でカバーできない部分を、座学で補うのが「Off-JT」であると言えます。
「OJT」の例
- 新人1人に指導担当が1人付き、目標・計画・達成度などを随時話し合う
- 営業で顧客周りに新人を同行させ、可能なタイミングで引継ぎを行う
- 接客業務の現場を見学してもらい、少しずつ業務を任せ、その都度指導を行う
「Off-JT」の例
- 業務を離れて、「個人情報保護法に関する研修」を受ける
- OJT中に孤立しがちな社員に、「コミュニケーションスキル研修」を受けさせる
- 現場の仕事に慣れてきたので、「プレゼンテーションスキル研修」を受けさせる
「OJT」の使い方・例文
「OJT」の意味は理解できましたが、実際の会話で使う際にはどのように使えば良いのでしょうか。
例文を見ながら、「OJT」の使い方を身に付けていきましょう。
「OJT」を使った例文
- A社はOJTを導入している
- 即戦力を必要としているなら、OJTに切り替えるのが最善だ
- OJTのためのマニュアル作成をしてほしい
- 上司からOJT研修を受けるように言われた
「OJT」を言い換えるなら「実地訓練」
「OJT」を日本語に言い換えるなら、「実地訓練」と言うことができます。
「実地訓練」を使う場合の例文も見てみましょう。
「実地訓練」の使い方
- 来月、スーパーバイザーによる実地訓練が行われる
- 実地訓練の指導員を命じられた
- 実地訓練には、達成目標を立てることが大切だ
「OJT」は英文で使ってもOK?
「OJT」は英語でも同じ意味を持つ言葉ですので、英文中で使っても問題ありません。
しかしメールなどでは「OJT」と書くよりも「On the Job Training」と書いた方が伝わりやすいかもしれません。
「OJT」のメリット・デメリット
「OJT」の導入には様々なメリットがありますが、当然デメリットもあります。
導入前、または会社を選ぶ前に、主なメリット・デメリットを理解しておきましょう。
「OJT」のメリット
【教育する側のメリット】
- コストが削減できる
- 短期間で即戦力になるよう教育できる
- 指導者の成長にも繋がる
【教育を受ける側のメリット】
- 自分に合ったペースで必要な教育をしてもらえる
- 実務のやりがいを実感できる
- 教育を受けながら、職場での人間関係を築ける
「OJT」のデメリット
【教育する側のデメリット】
- ・OJT制度を整えるのに時間がかかる
- ・OJT担当者を確保・教育する必要がある
【教育を受ける側のデメリット】
- ・体系的に学ぶことが難しい
- ・教育者のスキルにより、習熟度に差が出る
企業にとっては時間短縮になること、働きやすい環境を作り出せることがメリットですが、制度自体を整える段階で時間やコストがかかるというデメリットがあります。
新人社員にとっては、すぐに職場や実務に慣れることができるというメリットがありますが、教育担当者や制度に問題があった場合にマイナスの影響を受けやすいというデメリットがあります。
「OJT」について まとめ
「OJT」とは「On the Job Training」の略語で、実際の訓練を通して仕事を教えることを指します。
- 教育のためのコスト、時間の削減になる
- 即戦力を育てることができる
- 新人にやりがいを感じてもらいやすい
- 離職率が低くなる
- 教育者のスキルアップにも繋がる
などのメリットゆえに多くの企業が導入している教育方法です。
また、「Off-JT」は、一時的に現場を離れて座学での新人職員全員向けの内容などの研修を行うことを指します。
OJTの意味・目的を正しく知ることで教育担当者自身も成長できますし、新人社員も目的意識を持って研修に取り組むことが期待されます。
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