インバウンドとは?観光業界・コールセンターなど業界別に解説
皆さんは「インバウンド」という用語を耳にしたことはありませんか?インバウンドには「外から中へ入ってくる」「内向き」という意味があります。
インバウンドは主に観光業界で使われることが多い用語で、その他にも、コールセンターで働いた経験がある方ならば「インバウンドコール」という用語を耳にしたこともあるでしょう。
ではインバウンドとは一体どんな意味で使われることが多いのか、本記事ではインバウンドの意味と使われるシーン、例文を紹介します。
この記事で伝えたいこと
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インバウンドとは?
インバウンドとは「外から中へ」「内向き」という意味合いから主に「外国からの観光者が日本を訪れた際」などに使われる用語です。
その他にも「上りの」「到着の」「着信の…」という意味合いでも使われます。このインバウンドの対義語は「アウトバウンド」です。
観光業界から見るインバウンド
日本にとって、インバウンドは「日本の人口減少に伴う国内旅行者数の減少」「アジアの経済成長」「日本人が自らの地域や製品を見つめなおす機会を得る」などの理由から注目されています。
私たち日本の魅力を余すことなく伝える手段としても、インバウンドはとても大切ですよね。また日本へのインバウンドは経済をまわす上でも重要なポイントと言えるでしょう。
以下の表は観光庁の「訪日外国人旅行者数・出国日本人数の推移」になります。
※観光庁 日本政府観光局(JINTO)出典:https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/in_out.html
表を見ると、インバウンドは2011年で2,311万人、2019年には5,196万人と年々上昇傾向です。
事実、日本は「インバウンド観光促進」「インバウンド誘致」に力を入れており、平成28年(2016年)には新たな観光ビジョンをとりまとめていました。
その結果、平成28年(2016年)以降インバウンドは増えていましたが、コロナウィルスが発生した2020年からは外国旅行者数が劇的に減ってしまい、2021年時点で25万人です。
インバウンドが使われるシーン
次はインバウンドが使われる主なシーンを見ていきます。
観光・旅行業界:インバウンド消費・インバウンド回復
上記で紹介した通り、インバウンド=観光・旅行業界で使われることが多いです。
例えばインバウンド消費とは、海外から日本へ旅行に来た人々が国内で飲食や買い物、宿泊などを指しています。
またインバウンド回復はその名の通り、現在のようにインバウンドが減っている現状から人が戻っていくことです。
他にもインバウンド経済、インバウンド政策という用語として使われることもあります。
コールセンター:インバウンドコール
コールセンターでよく使われるインバウンドコールとは、顧客などからの電話を受電することです。
例えば商品の注文や、商品の問い合わせなどの電話をインバウンドコールと呼びます。
逆に、こちらからアポイントメントを取るなど、電話をこちらからかける場合はアウトバウンドコールと呼びます。
ビジネス:インバウンドマーケティング
インバウンドマーケティングとは、WebやSNSを利用して情報を共有、拡散することでお客様から見つけてもらい、会社や商品・サービスに興味を持ってもらえるように仕掛けるマーケティング手法です。
実際にある企業でのインバウンドマーケティング例を挙げると「アイリスオーヤマ」では、主婦に向けた情報サイト「アイリス暮らし便利ナビ」でレシピや家事に関するお役立ち情報を提供することにより、集客率や「アイリスプラザ」への契約件数を増やしています。
いままでのマーケティングは、アウトバウンドマーケティングであることが多く、「こちらから相手の意思に関係なく、顧客にとって必要ではない情報を無駄に提供する」というマーケティング手法でした。
皆さんも、少し興味があったからメールアドレスや住所を登録したら、永遠と興味のないメールやパンフレットが届いた!という経験があるのではないでしょうか。
これはメールを送る手間やパンフレットを送る料金など、企業にとっては契約に繋がらなければ損失が大きいマーケティング手法になります。その点、インバウンドマーケティングは顧客が興味を持ってくれるように仕掛けるマーケティング手法なので、かかるコストも少なくすみます。
インバウンド観光でよく使われる用語と意味
次はインバウンド観光に重点を置いて、よく使われる用語とその意味を紹介します。
オーバーツーリズム
オーバーツーリズムとは、特定の観光地において、海外からの旅行者や国内旅行者などが著しく増えることにより、そこに住んでいる地域住民の生活や自然環境、景観に負の影響をもたらすという意味です。
よくニュースで話題になった地域が、ゴミのポイ捨てや夜間に騒ぐ若者の声が迷惑だ!と訴えているシーンを見ることがあります。
例として、神社仏閣と美しい景観が魅力の京都では、騒音やゴミのポイ捨てなどの公害問題が発生したことにより、地域住民から苦情が上がったり、トラブルが相次いだりして、問題視されていることが挙げられるでしょう。このような現状をオーバーツーリズムと言います。
着地型観光
着地型観光とは、地域側(旅行者を受け入れる側)が地域のおすすめ観光資源を使用して旅行商品や体験プログラムなどを企画・運営することです。
地域住民だからこその独自性が高い旅行を体験することができるので、地域の魅力を存分に味わいたい方向けの観光と言えます。着地型観光の有名な例を挙げると「アニメの聖地巡礼」などがとても人気を博しています。
オプショナルツアー
オプショナルツアーとは、旅行の自由行動時間に、希望する人が別料金を支払って参加する小旅行(現地ツアー)のことです。
オプショナルツアーと聞くと「なにそれ?」と思う人もいるかと思いますが、現地ツアーと聞けば「なるほどね」となりますよね。
このオプショナルツアーは、現地を知り尽くしたガイドが同行してくれるので「言葉が通じるかな」「道がわからない」などの心配もなく、安心して小旅行を楽しめる点がメリットです。
しかし、中には日本語が通じないツアーや団体で行動することもあるので、旅行先の言語を話せる自信がない人や、一人でじっくり旅行したい!という人には向いていないとも言えます。
ランドオペレーター
ランドオペレーターとは、旅行会社から依頼を受けて、旅行先のホテルやレストラン、ガイドなどを手配したり、予約をしてくれたりする会社のことです。
別名、ツアーオペレーターとも呼ばれています。ランドオペレーターはインバウンドに対しても対応しています。
日本で大手のランドオペレーター会社は「OTOA」で正会員社数は2022年5月現在112社です。手配地域や種別でピッタリのランドオペレーターを紹介してくれるので、旅行したいけれど色々と手配・予約が面倒!というときに頼れる存在です。※出典:OTOA正会員紹介より
インバウンドを使った例文
最後にインバウンドを使った例文を4つ紹介します。
我が国のインバウンド観光者は、年々減少傾向にある
この例文は、現在の日本と同様、訪日外国人旅行者が年々減っている傾向にあるよという意味です。
国際情勢の影響もあり、なかなかインバウンド観光者が増えるまで時間がかかることでしょう。
インバウンド政策に力を入れるべきだ
この例文は、訪日外国人旅行者を増やすという政策に力を入れるべきだよ!という意味になります。
オーバーツーリズム問題などがあるにせよ、日本に多くのインバウンド観光者が訪れればその分、経済状況は上向きになります。
2022年5月現在、日本では観光庁が「訪日旅行事業」や「MICE※の誘致・開催の促進」など、インバウンド政策にとても力を入れているんですよ。
※MICEとは…企業などの会議(Meeting)、企業などが行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字
〇〇さんインバウンドコールをお願いします
この例文は、〇〇さんに対してお客様からの受電対応をお願いします!という意味になります。
コールセンターの中には、大手だとインバウンドコールとアウトバウンドコールで部署が分かれているところがあります。
基本的に採用されたときに決められた部署へ配属となりますが、あまりにも忙しいときやお客様問い合わせの場合「インバウンドコールお願い」と言われることもあるでしょう。
今回のプロジェクトはインバウンドマーケティングで行う
この例文は、先ほど紹介したインバウンドマーケティング手法を使用しよう!という意味です。
インバウンドマーケティングの事例で言うと、ソフトバンクのTwitterを利用したアクティブサポートも有名なインバウンドマーケティング方法になります。
こちらから「何か不具合はありませんか?」と営業をかけるのではなくて、アクティブサポートとしてSNSでサポートを必要として検索している顧客を呼び込むマーケティング手法ですね。
インバウンドについて まとめ
今回はインバウンドについて意味や例文を紹介しました。インバウンドという用語は聞いたことがあるけれど、意味自体はよくわからないという方は本記事を参考に理解を深めてみてくださいね。
またインバウンド=観光という意味合いで使用することが多いですが、インバウンドコールやインバウンドマーケティングなど、ビジネスシーンでも使われる用語だと覚えておきましょう。
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